日本の政治・経済の不調の原因

形式知優先社会は暗黙知を失い国は亡ぶ

追補ー4 文系 に偏重した日本

望月氏からウィキに「文系と理系」という項目には、現在、文系の方が理系よりも学生の数が多い。内訳としては、社会科学が140万人と一番多く、続いて工 学が44万人、人文科学が40万人である。理・工系合わせた学生は52万人で、全体の約5分の1である。と記述されている。すなわち、理・工系合わせて全 体の約5分の1というのだから、文系の人間が絶対数で理系の人間よりもずっと多い。

一方、中国共産党の執行部は「理系」出身者で占められており、同じ社会主義国のソ連でも多くの指導者が工学や理学の習得を経て、ソ連共産党政治局のメン バーは89%がエンジニアだった。という。

ということは、すでに日本の命運は決まったということになる。この文系を支える理系がいないのだから恐ろしい。年金制度や消費税をいじっても国家崩壊は確 実にくるだろう。文部省が文系大学を作りすぎたということ。そしてそれを歓迎したのはできの悪い子を何とか大卒にしたいと考えた愚かな人々ではないか。

私はなにも文系を差別しようとしているわけでもなく、権力闘争しようとしているわけでもない。多勢に無勢という言葉のとおり、理系は文系にかなわないなど という気分も全くない。むしろこれら扶養家族をどう養ったらよいか途方に暮れているだけ。

とここまできて、どうも総数比較では原因解明が迷路にはいると感じる。やはりリーダー論で説明しないと。要はトップにだれをすえるかということ。むろん底 辺が山の高さを決める要素もあるが。リーダーが文系でその下の中間管理職が理系だと認識が全部文系にバイアスされてしまうという認識心理学が役にたつ。 リーダーレベルの認知閾が 文明の崩壊の原因だとするレベッカ・コスタの説が参考となろう。

欧米の政治家、官僚もほとんどは文系だ。そうすると日本の文系と欧米の文系に質の違いがあることをうかがわせる。

それと日本は縦社会、または権威社会で個が確立していない。したがってトップに質の劣る文系がすわると下の理系がその認識力を上司にあわせるために全て文 系になってしまう。文系は集団となってごり押しする社会だ。個がないから、中国にすら負けてしまう。原発問題はその一つの例で、日本産業も文系が上にすわ り集団となって政府を支配しても経済は正直に沈下し続けるであろう。異論は勉強会と称する(心は閉ざされている)自説をブルドーザーのように押し付ける仕 組みで蹂躙するといういかにも文系的な仕組みが政府内部の確立されているようだ。

組織のトップに文系が座る限り、脱原発はできないだろう。なぜなら原発運転継続は大部分の文系企業経営者の頭にうかぶ現状逃避の妄想だか ら。文系は怖さを認識できない。私は組織から引退した者だからどうでもいいわけだが、国家の一員としては気になるわけ。

ところが原子力学会に出入りしたり、政府事故調の報告書をよんでいると「文系が国家を滅ぼす」という私の第一命題に第二命題がひらめいた。それは「トップ に文系をいただき、悪い影響を受けた理系は文系以上に始末の負えない人間になる」というもの。

日本では協調性が重んじられているため。だれも変人、奇人にされたくはない。私が若いころは変人・奇人にされていた。実績がものを言ってだれもそういわな くなりましたが、いやなもの。だから組織に属することは金輪際ごめん。

June 16, 2012
Rev. August 16,2012

主題に戻る

評論に戻る


トッ プページへ