日本の政治・経済の不調の原因

形式知優先社会は暗黙知を失い国は亡ぶ

追補ー6 文系優位の価値観

望月さんがドイツの政治家は文系で、しかも脱原発の決断をしていると言う。ならば英国も、フランスも米国もそうだ。でもドイツだけはなぜ違うか?それは自 らおかれた立場を考えてそれが一番得であると考えたからであろう。

日本では原子力は核の代替になると考えた外務官僚矢田部厚彦や内閣府調査官志垣民 朗がいる。確かに英語ではNuclearで差がない。源田実にせかされて考えたそうだ。日本は極秘にドイツに核武装の枢軸を作ることを持ちかけて断られていると聞く。島村武久(東大法)科学技術庁 の官僚はエネルギー資源確保のため、はじめトリウムサイクルを検討したがプルトニウムサイクルがいいだろうと高速増殖炉路線を決めに固執して動かなかっ た。だがFBRが動かない。そのうちに余剰プルトニウムの扱いに困り、後輩たちが軽水炉でこれを燃す政策に転じたころから、批判に転ずる。結果、もんじゅ や六ヶ所村の再処理プラントに国家の研究費をごみ箱に投入した。そして誰も最終処分を解決しようとした官僚も電力会社の人間も居ない。

いま日本が国難に向かっている理由は社会にみなぎる文系優位の価値観ではないか。かれらは自ら考えない。みなでなんとなく決めそれを死守する。私はこれら 体質に警鐘を鳴らしているので首相が理系か文系かは本質的に関係がない!なにも言わなければ文系優位は変わらず、改革もされない。

理系首相の鳩山氏はどうしようもない二世であった。理系の弊害というより二世の弊害。菅さんは文系優位の社会で人気はないが、彼こそ東京を住める状態に維 持した功労者だと私はかんがえている。

日本では企業経営者はほとんど文系で彼らが声をそろえて原発を動かさねはおれたちは廃業だと叫ぶので首相は少なくとも原発は寿命一杯使い切り、できれば 60年まで伸ばしたいと考えている。そうしてそう叫ぶ経営者はほとんど文系だ。かれらは新しい製品をうみだすことができず、国際競争に負けっぱなし。ゆえ に日本の文系経営者と文系官僚が国を滅ぼすと私は言っているのだ。これは私自身が身をもって経験したこと。日本は脱原発もできないでしょう。ところが原発 がどうあれ、日本の製造業は衰退し、外貨をかせげなくなる。「原子力エネルギーがなければ持続可能の発展はないと産業界は思いこんでいるようです」大阪の 橋下が妥協したのも業界の圧力だったということ。私が早々と引退をきめたのもこの社会に嫌気がさしたからだ。

とここまで書くとまた望月氏から日本の企業経営者は文系ですが、お二人とも脱原発の急先鋒です。

*城南信用金庫(東京)の吉原毅理事長
    慶應義塾大学経済学部卒
*ソフトバンク株式会社の孫正義社長
    カリフォルニア大学バークレー校卒。学位は、学士(経済学)。

こういった実例はいくらでも列挙できると確信しております。と来た。こういう方はしたがって日本的な文系経営者ではないということになる。

June 18, 2012
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