読書録

シリアル番号 761

書名

十津川街道

著者

司馬遼太郎

出版社

朝日新聞社

ジャンル

紀行文

発行日

1983/3/20第1刷
2004/2/20第19刷

購入日

2006/4/12

評価

街道をゆくシリーズ12

紀伊半島の旅の準備として買う。紀伊半島のなかでも大和に近い割りに山深き十津川村の紀行だが古事記に遡る古い歴史を持った村だ。 山深く、米作の平地もなかったため、年貢も取られず、半独立国として自活してきた地域だ。

ここで十津川村と天誅組との関係を解説して言っている言葉「軍隊は古来、いかに正義をとなえても軍隊そのものを守るという論理しかもたず、かれらが「死守」しようと呼号するその土地の住民の生存と安寧を守るものではけっしてない・・・」は名言だ。

司馬は記・紀の神代巻を否定した津田左右吉の論に立ってヤマトタケルノミコトがここを通過した神話を議論している。記・紀の神代巻はもしかしたら九州王朝の歴史を大和王朝が神話として取り込んだのではとの古田武彦の九州王朝説にたって再考すれば面白いのではないか。


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