CQ ham radio掲載記事

12月号「ハムのためのVisual Communication」

大変身したマイクロソフトの「Internet Explorer」

 米マイクロソフト社のWWW閲覧ソフトである「Internet Explorer」がバージョン4.0日本語版(以下IE4.0と略)を10月1日に正式に発表しました。このソフトはいままでのV.3.0から大幅に機能が強化され、全く新しいソフトに生まれ変わりました。

IE4.0のActive Desktopの画面
 早速インターネットのホームページ(http://www.microsoft.com/ie_intl/ja/ie-40/download/)からダウンロード(無償)してみました。セットアップソフトが400KB程度だったので、気をよくして夜の8時台にインストールを開始しました。すると途中から本体のダウンロードがはじまり、それがなんと18MBもある大きなファイルです。しかも回線が混雑してきて、いつまでたっても終了せずイライラの連続でした。

 これだけの大きさですから、どんな内容か気になり早速使ってみました。驚いたことにWindows95そのものが変わってしまっています。来年に発表されるWindows98を先取りしたものだそうで、デスクトップやエクスプローラからWebをアクセスできたりE-mailを読んだりできるのです。またいろんな機能が強化され、より使いやすくなりました。

 IE4.0で新しく追加されたのは「Active Desktop」というシステムで、壁紙にいろいろな情報が表示され、しかも自動的に更新されます。試みに毎日ニュースチャンネルと衛星軌道情報(次回に紹介予定)を受けてみました。これは「プッシュ型情報配信」といわれるシステムで、必要な情報を取りに行かなくとも手元に届くのです。

 米ネットスケープ・コミュニケーション社も「Netscape Navigator」をバージョンアップして、「Netscape Communicator 4.01」に生まれ変わりました。こちらも「チャンネル」という機能でプッシュ型技術を搭載しています。

 機能が充実するのはうれしいのですが、システムはますます大きくなり複雑になってきました。使いこなすにはかなりの学習と高性能なパソコンが必要です。それにパソコンがいつもネットワークに接続されていることを前提にしています。われわれ個人の使用には、もっとシンプルで軽快なシステムも望むところです。

ディジタル衛星入門 (3)

9 WiSPの使い方

 先月号でアマチュア・ディジタル衛星専用ソフトの「WiSP」のアクセスまでを紹介しました。うまく動作さすことができたでしょうか。今月は実際の運用について少し書いておきます。

WiSP32のMSPEの運用画面
 WiSPではトラッキングする衛星と、ディジタルデータを受信する衛星とは別の設定です。GSCの画面の上段に表示されているリストがデータを受信する衛星の軌道情報で、トラッキングする衛星は下段に表示されいくつでも設定ができます(11月号写真2参照)。いずれも赤字になっているのが、現在上空に飛翔していることを示しています。  トラッキングマップは地図のツールバーをクリックすることで見ることができます。「WiSP32」ではヨーロッパ中心でなくアジアやアメリカ中心に変更できるようになりました。しかし複数のファイルを開いておくときは、ヨーロッパ中心のは日本が右端に表示されて使いやすくなります。

 ターミナルソフトである「MSPE」を動かすために、「MSPE Equation」を設定しなければなりません。この書き方は「ヘルプテキスト」に書かれていますが、ここに自分の欲しいファイルの種類を登録しておくことができます。

 例えば筆者の場合は「image(画像)」を登録しています。こうするとファイルが画像に関係があれば、すべて優先してダウンロードします。また「JAPAN」も登録しておいてください。これで日本人向けのファイルを皆さんに配信することが容易になります。

 設定が正常ですとダウンロードしたデータが「MSPE」画面で流れ出します。ツールバーの郵便ボックスで「Directory」を開いてみると、衛星のファイルリストが表示されます。ここで2列目にある「S」の項が「D」となっているものがすでにダウンロードしているファイルです。取りたいファイルがあると、ツールバーで「P」や「A」に変更すると優先的にダウンロードすることができます。

 またカーソルを必要なファイルに移動させてEnterキーを押すと、「Message Information」を見ることができます。ここが「D」マークの付いているものだと左ボタンのダブルクリックでテキストファイルを見ることができます。「WINZIP」など圧縮解凍ソフトを設定しておくと、画像ファイルも直接表示さすことができて便利です。

10 ファイルの送信

 最後にメッセージの送信について書いておきましょう。「MSPE」の文字の書いている絵のツールバーをクリックすると、「MsgMaker」が起動します。ここに送りたい相手やタイトルを入力して「Edit」をクリックすると登録しているエディターが開いて文章が入力できるようになります。

 「Attach」のツールバーをクリックすることで画像やプログラムなどのバイナリー・ファイルも添付できるようになっています。この方法でいろいろな画像が世界各地から届くのです。

 ここに紹介した機能は、WiSPのごく初歩のものだけです。アンテナのコントロールや、他のソフトと連動して処理を行うこともできます。それに受信や送信の状態の記録を見ることや、不要になったファイルの整理のメンテナンスができるようになっています。

 このデジタル衛星を運用して気がつくことは、日本人同士のメッセージの交換が少ないことです。タイトル文字がアルファベットにしなければいけないこと守れば、中身は日本語でいいのです。もっともっといろいろな情報を交換しようではありませんか。

 このようにディジタル衛星は日夜、世界各局から情報やE-mail、それに画像や最新のフリーソフトが送られてきます。地上のパケット通信とひと味違う全世界を相手のディジタル通信が楽しめます。皆さんも仲間に入りませんか。なお、このソフトの入手方法などについては先月号を参照してください。

今月のホームページ

 今月はJASTA事務局のページを紹介しましょう。JASTAとはJapan Amatuer Slowscan Television Associationの略で、日本でSSTVを運用している局のすべてを会員として認めている解放された団体です。

 このホームページはJASTAの事務局の活動を紹介しています。ここには事務局の活動を中心にSSTVの広報などが書かれています。特に「SSTVとは」の中に書かれているガイドブック3「SSTV運用ノウハウ」のSSTVのモードや変更申請書の書き方などが、これから始める局にとっては参考になるでしょう。

 「SSTV Picture Gallery」は、このページの制作者であるJA2BWH/1杉澤さんがQSOした画像が納められています。また事務局の活動のページには画像もたくさん入っており、夏のハムフェアに来日したWinPixProの作者K0HEO、Donさんを迎えて行われたパーティの様子などを見ることができます。

 このページのURLはhttp://www.ask.or.jp/~jasta/です。

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