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二一会地球、人間の歴史飯島正2008年3月14日 |
1.地球の歴史
地球が誕生したのは約46億年前であり、そこに生命が発生したのは約35億年前頃であると推定されている。
地球の地殻変動、火山活動、気候変動
地球は自然の変化を繰り返しながら現在に至っている。
全球凍結といわれる大氷河期が2回、最初が24-22億年前、次は8-6億年前。
平均気温は-50oC以下、海も厚さ1,000mまで凍結。期間は数百年から数千年。
比較的現代に近い100万年の間に4回の氷河期があった。
ドイツの地理学者A・ペンク(Albrecht Penk 1854-1945)がヨーロッパ・アルプス地方の氷河に残っている谷にちなんで、次のように命名
キュンツ(Gunz)氷期 (約90-70万年前)
ミンデル(Mindel)氷期 (約60-30万年前)
リス(Riss)氷期 (約20-14万年前)
ヴェルム(Wurm)氷期 (約7-1万年前)
〇プレートテクトニクス説(Plate Tectnics)
地殻を含む厚さ70-100kmの硬い岩石層からなるプレートがあり、移動している。地震・火山活動などはプレートが別のプレートの下に沈み込むところで発生している。
地殻(earth crust) 地球の外殻、厚さは大陸で35km、海底で5-10km
マントル(mantle) 地殻と地核の間、深さ数kmー2,900km
地核(core) 地球の中心部
E・ジュース(Edward Guess, 1831-1914)ドイツの地質学者 「地相論」1880年 ゴンドワナ大陸、テーチス海提唱
〇大陸移動説(Continental drift theory)
A・ウェゲナー(Alfred Wegener, 1880-1930)ドイツ地球物理学者 「大陸と大洋の起源」1915年
〇地球生命圏、ガイア(Gaia)
ジェームズ・ラブロック(James Lovelock、 1919-)イギリス生物物理学「ガイアー生命惑星・地球」NHK出版1993年
グリーンウッド氏の読んだ類書:
ジェームズ・ラブロック「ガイアの復讐」
ジョン・グリビン「地球生命35億年物語」
2.人間の歴史(ホモ・サピエンスまでの道程)
〇ホミニゼーション(hominization)
人類の進化→猿人、原人、現生人類
人類進化のプロセス、ホミニゼーションの研究は出土した化石の考古学的研究やDNAの遺伝学的解析などによって明らかになった部分も多いが、不明の部分もある。その概略は:
ヒトやサルなどの霊長類(分類は霊長目)が誕生したのは約6,500万年前頃といわれ、食虫類から進化したものと考えられている。約2,500万年前頃にアナガザル類とテナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーなどの類人猿に。約2,000万年前頃にはテナガザルと他の類人猿に。さらに約1,300万年前頃にオランウータンとゴリラ、チンパンジーに分枝した。
共通の先祖からゴリラの系統とヒト、チンパンジーの系統に分岐し、その後、さらに、ヒトとチンパンジーに分岐した。それは600万年前頃と推定される。
(1)猿人(Ape-man) 450-100万年前頃
アーストラロピテクス属(Australopitecs 南のサルの意)のラミダス猿人(A.ramidus)はアフリカの440万年前の地層から出土。さらにアフリカ出土のアファール猿人(A.afarensis)約350万年前の化石が出土。直立二足歩行が骨格と歩行跡に見られる。その後、180万年前のホモ・ハビリス(Homo habilis、 作ることが出来るの意)の化石がアフリカで発見される
(2)原人(Proto-man) 160-20万年前頃
北京原人、ジャワ原人が有名。「直立した」という意味のホモ・エレクトス(Homo erectus)は猿人ホモ・ハビリスから進化したと考えられ、アフリカから東アジア、東南アジアまで進出し、北京・ジャワ原人となった。
(3)原生人類(Homo sapiens) 20万年前頃-
ホモ・サピエンス・ネアンデルタールエンシス(H.S. Neanderthalensis)20万年前-35,000年前、ヨーロッパからアジアに分布、死者の埋葬をした。
