南アルプス、諏訪

入笠山(にゅうがさやま)・高ボッチ・鉢伏山

2003年6月25-26日、wakwak山歩会は 久々のメンバー4名がそろって出かけた。入笠山(1,955m)は南アルプスの前衛の山、山頂近くの湿原・草原には、スズランを始めとして色とりどりの高 山植物が花開くという。鉢伏山(1,929m)は諏訪湖の北西方向に大きな鉢を伏せたような山で、その南方の高ボッチ山を含めてこの高原一帯は高山植物 の宝庫と言われる。両方ともに霧が多く、また山頂近くを林道が走っているので、今回は車を利用し、梅雨時の高原をしっとりと散策することにした。

第1日

長野県は午前中は雨、午後は曇りの予想通り、入笠山登山口に到着するころは雨は上がっていた。約30分の登坂途中、八ヶ岳連峰がその全容をあらわすまでになったが、山頂に到着するころは、ガスに巻かれてしまった。

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入笠山山頂にて (コンちゃん撮影)

それでも八ヶ岳山麓はガスの切れ間に見渡せる。富士山も遠くに時々顔を出すのが見える。入笠山山頂は風が強いのか大きな木はなく、一面レンゲツツジの花畑であった。山腹にはズミの白い花が可憐である。

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入笠山山頂からの八ヶ岳山麓を俯瞰

大阿原湿原に下るのは遠回りとなるので予定を変更し、車で入笠キャンプ場の湿原に移動し、ここを散策する。クリンソウ、 キンポウゲ、スズランがちょうど満開であった。本職顔負けの大型カメラを持ったシルバーカメラマン・ウーマン(パーソンか?)が大勢花の撮影に夢中になっ ている。再度南諏訪ICにもどり、塩尻ICで降り、東山山麓広域農道、崖の湯温泉経由高ボッチ山荘に着く。高ボッチ山から鉢伏山にかけては山頂は高原 状になっていて尾根にそって道路が通じている。車で高ボッチ山頂横の駐車場まで移動する。ここから高ボッチ山頂までは400メートルの横移動だけであ る。山頂からは諏訪湖、ここから流れ出る天竜川の通過する山の切れ目が手に取るように見える。御嶽山、北アルプスも見えるはずであるが、厚い雲の中であっ た。

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高ボッチ山から諏訪湖を望む

目を北に転ずれば、今夜宿泊する高ボッチ山荘と明日登る鉢伏山が雲に隠れているのが見える。山頂は大きな木はなく、一面レンゲツツジの花畑である。

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高ボッチ山から高ボッチ山荘と鉢伏山を望む

高ボッチ山荘の管理人に高ボッチ山の名前の由来を聞くとボッチとは高いところという意味のアイヌ語に由来していると こと。車で補給ができるので山荘ではお風呂にも入れる。食事も旅館並。すこし味の落ちた生ビールも楽しめた。客はwakwakの4名だけであった。風車発 電の適地だと感じ管理人に聞くと国定公園のため不可能とのこと。でも通信のためのアンテナは沢山ある。いずれ法律を替えて風車発電はOKとすべきだろうと 思う。すでに北海道でそのような要望が出て、環境省で検討を開始したとのこと。

第2日

翌朝6:00起床、フルコースの朝食中、午後は雷雨となるとの予報を聞く。当初の計画では2時間かけて林道を歩く計画で あったが、計画を変更し高ボッチ山荘から鉢伏山荘まで車で移動する。鉢伏山荘の駐車場は有料だ。強い南風で鉢伏山山頂はガスの中である。鉢伏山は全山レ ンゲツツジに覆われている。ハクサンフウロ、テガタチドリなどの高山植物も花を付けている。鉢伏山駐車場より鉢伏山山頂まで20分で登れる。鉢伏山からは 松本市が西側に遠望され、東側には美ヶ原の台地と王ヶ鼻の急斜面が見える。

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鉢伏山

鉢伏山征服後15分かけてその北側にある前鉢伏山にむかう。ここのレンゲツツジが一番見事だった。カメラを持って毎年来るという群馬の夫妻に会った。知る人のみが知る隠れた秘境という感じである。

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前鉢伏山

雨も降ってきたのでまだ9:30と早いが下山する。

製糸業で財を築いた片倉財閥が昭和3年に諏訪湖畔に建設した温泉保養設備、片倉舘(Hot spring Serial No.189)で登山の汗を流し、昼食と午睡をとる。台湾総督府などを設計した森山松之助氏設計の建物は今に至るもびくとせず、当時の豪壮な様式を今に伝えている。温泉が循環式でないこともうれしい。湯槽は深くプールのようで底には黒色の玉砂利が敷き詰めてある。

スケジュールとパーフォーマンス

日付

場所 予定時刻 実時刻 歩数

第1日目 6月 25 日

小田原駅

8:00集合

8:00集合 -

-

御坂・諏訪南IC経由入笠山登山口

11:30発

11:45発

0

-

入笠山 (1,955m) 昼食

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- 入笠山登山口

15:00発

13:30着 3,000
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大阿原湿原の予定を変更し入笠キャンプ場の湿原散策

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- 諏訪南IC・塩尻IC経由高ボッチ山荘 (Hotel Serial No.254)

17:00着

16:30着 6,000
- 高ボッチ山往復 泊

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第2日目 6月 26 日

高ボッチ山荘

7:00発

7:00発 0
- 鉢伏山 (1,929m)

10:00発

-

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- 高ボッチ山荘 13:00発 9:30着

5,000

- 温泉:崖の湯はパスし諏訪湖の片倉館

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12:00着 -
- 小田原 14:30発

17:00着

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装備・食糧

山行装備:初夏の1泊登山ていどのもの。雨具必帯。今回の山では、蒸し暑かったら、カッパを脱いで傘を活用するのも一法。ドライブ旅行中:軽装。 尚、登山に不要な着替え等は 車中に置いておく。
食糧:水。第2日目の昼食は山荘でおにぎり(1個 100円)を作ってくれるが、おかずのようなものを欲しい人は各自準備。

June 26, 2003

Rev. March 24, 2006


2017/3/5 長野県警の山岳救助隊のヘリが訓練生を載せて高ボッチ山に墜落し9名全員が死亡という事故が発生した。

March 6, 2017


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