シリアル番号 | 表題 | 日付 |
002 |
プロキセラ |
89/11/18 |
●米国原産のブドウの根に寄生するシラミの一種。
●120年前フランスに渡り35年間でフランス中のブドウを全滅させる。
●ジュール・エミール・プランションが米国でプロキセラに耐性のあるブドウ種を発見。この根にヨーロッパ種を接ぎ木することにより解決。
●ピノワール種のみ接ぎ木なしで栽培されているが生産量は低い。味はコクがあり、昔の味とされている。プロキセラのおかげで現代のブトウ酒の味は出来たといえる。生産量も向上した。
●プロキセラのおかげでイタリアのキャンティ、スペインのリオハ地方のブドウ酒産業が育ったともいわれている。
●この混乱の期間ニセブドウ酒で一儲けした人が臨終のとき息子にブドウ酒はブドウからも作ることが出来るんだよと教えたとか。
●ポンパドール夫人とコンティ公がこの1.8haの畑の所有権争いをし、コンティ公が手中に収めたことからロマネ =コンティと呼ばれる高級ワインがある。ロマネ=コンティもピノワール種から作っており、1858年からフランスに入った害虫プロキセラにも耐えていたが、第二次大戦で人手、肥料、消毒薬が不足し、年間600本しか生産できなくなった。1945年、ついにオーナーのヴィレーヌ夫人とシャンボンは「犯されざるブドウの樹」を引き抜くべく畑を掘り起こした。アメリカ産の幹にピノワール種を接木した。したがって1946-1952年の間、ロマネ・コンティは存在しない。現在の生産量は年間7000本。価格は100倍。・・・桐生操著「南フランスミステリー紀行」
Rev. March 17, 2008