オリーブの実の塩漬け

材料

自宅にオリーブの木を2本植えたら、実が少々ついた。しかし食するほどではない。それに口にいれても非常に渋いだけである。

たまたま採取したばかりのオリーブの実が500グラム程手にはいった。種類は不明である。しかし塩蔵用の収穫に最も適した10月上旬から11月中旬収穫の実である。

渋みをどう抜くかわからない。試みに数粒煮てみるが渋みは幾分減るが、ビン詰めのオリーブ程でない。色々調べてみると2%濃度の苛性ソーダ水溶液で脱渋するということが分かった。

薬局に苛性ソーダを買いにゆくと医薬用外劇物なのでハンコを持って来いという。すったもんだのあげく、ようやく材料はそろった。純度99%以上のフレーク状の苛性ソーダ500グラムのビンが400円である。中に石が入っているのではないかと思うくらい苛性ソーダの比重は大きい。

オリーブの実 500グラム
99%苛性ソーダ 10グラム
500cc
適量

準備作業

オリーブの実は水洗して痛んだ実を取り除く。目をめがねで防護して、苛性ソーダのフレークを10グラム正確に計量し、500ccの水を加えてよくかき回し、2%の水溶液を作る。 溶解速度は遅いのでスプーンでよく撹拌する必要がある。溶解熱で溶液は暖かくなる。

料理プロセス

この水溶液にオリーブの実を静かにいれ、12-16時間浸漬する。アルカリ液より実の比重が軽いので実は浮き上がってくる。落し蓋で実が空気に触れないようにする。12時間過ぎると濃いチョコレート色だった実の表面も脱色されて緑色になる。果実をカミソリで切ってみて、3分の2まで色が変わっていたら脱渋完了。 右上写真左が脱渋前、右が脱渋後。

ところで濃い褐色のオリーブの実の塩付けが市販されているが、脱色されていないとすればどのような方法で渋抜きしているのだろうか?

渋抜きが終わったら、濃い褐色になったアルカリ液を捨てて水洗する。1-2日間、2-3時間毎に水を交換する。今度は実の方が重いのでビンの底に沈む。アルカリ液は手に触れると角質が溶けてヌルヌルする感触があるが、5回目の水洗液でも洗浄水は褐色に変色し、依然ヌルヌル感が残っている。オリーブの実に浸透したアルカリ液が浸潤してくるためだろう。水の交換は初めは30分毎であったが、次第に間隔が長くなり、2日間で約10回水を交換したところで水洗終了とした。1個試食してみると、いける。

20グラムの食塩を500ccの水に溶かして4%の塩水を作り、水洗したオリーブの実を入れると浮くため、落し蓋を入れて押さえる。 下漬け2日目で漬け汁はコハク色になる。3日目でオリーブの実は沈む。4日目に漬け汁をすてて水洗する。

その年の末までに食べつくすなら塩分濃度4%の塩水、翌年2月までは6%、翌年4月までは8-10%を目安として本漬する。1週間程度で食べられるようになる。 小分けできるように100ccのガラス瓶に漬け込み、冷蔵保存する。

本漬けではもう漬け汁が琥珀色にそまることもなく透明である。1週間も経たないうちから食べ始めたが市販のオリーブの塩漬に遜色ない旨さである。すぐ5壜を食べつくしそうである。

October 28, 2007

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