CQ ham radio掲載記事

 

9月号「ハムのためのVisual Communication」


CPUの載せ換え

 パソコンのサイクルは2年といわれています。しかしこれは業務用として使う場合の話であって、私どもハムが趣味で使うにはそう簡単に買い換えられないのが普通です。そこで少しの投資で機能アップできる方法を考えてみました。

 筆者の使っているパソコンはすでに2年半になります。CPUはPentium133MHzでメモリーが32MBでした。まず最初にした強化策はメモリーの増設です。メモリーのモジュールであるSIMMの価格は以前に較べてたいへん安くなっています。現在では64MB(32MBのSIMM2枚)の追加が1万円以下でできます。

 Windows95/98をスムースに動作させるためには32MB程度ではもはや不足で、64MBが標準といわれています。この程度にメモリーを増設するとアプリケーションの動作が大幅に速くなってきます。投資金額に対する性能の向上はこれが一番よいのではないでしょうか。

 最近になってPentiumプロセッサのアクセラレータである「OverDriveプロセッサ(ODP)」が各社から発売されています。これは動作の遅いCPUをはずして簡単に載せ換えるだけで高速のCPUにチューンアップする商品です。筆者のパソコンに次の強化としてこれを実行することにしました。

写真3:取り外す前に記録画面をとっておく
 CPUの載せ換えは機器との相性が問題です。そのODPが自分のパソコンで完全に動作するかどうかメーカーサイドが検証して保証済みのものでないとおすすめできません。こんなときはベストセラーのパソコンは検証例が多く有利ですね。intelのホームページに自社製品の使用できるパソコンの一覧表を調べ、ここのリストに使っている機種が載ったのを確かめてから購入しました。

 筆者の使用したODPは、intel製の「MMXテクノロジペンティアムOverDriveプロセッサ」で75MHz搭載のパソコンから使えますが、100〜166MHzのPentiumでしたら200MHzにアップグレードする商品です。主な特徴はMMXテクノロジなので、対応しているアプリケーションはスピードが速いことと、ファン付きヒートシンクと電圧変換器を備えていることです。

 取り付け作業は、まず電源のコンセントなどを取り外してからカバーをはずします。パソコンに附属のマニュアルでマザーボードにPentiumプロセッサの取り付け位置を確認して必要な部品をはずします。このときはいろいろな結線を取り外す必要があります。後で間違わぬように作業前にビデオやデジカメで記録を取っておきましょう(写真3)。

 本体からポードを取りはずしたら、広い場所に移してからCPUの取りはずしです。ソケットのレバーを上に上げることで簡単に取り外しができるようになっています。ここで注意はソケットにCPUが間違って取り付けないように、一隅だけピンが少なくなっているところがあります(写真4の赤丸部分)。この位置を確認しておき、ODPの差込もその位置が同じ方向に取り付けることです(写真5)。

写真5:ODPを無事取り付けたところ
 ソケットに差込は慎重にゆっくり作業してください。軽く入らないときは無理に押し込まず一度はずして方向が間違っていないか、邪魔しているものがないか、ピンが曲がっていないかなどを確認して再度差し込んでください。うまく収まりましたらレバーを下げてプロセッサを固定させます。

 あとは結線を元通りに差し込みパソコン本体にマザーボードを取り付け、カバーや電源コードやケーブル類などすべて元に戻します。これで電源を入れるとWindowsが動き出します。すべてがいままで通り動いているか確認してください。筆者の場合はCD−ROMドライブとMOドライブが認識されていませんでした。このようなときは本体に附属のセットアッププログラムを動かして、その部分を書き換えることで正常になります。

