![]() |
放射能検出器ー食品安全チェックー |
2009年8月11日早朝5:07に地震で目が覚めた。かなり強い(震度4)。10日7:57にも東海道南方沖の深さ340kmを震源とするM6.9の地 震(鎌倉は震度3)があったのでその余震かなと思いながら又寝てしまった。
7:00の起き抜けに台風9号の雨が降っている中、新聞を取りに外にでて結構濡れた。TVをつけると震源は駿河湾でM6.5であるという。浜岡原発の至近 距離である。TVはなかなか浜岡原発について報道してくれない。報道管制が敷かれているなら自衛のためにシャワーを浴びてもしかしたら雨に含まれている放 射能を洗い流したほうがいい。逡巡しながら1時間待った。ようやく浜岡原発は震度6弱の地震で420ガルが観測された。運転中の4号と5号炉が自動停止し た。発電所内の放射能は場所によって高くなったが外部には漏れていないという。これでシャワーを浴びないですんだ。
この地震はプレート境界で発生するM8クラスの巨大地震ではなく、境界より深いところにあるフィリピンプレート内部で発生したもので、依然として東海地震 はこれから来るということになる。前から携帯型の放射能検出警報器の購入を検討していたのだが2.2万円もする。 そろそろ東海地震も近いと感じる。M8はM6.5の200倍のエネルギーだ。早速 12日には注文した。
注文後の13日の早朝には八丈島付近でM6.5の地震が発生した。いずれも早朝である。これは太陽の引力が地震のきっかけになっていると感ずる。
NUK ALERT
購入した警報機はちょうどキーホルダー型なので常時持ち運びができる。警報穴から常時カチカチ音が聞こえる。これはサンプリングの作動音だという。
購入した携帯型の放射能検出警報器は急性放射線障害がでる1mSv/h(1,000μSV/h)が最低の警報点なのでメルトダウンした福島第一原発1号炉の格納容器のベント開放時の境界モニ タリング値に達しないと警報しないレベルである。 米国製でガンマ線とX線に反応しアラームを一定時間ごとに鳴らす。被爆量はアラームの数で表現される。センサーは、希土類蛍光体(タリウム活性化ヨウ化ナ トリウム結晶、(NaI)が発する光を受け取る硫化カドミウム光電素子で作られているとのこと。 この仕組みはシンチレーション・カウンターといわれる。24 時間いつでもスイッチオン状態で、周囲の環境を監視し、長寿命の電池によって、最低10年の連続的な監視が可能であり、長期にわたる放射能の危機に対応す るのに十分なパワーを持っているという。強い被爆を検出して最大レベルの連続アラームが鳴り続ける状況下でも、電池は最低1ヶ月持続する。約0.1レントゲン/時間(1mSv/h=1,000μSv/h)の放 射線量のガンマ線またはX線に当てるとアラームが1回鳴る。急性放射線障害は1,000mSv、死亡率 50%は4,000mSv、死亡率100%は7,000mSvであるからこれが鳴ったら即その場を離れなければならないというあくまで最後通牒をつきつけ るような機器だ。その後35秒毎にこの1回のアラームが繰り返される。放射線量が2倍になる毎にアラームの回数が 1増える。最大である50レントゲン/時間以上の場合アラームは休みのないサイレンに変わり、放射線量が強くなればなるほど間隔が短くなり頻繁に鳴るよう になる。
1R=8.77mGy(ガンマ線なら8.77mSv)
だから正確には
約0.1レントゲン/時間=0.9mSv/h=877μSv/h
NUK alertをもって「もんじゅ」の格納容器に入ったが警報はでず。
蛍光燈のグローランプの中には、微量の放射性同位元素プロメチウム-147が塗布されていて、これから出るβ線の 電離作用によって放電がすばやく起こり、蛍光灯が点灯しやすくなっている。NUK alertをグローランプに近づけたが警報はでず。
煙感知器には、アメリシウム-241が使われている。アメリシウムから放射されるα線の電離作用によって、小さな 隙間に電離電流が流れている。ここに煙が入ってくると流れる電流が小さくなるので、火災による煙を検知することができる。NUK alertを煙感知器に近づけたが警報はでず。
ヨー化セシウム結晶(CsI)シンチレーションカウンター
2011年3月11日の福島原発事故後、過去10年間、原発事故に備えよと警告してきた森永先生が「紺屋の白袴」ではいけないと購入されたのはヨウ 化セシ ウム結晶(CsI)をガンマ線→可視光変換結晶につかうものだそうだ。潮解性がある結晶で寿命が気がかりであるとい う。光電倍増管をつかうとことは同じ原理。PCに接続してスペクトル図も描けて80万円するという。スペクトル図がなぜ描けるかというと、ガンマ線の強度 keVに比例して発光輝度が変わるので半導体光センサーで測定した輝度を横軸に、1000秒間の発光回数を縦軸にプロットすると下図のようなスペクトル図 がPC上に描け るのだそうだ。
