景観を破壊する電柱の地中化

日本の観光業の国際化」についてでも指摘したが、日本の都市に林立する電柱と電線は見ぐるしいばかりでなく景観を破壊し観光立国を阻害している。

オランダの干拓地ですら配電網は埋設ケーブル化しているし、2005年9月訪問したクロアチアのダルマチア地方のトロギールですら配電網は埋設ケーブル化している。こうしなければユネスコの世界遺産に登録してもらえないのかと思ったが そうでもなさそうだ。最近旅した国で撮影した写真1,000枚をザット見てみるとフランスの田舎のごく一部を除き、どのヨーロッパの国も全て電線は埋設するのが標準のようだ。

たしかに電柱が安価で経済的であることは自明である。このような安直なインフラストラクチャの上に築かれた製造業で価格競争に勝って経済大国になっても、その地位を中国に譲りわたし た後、何で立国しようというのであろうか。もしそれがヨーロッパのような観光立国なら即、配電網の埋設ケーブル化にとりくまなければならない。

石油税にしても電力税にしても道路目的目的税であるために税金が道路建設にだけ使われつづけ、大泉で止まったままの未完の東京外環自動車道、圏央道、さがみ縦貫道路など首都圏の一部未完の路線をのぞけば地方の道路など作りすぎなのだ。ほうっておけば地方はだれも通過しない道路だらけになってしまうだろう。

こういう目的税を放置したままにして財務省は財政再建のために増税を考えているという。目的税の呪縛をとくだけで、財政の健全化も電柱の地中化も可能となるのではなかろうか。

このような認識がマスコミ、政治家、役人、一般市民に欠けているのはなぜなのだろうか? 毎年大勢の観光客が外国にでかけるが、何を見てきているのだろうか?

ちょうど387兆円まで膨らんでしまったガソリン税を含む特別会計を見直すという。既得権益のからむ政治家を除外してしっかり取り組んでもらいたいものだ。

October 8, 2005

いつもヨーロッパ旅行の後、せめて醜悪な電柱の地中化をしてほしいものだと思っていたのだが、クロアチアの トロギールを見て、鎌倉の一部有志が古都鎌倉をユネスコの世界遺産に登録しようと運動しているのを見るにつけ、電柱の地中化をしないかぎり無理だろうと再 認識した。というわけで上のコメントを書いたのだが、広町の緑を守った現職市長が電柱の地中化を公約に掲げているのをみて、支持しようと思った次第である。がんばってほしい。

Rev. October 23, 2005

2014年9月2日、久しぶりに小町を歩いていて空が明るいことに気が着いた。見上げるとあの醜悪な電線が消えてすっきりしている。市長が公約を守ったのかな最高温度は950℃と歩いてゆくと、外灯のようなものが道路わきにならんでいることに気が付いた、外灯にしてはやけに電柱が太いし上部にはなにやら外灯のようなものがついているがよく見ると変圧器である。そこでピンときた。これは旨いやり方だ。



外灯に見せかけた変圧器

Rev. September 16, 2014


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