シリアル番号 | 表題 | 日付 |
997 |
コモンレール |
2005/10/20 |
従来のディーゼル・エンジンはシリンダー毎に燃料をインジェクションポンプで噴射していた。これでは燃焼コントロールが上手くできず黒煙を発し、振動は多く、ディーゼルエンジンの評価を下げた。
コモンレールはイタリアのマグネッティ・マレッリという会社が1980年代に特許を申請した技術である。燃料をまとめてより高い圧力にまで昇圧してコモンレールというタンクに一旦蓄え、後、燃料噴射弁を電子制御で開閉してシリンダーに噴射する装置。
だがマグネッティ・マレッリ製品化できず、特許切れで日本のデンソーが1998年に製品化を始め、ボッシュ社が追いかけている。
最新のコモンレールでは噴射圧力は2,000バール。燃料噴射量を1噴射中に7回変化させることができ、不完全燃焼による未燃焼粒子PMを減ずることができ、シリンダー圧力を一定に維持できるようになった。結果として黒煙が消え、トルクが増え、エンジン騒音と振動の低減が可能となった。
2005年現在日本を走行中のディーゼル車およそ5%に装着されている。これでもナノ粒子は残るのでDPF、(Diesel Particulate Filter)で触媒を使って完全燃焼させる。触媒を使うためには燃料中の被毒物質の硫黄濃度を下げなければならない。
燃料サイドの低硫黄化により酸化触媒によるPM低減、選択還元触媒によるNOx低減などが可能となり、ガソリン車並みとなる。