私が購入したのはもっと安いセシウムだけを高感度で測定できる日本の堀場製のRadiだ。これはカウント10CPM=0.01μSV/hの感度で測定範囲0.001−10μSV/h (1-10,000CPM)セシウムの放射線強度662keVの0.5-3倍のエ ネルギーのガンマ線を測定できる。この機種は価格の割に高精度で世田谷や杉並で放棄ラジウムを見つけるという成果を上げている。
シンチレーションカウンターはヨウ化セシウム結晶が放射線を光に変換し、この光の発光回数を光ダイオードで測定するしかけ。12.5万円、ただし納期は 2ヶ月 かかった。
内部被曝をさけるための食品スクリーニングはバックグラウンド放射線(無論今東日本は汚染でたかくなっていて横須賀で0.05μSV/h即ち50CPM)をまず計り、そのメーター値を見ながら食材にセンサーを近づけて増える分が食材 の放射能ということになる。この差が出れば良いわけで、出なければ食べてよしとするという使い方。感度がよくないとこの差は出ないから小型ガイガーカ ウン ターではだめ。
シンチレーションカウンターは経年変化でカャリブレーションしないと狂うが、まだ新品のため、今のところ正しい数値を示している。古くなっても相対値 を使う程度なら問題なく使える。測定結果例
(1)鎌倉市七里ヶ浜自宅内、食品および周辺の測定結果は下表の通り(2011/10-11)
μSv/h | |
居間食卓上(背 景放射) | 0.038 |
100gの玉ね ぎ、米、豆腐、キャベツ、豆腐、 ダイコン、さんま | 0.038 |
500gサツマ イモ(水洗済み) | 0.043 |
500g国産豚 肉 | 0.044 |
塩化カリ(減塩 塩) | 0.044 |
階段付近の屋内 鉢植え植物 | 0.040 |
階段と常時開け ている窓際、トイレ、バスルーム | 0.054 |
屋外手持ち(地 上1m) | 0.050 |
煙感知器直近 (アメリシウム-241) | 0.068 |
庭の芝生(直置 き)、七里ヶ浜住宅街(地上 1m) | 0.080 |
ガレージ出口道路脇の側溝から回収した土砂(直置き) |
0.115 |
鎌倉広町緑地峰すじ(地 上 1m) | 0.033 |
鎌倉広町緑地谷すじ(地 上 1m) | 0.062 |
これで判明したことは食品は重量のある国産豚肉とサツマイモを除き、サンプル量が小さいため、バックグランド(背景)との差異は計測されない。すな わち0.001μSv/h以 上の汚染はサンプルが多量にないと計測できないということになる。500gの国産豚肉ヤサツマイモのバックグランドとの差は0.005μSv/h となる。重量当たりの汚染度は0.8Bq/kg となる。
夏の間、南の窓は閉め切ってクーラーを24時間稼働させたので居間や寝室の汚染は少なく0.038μSv/h 位。しかし北のトイレや階段の 窓は開けっ放しなので0.05mSv/h、落葉を清掃した屋外手持ち0.05mSv/hとなっている。だから屋内の汚染は3月15日と 21-22日の降雨のものというより常時窓を開けておくことにより周辺の土壌から風で飛んでくる粒子による汚染と考えられる。これらの掃除は掃除機だけで はだめで雑巾がけしないと汚染は除去できない。カーペットなどは 使うべきでないとわかる。町内を歩くと安山岩の石積みの周辺では低く、大谷石の周辺では高い。これはセシウムが吸着されているからだろう。我が家は落ち葉 など取り除いたため か汚染度は低い。雨水の貯槽も完全ドレインしたため、汚染は検出されない。
(2)東京都小平市集合住宅屋内は0.08μSv/h、屋外手持ち0.08μSv/hで差がな い。これはできるだけ空調を使わずに節電に努めた生活スタイルのため。もっと窓を閉め 切って空調機を使う生活スタイルに改めな ければいけない。グリーンな生活とか節電などということは政府がなんといおうとしばらく忘れるこ と。そして床は頻繁に雑巾がけすること。セシウムは塩と考えればよく、水に溶けるのでシーツ・布団類も水洗すること。玄関のカーペットは取り外してリノ リュームにすること。冷蔵庫の中も雑巾で定期的にぬぐう。さて屋外玄関先の落葉地面直置き0.25 microSv/hもあった。これでは国の除染目標の年間累積1mSvを超えてしまう。秋には落葉のクリーニングするというが、早くしなければいけない。 したがって子供は水たまりではあそばせないこと。近くの公園は凸の地形で汚染物質は洗い流されたようだ。しかし集合住宅の北 側の低地は危ない。ここに流れてきて濃縮している。(2011/10/16)背景放射遮断法
