CQ ham radio掲載記事

9月号「ハムのためのVisual Communication」

全方向画像システム「PhotoBubble」

 インターネットをネットサーフィンしていると、いろいろな新しいシステムの発見があります。その中でもこれはすごいと感嘆の声を上げるものがときどきあります。これから紹介するシステムもそのひとつで、最初にその画像を見たときは「どうしてこんなことができるの?」と不思議でした。

 米OmniViewシステム社によって開発された「PhotoBubble」は、最初の表示ではただの画像に見えます。しかしその画面の上にカーソルを置いて動かすことによって左右と上下に360度継ぎ目なしに見ることができるのです。それだけでも驚きですが、なんと前進すると大きくなり、後退すると小さくなって、あたかもその場所に現実にいるのと同じことが画像の上でできるのです。

 たとえば新型自動車の紹介では、最初は運転席から前面の景色が写っており(写真左)、近づくとダッシュボードの部分が大きく表示されます(写真中)。左に振ると補助席やドア部分が写り、さらに回すと後部座席が表示されます(写真右)。まさにその車の運転席に座ってあちこちに眼を動かしているのと同じ感覚で内部を見ることができます。

 また、画面の大きさも標準は310×275ドットの画素程度ですが、上下に2倍に広げることができます。左右だけ広げるとパノラマサイズの画面になり、風景などが見やすく迫力が出てきます(写真下)

 この画像を表示するソフト「BubbleViewer」は、フリーソフトとして誰でも自由に使うことができます。OmniViewシステム社のホームページからダウンロードできますが、このPhotoBubbleの画像を置いているページには必ずここにリンクされています。このソフトをWWWの閲覧ソフトに登録することで、インターネットでこの形式の画像を自由に見ることができるようになります。

 このような3Dイメージが最近ゲームなどで人気ですが、カメラから撮影した画像ではどのようにしてこのようなことができるのか不思議でなりませんでした。いろいろな説明を読んでみると、魚眼レンズのカメラで撮影した写真を使うことがわかりました。まず前面にカメラを向けて180度を撮影します。そして180度反転して後面の部分を撮します。

 この2枚の写真から専用ソフトで継ぎ目が目立たないようにつなぎ合わせ、そのファイルを圧縮して完成するのだそうです。この技術は相当高度なもので、加工費はかなりの価格だそうでから、アマチュアが簡単に作成するというのは難しいようです。

 この形式の画像を見るには、インターネットの検索ページである「yahoo japan」などで探すことができます。「bubble」と書き込んで検索すると関連のホームページが表示されます。ここから適当なページに入ってみてください。画像と一緒に表示ソフト「BubbleViewer」のダウンロードの表示があるはずです。

 観光地や名所旧跡の紹介や、新築家屋や施設やイベントの紹介などに数枚の画像よりも、この1枚の方がはるかに大きな説得力があります。インターネットの普及とともにこのソフトが今後よく使われるようになりそうです。

動画も音声も良好な「RealPlayer」

 インターネット放送の音声システムとして定番だった「RealAudio」が、昨年から動画もサポートして改良を重ねてきました。このたび、それが完成の域に達し名称も新たに最終バージョンのR.4.0を発表しました。

 新しい名前は「RealPlayer」で、無償で配布されています。URLからダウンロードすることができます。機能のアップした有料の「RealPlayer Plus」も提供されていますが、売り文句である録画は実際にできるところは少ないようです。

 品質もますますよくなり、いまやFM放送とかわらない音質(ステレオもサポート)で28.8kbpsでも十分楽しめます。画質の方はこの程度のスピードであればモザイクになってしまうことが多いのですが、INSネット64回線であれば写真5のような映像を見ることができます。

 番組としては、海外の最新の音楽やスポーツ、それにTVやFM放送がライブで楽しめます。URLhttp://www.timecast.com/fchannels.html/で米国のいろいろなジャンルのプログラムを選択することができます。

 それに映像がないのですが、インプレスが毎週提供している「PC Watchラジオ」http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/radio/index.htmが、パソコン業界の最新情報のおしゃべりを30分もしてくれて結構楽しめます。この放送の最大の特徴は音声とWWWが連動していることです。話題にしている内容を画面でも表示して、耳と眼でサービスを提供してくれます。筆者がよく受信するおすすめのページです。

自動サムネイル表示の新「ACDSee32」

 画像をたくさんが集めると、単にファイルネームだけではどんな画像だったかわからなくなってきます。こんな時に便利なのは、サムネイルと呼ばれるその画像を縮小して配列表示する方法です。この形式はほとんどの画像管理ソフトに採用されています。

 通常はサムネイルを表示するためには、一つのディレクトリーに画像ファイルを集めてから認識してデータファイルを作成します。画像が多いときには、この作成に結構時間がかかります。それに画像がよく増減する場合は、その都度データファイルを更新する必要があります。それとソフトによっては画像形式がJPEGだけとか、或いは2、3種類程度しかサポートしないものもあるようです。

 以前にここで紹介した画像表示ソフト「ACDSee」は、高速表示が売り物です。筆者がいままで試したこの種のソフトの中で、一番高速でもっとも気に入ったものでした。このソフトは米ACDシステムズ社が開発したものです。

 今年になってこのソフトがバージョンアップしてWindows95対応となりました。名称も「ACDSee32」(v.2.1)となり、機能が大幅にアップされました。中でももっとも優れた機能は、起動と同時に自動でサムネイルが作成される点です。これは32ビット対応になって高速表示がさらに進んだことでできたのでしょう。

 それにエクスプローラーと同じように画面の左にディレクトリーが表示されていますので、現在に位置の確認が容易です。またここから他の場所に移動が簡単にできるようになりました。いままでのように拡大、縮小やリネイム、印刷、それにスライドショーなどができます。

 それに今一つの特徴は、JPEGをはじめGIF、TIFF、BMPなど現在よく使われている画像形式が11種類もサポートされていることです。中でもいままで画像表示ソフトでサポートが少なかったWMF形式も追加されたのはたいへん便利です。

 それにこのソフトはDOSからの資産を受け継いでESCやEnterキーがサポートされていますので、キーボードからも使い勝手よくできています。これはノートパソコンではマウスの使用に不便があるときに、たいへん便利です。

 なおこのソフトはシェアウエアで、30日の試用期間があります。URLhttp://www.acdvictoria.com/からダウンロードができます。Windows3.1やWindowsNTも用意されています。登録料は30ドルで、VISAカードなどでインターネット上で決済もできます。画像表示に不満の方におすすめの一品です。

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