ホモ・サピエンス・サピエンス(H.S.S) 15万年前アフリカで誕生、世界各地に拡散
12.5万年前:人類の一団がエジプトとイスラエルから北方に進出したが9万年前に絶滅
8.5万年前:アラビア半島南部からインドに向けて移動した一団が全ての非アフリカ人の先祖
6.5万年前:チモールからオーストラリアに進出
5.2-4.5万年前:ヨーロッパに進出
4万年前:パキスタンからインダス川を遡り中央アジアへ進出
4万年前:東アジア沿岸の人類がシルクロードに沿って西へ移動
4-2.5万年前:中央アジア人が西のヨーロッパと東のベリンギアへ移動
2.5-2.2万年前:ベーリング海の陸橋を渡る
1.9-1.5万年前:ペンシルバニア出土品
1.25万年前:チリのモンテベルデで住居跡出土
Brian M. Fagan, The Great Journey, 1987 ブライアン・M・フェイガン「アメリカの起源 人類の遥かな旅路」1990
Brian M. Fagan, The Journey from Eden, 1990 ブライアン・M・フェイガン「現代人の起源論争 人類二度目の旅路」1997
Stephen Oppenheimer, Out of Eden; The Peopling of the World 2003/4 スティヴン・オッペンハイマー「人類の足跡 10万年全史」2007
グリーンウッド氏の読んだ類書:
ジャレッド・ダイアモンド「人間はどこまでチンパンジーか」
谷川政美「DNAからみた人類の起源と進化」
ジャレッド・ダイアモンド「銃・病原菌・鋼鉄」
ブライアン・サイクス「アダムの呪い」
ブライアン・サイクス「イヴの七人の娘たち」
マイケル・クック「世界文明の一万年の歴史」
3.人種
(1)ネグロイド(Negroid)
(2)コーカソイド(Caucasoid)
(3)モンゴロイド(Mongoloid)
(4)ブッシュマン(Bushman) サンクワ(Sanqua)が正式名。アフリカ南部の遊牧、黒色人種。ブッシュマンはヨーロッパ人の蔑称。
(5)オーストラロイド(Australoid) オーストラリアのアボジリニとセイロン島のベッダ。濃褐色の皮膚。
(6)ポリネシアン(Polynesian) 太平洋・日付変更線の東半分の諸島のポリネシア原住民。ハワイ、フェニックス、サモア、クック諸島と赤道以北の経線180度と日付変更線の間)
oidはようなという意味のギリシア語
注)
ポリネシア(Plynesia) 多くの島々の意
メラネシア(Melanesia) 黒い島々の意。 オーストラリアの東北部、東西はニューギニア、フィジー、赤道と南回帰線内 ビスマーク諸島など
ミクロネシア(Micronesia) 小さな島々の意。 メラネシアの北に散在。赤道の北方、東経130-180度内。マーシャル、カロリン、ギルバート諸島など
オセアニア(Oceanis) オーストラリア、ニュージーランド、メラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの総称。
4.生物分類
現在、地球上の生物種は生物学的に認知された150万種であり、そのうち動物は108万種、植物は26万種、菌類16万種である。しかし、未知で実証されていないものが10倍から20倍、すなわち1,500万種から3,000万種と推定されている。
カール・フォン・リンネ(Carl von linne, 1707-1778) スエーデン人、ラテン語名、カルロス・リネウス(Carlus linnaeus) 「自然の体系」で網、目、属、種で体系的に自然の三界を配置。
注)三界=動物界、植物界、鉱物界
二語式命名法:ラテン語デ属名(名詞)と種名(形容詞)
植物の学名 1867年、第1回国際植物会議で決定
動物の学名 1901年、第5回国際動物会議で決定
植物界(plant) 動物界(animal) 菌界(fungus)
7区分 | 人類の事例 |
界(kingdom) | 動物(Animalia) |
門(phylum) | 脊椎動物(Vertebrata) |
網(class) | 哺乳(Mammalis) |
目(order) | 霊長(Primates) |
科(family) | ヒト(Hominidae) |
属(genus) | ヒト(Homo) |
種(species) | サピエンス(Sapience) |
April 14, 2008