ノースウエスト・アース・フォーラム

川上書簡

5. 沈まぬ太陽

JALで思い出した。10年ほど前、山崎豊子が「沈まぬ太陽」という小説を書いた。登場する時代と舞台が、私がすごした1973−74年のカラチだ。見事に活写されている。主人公のJALのエリート社員が、労働組合運動のゆえにカラチに左遷され、生涯苦難の道を歩む話。ほぼ実話である。私はこの小説を読んで、年甲斐もなく涙した。わが青春のカラチへの涙だったと思っている。私は、JALがあまり好きでなく、やむをえない場合を除いて、何十年と避けてきたが、今回の会社破綻については、個人的にはいささかの感慨がある。

(続く)

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March 8, 2010


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