読書録

シリアル番号 855

書名

戸隠の鬼たち 

著者

国分義司(よしじ)

出版社

信濃毎日新聞社

ジャンル

歴史

発行日

2003/8/30初版

購入日

2007/5/18

評価

高校同期の 戸隠の和田光二氏の蔵書。

山また山の山の会の山菜採りに参加したときに借りる。

天岩屋戸や天孫降臨神話を描いた「古事記」や「日本書記」ではアメノウズメノミコトのストリップショー見たさにアマノタジカラオノミコトが天岩屋戸をアマテラスオオミカミが開いたとき、その手をとって外へひきだしたとされている。しかし「戸隠山本院昔事縁起」ではアマテラスが再び岩屋戸にはいれないように岩戸を投げ飛ばしたところ高天原のすぐ下の筑紫の国に落ちたとされる。それでも高天原に近すぎると紀伊の国に運び、まだ危ないと信濃の国の阿智に運び、最終的には戸隠に運んで、そこに屏風のように立てかけたとされている。これが戸隠山であるというのである。阿智神社は恵那山の山麓にある昼神温泉郷に今も残る。

戸隠はなぜか鬼伝説の多いとところである。学問僧、修験者、山伏が多く住んでいたためと考えられている。高校同期の清水聡明氏が住職を勤める鬼無里の松巌寺の前身の地蔵堂が創建されたのは17世紀で戸隠の紅葉伝説の誕生時期と重なるそうだ。紅葉伝説とは鬼女伝説のことである。

戸隠の奥社の杉並木は徳川家康が戸隠山に千石を寄進した1612年以降に植林されたとされているが上杉謙信の養子景勝が朝鮮出兵から帰国したのち別当賢栄に命じて植林させたとも言われている。


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