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1310

集合的知性

2010/12/25

集合的知性 by 田坂広志 学士会報2003-II No.839

個人の知性(individual intelligence)
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結合智、コネクテッド・インテリジェンス(connected intelligence):マクルーハンの弟子デリック・デ・ケルクホブ博士提唱、インターネットの普及によって、人間の知性が結びつき、個人の知性を超えた知性が生まれる。

<第一の視点>

言語的知性:言語に拘束された知性←学者、研究者、アカデミアが持つ言語知に拘束される。官僚・官僚的組織(東電など)がどうしようもない のは言語化できる知識能力である形式知にこだわるから。全て文書化する。マニュアルは形式知であり、人間の直観力を阻害するため適時適切に判断する実践知 が働かなくなる。
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非言語的知性:言語に拘束されない知性←映像、画像、音声、音響など言葉では伝達できない声色、リズム、沈黙、間、表情、仕草、雰囲気、余韻などハンガ リー出身の化学者・哲学者・社会学者のマイケル・ポランニー暗黙知(tacit knowing)がブロードバンドで伝達できる。経験から得られるが言語化が困難。

野中郁次郎の「暗黙知」は「経験や勘に 基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいもの」と定義し、それを「形式知」と対立させて知識経営論を構築した。


<第二の視点>

集団的知性(group intelligence):集団的討議による知性←論理的な討議
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集合的知性(collective intelligence):集合的意識による知性←草の根メディア革命←感覚的、偶発的、雰囲気、空気。西垣通が「集合知」という本を書いている。

集合的無意識(Collective unconscious):、カール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学における中心概念であり、人間の無意識の深層に存在する、個人の経験を越えた先天的な構造領域である。普遍的無意識(ふへんてきむいしき)と も呼ぶ。個人的無意識の対語としてあり、ユングはジークムント・フロイトの精神分析学では説明の付かない深層心理の力動を説明するため、この無意識領域を 提唱した。「君の名は」等のヒット作をつくった東宝映画の川村元気プロデューサーがこの集合的無意識を嗅ぎ当てることがヒット作を出す秘訣と語る。

<第三の視点>

創造的知性(creative intelligence):創造を行う主体の存在が前提。暗黙知から発する。したがって型式知が優先されると抑圧される。

創発的知性(emerging intelligence):ナレッジ・コミュニティーで生まれる新しい知は特定の人間が生み出したものではない。むしろその場で自然に生まれてくるもの←サンタフェ研の複雑系(complex system)の研究。

Rev. December 16, 2016 


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