読書録

シリアル番号 901

書名

庭仕事の愉しみ

著者

ヘルマン・ヘッセ

出版社

草思社

ジャンル

随筆

発行日

1996/6/25第1刷
1996/7/18第3刷

購入日

2007/09/25

評価

原題:Freude am Garten by Hermann Hesse 1992

ミセス・グリーンウッド蔵書

メイ・サートンの「独り居の日記」を読んだ影響でこれを手にとる。

ヘッセはトルストイ、ソロー、イギリスのウイリアム・モリス等が理想とした都会から離れた自然のなかで素朴な生活をするために家を転々とした。

ヘッセの自然愛は日曜日の散歩者の感傷的な自然愛とは一線を画する本格的なものだった。

1904年、作家として成功したヘッセはバーゼルの弁護士の娘、マリーア・ベルヌーリと結婚してボーデン湖畔の辺鄙な寒村ガイエンホーフェンの農家を借りて住んだ。1905年、ここで息子ブルーノが生まれる。後に近くに庭付きの新居をかまえ10年住んだ。

1912年にはスイスのベルン郊外ににあったアルベルト・ヴェルティの家に転居する。亡くなった画家の友人の家だったものだ。

1919年には家族と別れて単身モンタニョーラ村のカーサ・カムッツィという廃墟に近い城館の一部を借りて住む。

1931年には54才になっていたがニノン・ドルビンと結婚し、モンタニョーラ村の南斜面にある11,000m2の葡萄畑の永代借地権を得て自宅カーサ・ロッサを建てて永住した。ニノン・ドルビンはドイツ系ユダヤ人で少女時代からのヘッセのファンであった。有能な秘書兼生涯の伴侶となった。

本書はこれらの家の庭の手入れを中心にした思い出とと自作の水彩画である。


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