食品 | サンプル量 | サンプル放射 | 遮蔽箱内背景放射 | 正味サンプル放射 | サンプル放射能 | セシウム暫定基準値 | 新基準 | 食品中のカリウム40の放射能 |
kg or liter | μSv/h | μSv/h | μSv/h | Bq/kg or liter | Bq/kg or liter | Bq/kg | Bq/kg | |
鎌倉の水道水 (litter) 浄水器の有無に無関係 | 0.5 | 0.004 | 0.003 | 0.001 | 32 | 成 人200、幼児100 | 10 | 0 |
日田天領水 (litter) | 0.5 | 0.003 | 0.003 | 0 | 0 | 成 人200、幼児100 | 10 | 0 |
サントリー南アルプス天然水(litter) | 0.216 | 0.003 | 0.003 | 0 | 0 | 成 人200、幼児100 | 10 | 0 |
ミルク 北海道乳業函館工場(litter) | 0.5 | 0.006 | 0.004 | 0.002 | 64 | 成 人200、幼児100 | 50 | 50 |
生協ミルク 塩原市下野田新生酪農製 (litter) | 0.5 | 0.007 | 0.004 | 0.003 | 96 | 成 人200、幼児100 | 50 | 50 |
生協スキムミルク 横浜パイオニア企画 | 0.105 | 0.008 | 0.0043 | 0.0037 | 564 | 成 人200、幼児100 | 50 | 200 |
生協伊那産コシヒカリ無洗米 2010年産米 | 0.5 | 0.005 | 0.004 | 0.001 | 32 | 500 | 100 | 30 |
生協伊那産コシヒカリ無洗米 2011年産米 | 0.208 | 0.003 | 0.003 | 0 | 0 | 500 | 100 | 30 |
日清強力粉(輸入小麦) | 0.4 | 0.006 | 0.004 | 0.002 | 80 | 500 | 100 | 30 |
生協国産ベーコン | 0.222 | 0.003 | 0.003 | 0 | 0 | 500 | 100 | 100 |
コーナンのプリマハム製ホワイトロースハム | 0.2 | 0.0053 | 0.00043 | 0.00487 | 390 | 500 | 100 | 100 |
生協栃木県産ゴボウ | 0.32 | 0.004 | 0.004 | 0 | 0 | 500 | 100 | 200 |
生協長芋 茨城県霞ケ浦市下稲吉 | 0.406 | 0.005 | 0.005 | 0 | 0 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培ニラ 瀬谷市綾瀬西沢農場 | 0.31 | 0.005 | 0.005 | 0 | 0 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培ダイコン 瀬谷市綾瀬西沢農場 | 0.29 | 0.004 | 0.003 | 0.001 | 55 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培サツマイモ 瀬谷市綾瀬西沢農場 | 0.25 | 0.0053 | 0.004 | 0.0013 | 83 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培サトイモイモ 瀬谷市綾瀬西沢農場 | 0.23 | 0.005 | 0.005 | 0 | 0 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培ショウガ 瀬谷市綾瀬西沢農場 | 0.132 | 0.0037 | 0.0037 | 0 | 0 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培乾燥ウコン 瀬谷市綾瀬西沢農場 | 0.042 | 0.0067 | 0.0057 | 0.001 | 381 | 500 | 100 | 200 |
有機栽培ニンジン 横浜市瀬谷区岩崎農場 | 0.348 | 0.0097 | 0.004 | 0.0057 | 262 | 500 | 100 | 200 |
生協のタマネギ 北海道産 | 0.394 | 0.0077 | 0.005 | 0.0027 | 110 | 500 | 100 | 200 |
味の素製減塩塩 カリ塩27.6wt% | 0.156 | 0.0125 | 0.004 | 0.0085 | 872 | - | - | - |