 ではどれだけ性能が上がったのでしょうか。フリーウェアの「HDBENCH」で計測してみました。これで見ますと「浮動小数点演算」や「整数演算」が50%アップしていることがわかります。しかしグラフィック描写はほとんど変わっていないのはビデオボードの性能に左右されるためと思われます。

 intelの説明によれば、MMX対応のアプリケーションでは60%も性能がアップするそうです。しかしこのままでは20%の性能アップということで、実費37k円の出費は高いといわざるを得ません。しかしビデオボードをグレードアップしてそれにふさわしい性能にすることでスピードが大幅に上がることが予想されます。

 なおODPはここに紹介したintelの純正品のほかにメルコやアイ・オー・データ機器などからも発売されており、それぞれ対応機種も違いますので各社のものを検討することをおすすめします。

 さてつぎは何をチューンアップしたらよいか、ハードディスクも最新の大容量に取り換えるとそれだけでもかなり高速になるそうですし、ビデオボードも魅力です。友人たちの意見も聞いて最小の費用で十分な能力アップする方法を検討することにしましょう。

プロバイダーの選定

 インターネットついてよく聞かれる質問に「どこのプロバイダーに入っているのか」いうのがあります。実は筆者は気がついてみたらPHSを入れると6つのプロバイダーに加盟しています。そこでいままでの経緯をお話ししますので、プロバイダーで悩んでいる皆さんの参考にしてください。

 最初は古くからのパソコン通信をやっている皆さんと同じように、NIFTY-Serveからはじめました。ここから電子メールを外部に送れるようになってインターネットがスタートしたのです。しかしNIFTY-Serveは純粋な商用ネットでしたので外部とのインターフェイスが十分ではありませんでした。

 そこでASAHIネットが商用ネットでありながらインターネットのプロバイダーも兼ねていることがわかり、急きょここに加盟しました。筆者のホームページは現在もここに置いていますし、メインのメールボックスもここなのです。

 しかし本格的にネットサーフィンをはじめるとアナログ回線ではスピードが遅く、テレビ電話ではうまく動かないだけでなく回線が切断されます。INS64を導入したのを契機に和歌山市内でISDN回線のあるMeshネット(ビッグロブ)に加盟したのでした。

 ここも難点がありました。というのは筆者の住まいはアクセスポイントのある和歌山市内ではなく、隣接市外となっています。やっぱり市内の回線が欲しいということでDIXネットが市内にアクセスポイントを持つと同時にここに加盟しました。このネットのよいところは、月2,500円の定額料金であることです。これとNTTのテレホーダイを使うと時間に気にせずにネットサーフィンができてたいへん便利です。

 このままで長らく使っていましたが、最近ではDIXネットの加入者が増えたらしくゴールデンタイムとなるとISDNにもかかわらずさっぱり動きません。どうやらこのネットはアクセスポイントからサーバーまでの回線がかなり細いようです。

 ちょうどこの時期に友人がOCNに加入してその速さを自慢していました。そこでここの規約などを調べましたら、市内にアクセスポイントがあること、月額の最低料金は980円(月4時間まで)であることがわかりました。それで早速補助回線としてOCNに入会したのです。

 実際に使ってみると噂に違わずOCNのスピードに感心させられます。これはもっとも極端な例ですが、ゴールデンタイムにソフトのダウンロードしてみました。いままでの回線では僅か500バイト/秒だったものが、OCNに切り換えるととたんに8kバイト/秒にアップするのですからその差の大きさに驚かされます。

 ここからおわかりのように、維持費の安い回線はゴールデンタイムでは通りが極端に悪いことを覚悟しなければなりません。それは運営上たくさんの会員を集める必要があることと、定額制の会員は長時間使う人が多いためといえます。特にテレホーダイのはじまる夜11時から午前2時頃までは極めて通りが悪くなることを覚悟する必要があります。

 このようなネットの会員は、できるだけゴールデンタイムを避けて運用することにしましょう。生活時間を変更して夜は早く寝て朝5時から7時頃起きてネットサーフィンするとスイスイと快適に走ります。マイナーなネットでは企業の加盟が少ないので平日の昼間も快適に運用ができます。

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