読書録

シリアル番号 605

書名

ご冗談でしょう、ファインマンさん 上下

著者

リチャード・P・ファインマン

出版社

岩波文庫

ジャンル

自伝

発行日

1986ハードカバー
2000/1/14文庫本第1刷
2003/5/15文庫本第7刷

購入日

2003/11/24

評価

原題:"Surely You're Joking, Mr. Feynman!" Adventure of a Curious Character by Richard P. Feynman with Ralph Leighton
「ファインマンと聞いたとたん思い出してもらいたいのは、ノーベル賞をもらったことでもなければ、理論物理学者であったことでもなく、ボンゴドラムでもマンハッタン計画でもない。僕が好奇心で一杯の男だったということだ」と本人が言っているように尽きぬ好奇心、とらわれない発想、追及の執念、など私もいくぶんもっている性格を輪にかけた途方もない人だとわかる。

1986、シャトル・チャレンジャーが固体補助ロケットの継ぎ目に使われたゴム製のOリングが寒さで硬化し、燃焼ガスリークにより燃料タンクが爆発し、7名の宇宙飛行士が死んだ事故の調査委員を彼がつとめ、「困ります、ファインマンさん」に報告していたのを覚えているが 、そのロジックの展開には感服したことを覚えている。

当時、この本を買うかどうか書店で迷って買わなかったが、暇になって買いもとむ。かって仕事で難問題を解く醍醐味を味あわせてもらって、いつかその思い出を書きたいと思っていたが、このような提示のしかたがあったのかと感服する。原爆開発当時の世界のトップレベルの物理学者がでてくる裏話ほどの背景はないマイナーな話題だが、好奇心で駆動される行動というのは共通したものだ。ファインマンに関しての本はこれが3冊目


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