読書録

シリアル番号 688

書名

奇蹟の雷撃隊 ある雷撃機操縦員の生還

著者

森拾三(じゅうぞう)

出版社

光人社NF文庫

ジャンル

歴史

発行日

2004/3/12新装版発行

購入日

2005/3/31

評価

まえじま氏が伯父田中一のことを書いた”戦艦三笠”と”中攻隊の先駆”というページを読んで、「最近、”奇跡の雷撃隊”なる本を読みました。九七式艦上攻撃機パイロットの手記です。”中攻隊の先駆”に九七式艦上偵察機と、その成果を参考に開発された九七式艦上攻撃機の話がでてきます」と教えてくれた。賢人会の出席のため新橋にでたとき、新しく開店した駅前書店でこれを求める。

森拾三氏は伯父が戦死した2ヶ月後に南京の十二航空隊に編入されたので互いに面識はなかったのだが、ここに書かれていることを読めば、伯父がどのような環境に生きたかがわかる。

伯父が一時乗った海軍初の全金属製片持式低翼単葉の九七艦偵の改良型九七式艦上攻撃機も主役で登場する。森拾三氏は空母蒼龍に乗り組みパールハーバーの戦艦カルフォルニアの雷撃を九七式艦上攻撃機のパイロットとして参戦したのである。
九七式艦上攻撃機は中島飛行機が開発したものだが、千代田の先輩、藤井氏は中島飛行機の技師だった。

九七式艦上攻撃機

飛行機野郎の気持ちというのは、国がどうの、靖国がどうのというが、それはおまけのようなもので、結局、飛行機を繰ることそのものに血が沸きあがるのだとおもう。まして弾幕をかいくぐって大物をしとめるというのは気持ちがいいとおもう。今の男の子がゲームで仮想体験するアレだがやはり生身をかけてするゲームは得がたい?経験だ。後の人生はまあ、おまけのようなもので一般の人間の存在はみなアホにみえるのだろう。森拾三はそう思っていきていたのだろう。



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