日本の政治・経済の不調の原因

形式知優先社会は暗黙知を失い国は亡ぶ

追補ー5 人材の分布はべき分布

望月氏は文系、理系二分論では例外がありすぎて説得力がないという。ならばと考えたのが「偏差値が日本をダメにする」というロジックである。

文部省は権威に従順な国民を育てたという面で大成功だったと思う。おかげで、戦後の日本経済はこの従順な国民を使って多量生産で世界一になった。しかしこ の方式は破たんした。真似した韓国、台湾、中国にしてやられた。これからどうするのだろうか。羊はうようよいるが羊飼いがいない。というか羊飼い的発想で はもうだめなんだろう。オオカミ的な人間をそだてて韓国、台湾、中国を食べてしまうことに頭めぐらす人間を育てなければ。

製造業ではそういう人材は死に絶えた。しかし非製造業では澤田秀雄、孫正義、南部靖之らが若干いる。でも彼らは澤田を除き、外貨を稼げないから内需振興で はいいが資源のない日本では役立たず。したがって食料と資源を買う金の稼ぎ手がいないという問題がある。(孫が太陽光発電に乗り出したのは自前のエネル ギーを持つという意味で評価できるが)

資源の分布はべき分布になることは知られているが、高安秀樹氏によれば人材の分布もべき分布になる。したがって文部省のような偏差値で人を評価するという方針は 本質からずれているわけ。べき分布には標準偏差とか平均値 がない。だから偏差値など評価基準としては意味をなさないのだ。そういう意味で偏差値で一定の学歴を得た者を、役人や企業経営者に登用するというところに 悲劇がある。文系が日本ダメにするというのが例外がありすぎて説得力ないなら偏差値人材がのさばっているから日本はだめになるとでもいえばよいのか?タイ トルを変えてもいいが、わかりにくい。ピントがぼける。

日本でも外国でもべき分布で異能を発揮する人材を上司にもつと部下は悲惨だ。でもそういう組織が成果をあげる。アップルがその典型。みんなが幸せという組 織はいずれダメになる。文系経営者はみんなを幸せにすると約束して結果として部下を裏切ることになる。そんな能力ははじめからないのだが、そう思わせる能 力には長けている。昔女房の親戚の文系の男がソニー社員であった。出井伸之(早稲 田政経)が社長になったとき、これで盛田などといういやな男がいなくなってようやくいい会社になったと喜んでいた。私はこれはおかしい、ソニーはこれでお しまいだなと思ったものだ。むろん口にだせば嫌われるから口にはださなかったけれど。そして10年経過して私の予想通りになった。彼のいた流通部門はソ ニーから切り離されて、彼の 喜びもつかの間だったわけ。自業自得といればそれまで、本人はいまだ???だろう。

June 17, 2012

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