シカゴ

1997年10月、米国プロジェクトマネジメントの年次大会 (International Hotel Serial No.76)に参加するため 、シカゴを訪問した。

35年ぶりのシカゴのダウンタウンは大変美しく変身していた。新らしさだけではなく、ミシガン湖に望む高級ホテル、ザ・ドレーク (International Hotel Serial No.90) はベン・マーシャルが1920年代に建造した建築遺産をそのまま維持している。ダウンタウンでは古き良き時代のループの木造の駅舎を現役として使っていることにも市当局の英知を感じた。

米国滞在中、ワールドコムとMCIが合併し、AT&Tに次ぐ第2のネットワーク企業になるかもしれぬ話がでていたが、米国通信業界が激動の時代であることはまちがいない。ところでワールドコムの設立者バーナード・エバース氏はカナダ人で少年時代は牛乳配達、米国で体育教師になり、モーテル経営から電話会社を設立したマーベリックだと聞く。

(2002年6月ワールドコムが粉飾決算をしたと摘発された。かってのマーベリックも形無し。公認会計士のアーサーアンダーセンも見逃す。米国流資本主義の神話も崩壊。株は下がり、円高となり、ついにチャプター・イレブン申請・・・2002年7月)

講演者のお名前は失念したが、基調講演で今後の世界動向としてグローバリゼーションにより国境は消えうせ、都市国家の集まりとなろうとの予言があった。グローバリゼーションの究極の姿でそのようになるのかと思ったわけであるが、シカゴから帰って直後に買って読んだ、フリードマン夫妻著の「戦場の未来」で軍事技術からも都市国家に戻るという予言があり、目を開かされた。中世の騎士が都市国家を作り、日本の武士が封建制を作ったが、大砲が城壁を破壊し、鉄砲という命中度の低い兵器が多量の兵士を必要とし、必然として国民国家ができた。しかし、命中度の高い兵器ができると超兵士(スーパートルーパー)が出現し、ふたたび中世のような小国乱立の時代が到来するだろうというわけである。セルバンテスはドンキホーテによって中世の騎士が時代遅れになったことを表現したのだという。

大会の内容はJPMF内部の報告、「今なぜプロジェクトマネジメントか?アメリカ再生のマネジメント手法」としてまとめてある。

夜は仲間とLawry's Prime Rib (Restaurant Serial No.71)でプライムリブをShaw's Crab House (Restaurant Serial No.72)でシーフードを満喫。

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Lawry's Prime Rib で

1997年10月

2002年7月26日追補


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