除染後の自宅庭の土(地表 0.06microSv/h) | 0.19 | 0.008 | 0.0047 | 0.0033 | 278 | 8000 (セメント100) | 8,000 | - |
ガイガーカウンター
ガイガーカウンターの原理はガンマ線がガスを電離させることをつかって高電圧で放電することをカウントする。
市販品 | 自作 | |
不活性ガス | アルゴンやヘリウムガス | 窒素 |
連続放電阻止ガス | ハロゲンガス | ブタン |
内圧(atm) | 0.1 | 1 |
印加電圧(V) | 500-700 | 3000-5000 |
入射窓 | 雲母 | ラップ材 |
ガイガーカウンターは安いもので2万円くらい。江東区の奇特な人が自作キットのガ イガーカウンターの読みをUSTREAMで常時放映している。 常時10〜20CPMという。このガイガーカウンターの1分ごとの放射線のカウント値CPM (count per minute)で100CPM=1μSV/h に相当する 。東京都日野市南平2丁目石川宏氏宅、木 造2Fの窓辺に設置したα, β, γ線測定ガイガーカウンターは米国のBlack Cat Systems社のGM-10で ある。
単位換算
こういう計測器は1つの放射性部物質が崩壊する時に出す、放射線の数と強さを数える。1つの放射性部物質が1Bqである。計測器の結晶面積に入る数当たり x Bq/cm2と数える。
物質が放射線から吸収したエネルギー量で測定する場合、線量率の単位は、Gy/h(グレイ/時)で表す。空気吸収線量率ともいい、表示単位は一般的に nGy/h(ナノグレイ/時)という。
生体(人体)が放射線を受けた場合の影響は、受けた放射線の種類(アルファ線、ガンマ線など)によって異なるので、吸収線量値(グレイ)に放射線の種類ご とに定められた放射線荷重係数(WR)を乗じて線量当量(Sv)を算出する。
Sv=WR×Gy
放射線荷重係数WRは、放射線種によって値が異なり、X線・ガンマ線・ベータ線ではWR=1、陽子線ではWR=5、アルファ線ではWR=20、中性子線で はエネルギーによりWR=5 - 20の値をとる。
Ci=37,000Bq
100rem=1Sv
地域 |
平均値(mSv/y) |
最高値(mSv/y) |
核種 |
影響 |
ラムサール(イラン) |
10.2 |
260 |
イラン北部に東西に延びるエルブルツ山脈の北側の麓に位置するカスピ海沿岸の町。線源の主要核種は,226Raとその崩壊生成核種が原因。ラジウムそのものの崩壊ではアルファ線しか放出されないが、その後の娘核種の崩壊でベータ線やガンマ線なども放出される。 |
人家や畑とは離れている。高い放射線地域の住民に有害な
影響は認められない。高放射線地域でガンの発生率が高いというデータはない。むしろ発生率が低くなっている調査結果がいくつもある。これは、自然放射線
が、抗酸化酵素やDNA修復酵素を増加させ、染色体異常を減らし、ガン発生率を減少させているものと思われる。 |
ガラパリ(ブラジル) |
5.5 |
35 |
チタン鉄鉱ジルコナイト・モナザイト鉱物が自然に分離し、細粒となった砂。ジルコニウムの代わりに数 %以下のトリウムやウランなどを含む。 |
電
力会社が自然放射線量及び原子力発電所の安全性を説明する場合において、この10万人都市を事例の一つに用いていた。内部被曝によるものと思われる末梢血
リンパ球の染色体異常や、対照地域に比べて癌の死亡率が高いとする調査報告もあるが、生まれる子供の性比、先天性異常、流産、死産、乳児死亡、受胎率、出
産率などは他の地域と差がなかった。 |
ケララ(インド) |
3.8 |
35 |
ブラジル・ガラパリと同様にモナザイトの細砂。 |
この地域の住民のうち、男性は海上で漁師。海上では放射線量率は0.027μGy/hと低い。住民の癌罹患率が自然放射線による生涯累積線量と関連することを示す証拠は得られなかった。 |
陽江(中国) |
3.5 |
5.4 |
村の農作地を粘土地層まで堀り、この土でレンガを製作。レンガ中の232Thおよび238Uの崩壊生成核種 |
この地域には7万人が居住。がんなどの発生率が近隣と変わらないことに加え、なぜか結核の死亡率が明らかに低い。 |
香港(中国) |
0.67 |
1.0 |
自然に花崗岩に含まれるウランや、香港の建物に使われているコンクリートやタイルから空気中に流れ出ている |
|
日本 |
0.43 |
1.26 |
岐阜県が比較的高い 平均値:0.43 x 1000/8760=0.049μSv/h 最大値:1.26 x 1000/8760=0.14μSv/h 飯館の福島事故による汚染:33.3 x 1000/8760=3.8μSv/h |
August 13, 2009
Rev. August 28, 2017