1.極軸周りの分解  その2


9.極軸アルミナットの取り外し

その2は、ここからスタートです。この先が極軸周り分解のメインです。
先に進むと本来の性能を出せなくなる可能性もありますので、自己責任でお願いします。

では、心して取り掛かりましょう!
アルミナットには放射状に3つの切欠が入っています。
それぞれの切欠の中には、アルミナットを固定するセットスクリューがありますので、6角レンチを使って3つともよく緩めます。(外す必要はありません)
セットスクリューを十分緩めても、まだアルミナットは恐らく手では回らないと思います。
そこでパイプレンチの出動です。
アルミナットの径に合わせて、ゆっくり優し〜くアルミナットを緩めてゆきます。
アルミナットが緩んだら、その後は手で回して更に緩めてゆきます。
極軸を固定していたアルミナットが外れました。
その下にはベアリングが見えます。埃などが入らないように気をつけましょう。
10.下部ブロックを外す

赤緯軸を固定しながら、極軸の下部ブロックをゆっくりと持ち上げてゆきます。
下のほうから真鍮のぶっとい円柱が見えてきました。これがウォームホイルですね。

極軸のロックレバーは、小さな真鍮の円板を介してこのウォームホイルを押して固定してたのですね。なるほど。

外した下部ブロックは、そのままの状態で置いてください。逆さまにするとベアリングの内側の部分が外れて落ちてしまいます!!
11.ウォームギアブロックの取り外し
どんどん佳境に入ってきました。

まず、スイッチパネルの側面にある2つの+ビスを外します。
その後、ウォームギアブロックの上面(写真の矢印)にあるウォームギア調整用スクリューを十分に緩めます。(外す必要はありません)
スイッチパネルを少し浮かせて6角レンチを入れてください。

反対側(ウォームギアブロックの下面)にも調整用スクリューがあります。こちらも十分に緩めてください。
ウォームギアブロック上下の調整用スクリューを十分に緩めたら、ブロックを固定している3本のボルトを外してゆきます。
ウォームギアブロックが外れました!
遂に、ウォームホイルとウォームギアの全貌が明らかになりました。
この写真、2回目の分解時の写真です。1度目にオリジナルのグリスを取り除いたのですが、まだ前のグリスが少し残っていたようです…(黒いやつ)

オリジナルのグリスは、べっとり真っ黒の質の悪そうな油でしたよ。
今回の画像では作業工程お見せしてませんが、前回分解した時にオリジナルの黒い油をオイルクリーナーできれいに取り除き、新たにリチウムグリスと交換しました。かなり完璧にきれいにしたつもりだったのですが、まだ残っていたとは…残念…
12.ウォームホイル

美しい
極軸パイプとウォームホイルの間にもベアリングが入っており、非常に滑らかに回転します。

前述の通り、オイルクリーナーでここまできれいにしたのですが、それでもまだ結構残っていたんですね。
時間のあるときに、もう一度清掃しましょう。
13.ウォームギア

ウォームギアをブロックから取り外して清掃しました。
見たところステンレス製のようです。
ちなみに、ウォームギアの軸受けにもベアリングが使われていました。

安い割には案外贅沢な造りですね。
極軸周りの分解方法は以上のとおりです。組み立てるときは、これと逆の手順で行ってください。
なお、極軸アルミナットの締付けは、あまり強過ぎないように注意してください。(トルク値を出せずにすみません…)
組み立ての際は、ウォームギアの当たりの調整が必要になります。この調整については、別の章を立てて紹介します。
その後の顛末
実は不安でした・・・バラしてはみたものの、実際に使ってみて不調は生じないのか?ウォームホイルとギアの当たりは問題ないのか?結局気温の低い環境ではまたモーターが脱調するほど堅くなってしまうのではないか?
氷点下の環境でおそるおそる試用してみましたところ・・・
素晴らしい!!
モーター音は以前より静かに。そして重い機材を載せてフリーで動かした時に生じていたビビリ音は全く聞こえず、滑らか〜に動いてくれました。
「ありがとう〜!SE赤道儀!」

〔4月5日追記〕
4月4日夜半に星見に出掛けてきました。厳冬期に較べるとかなり気温も上がってきましたので、メカには優しい季節です。極軸周りの問題は特になさそうです。
しかし、赤緯軸周りにガタがあることが判明しました・・・
ついに赤緯軸周りの調整も必要ということになりそうです。
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