読書録

シリアル番号 740

書名

地震の科学

著者

パリティ編集委員会

出版社

丸善

ジャンル

サイエンス

発行日

1996/9/10

購入日

2005/12/14

評価

鎌倉図書館蔵

自宅家屋の耐震チェックをおこなう時必要となる震度と最大加速度の関係を学ぶために借りた。 その後、この関係は建築系の学者によって研究されていることを知った。

地震の予知と観測の章があり、このなかに2つ興味を引く論文があった。

地震前兆としての電磁放射(早川正士、上田誠也)

地震の1ヶ月前に岩石内で多数のクラックが生じ、圧電効果で電荷生成→パルス状の電流→ULF波、VLF/LF波の放射が起こる。クラックのサイズが大きくなると電波放射は沈静化するが、数日前から第二の強度上昇が発生する

電離層プラズマ密度変化で地震を予知する(串田嘉男)

串田彗星など小惑星などの新天体を数多く発見しているアマチュア天文家の串田嘉男(よしお)氏は自宅を持たずトレーラーハウスに暮らしている。八ヶ岳南麓天文台長であり(地震前兆電離層観測研究センター)ここを連絡先としている。妻の串田麗樹も超新星の発見・観測で知られているアマチュア天文家である。最近ではFM電波観測による地震予知研究でも知られる。理化学研究所地震国際フロンティア研究プログラム非常勤研究員でもある。

流星が大気に突入すると電離層E層付近でプラズマチューブ(電離柱)が生じその結果電離層で反射されないVHF波が反射される現象を利用してFM電波流星観測(FRO) をしていたとき、地震予知にも使える事を発見。流星や航空機によるピークのほかはFRO基線は一定である。八ヶ岳南麓天文台が地平線以下にあるFM仙台の電波を使ってFROをしていたとき、いつも一定の基線がうねるように蛇行した後に関東地方で非常に多くの地震が発生することに気が付いた。基線の幅が増えた後には神戸地震が発生した。

八ヶ岳南麓天文台はその後も観測を継続しデータを蓄積している。グリーンウッド氏は2005/5/22の予知は的中したことを確認した。

地震雲

この本には紹介されていないが、 雲の形で地震予知をするという話が2005/10にとある民放で放映された。これは地震の2週間前からスジ状の雲が並行にならぶ絹雲が現れ、数日前には垂直の竜または蛇雲 (プラズマ雲)、当日にはもや状の雲または暗雲が震源地の上に垂れ込めるというようなものであった。前兆としての電磁放射に似ていなくもない。

絹雲を型づくるのは磁力線で雲粒または氷晶核は荷電しているので、地殻の亀裂から磁力線が出てくると、この磁力線に氷晶核がまきついてくる。絹雲は地底深くからもれてくる、磁気・磁力線によって形成されるというのがその説である。

その後気にしていると2回このような地震雲を観測したのち必ず地震があったので記録した。

Rev. January 17, 2007


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