そのきっかけはパケット通信でした。スペースシャトルやミールからデジタル信号が発射されていますが、この周波数が144.49MHzなど衛星通信として認められた周波数ではないのです。そこで信号を受信できても応答ができない状態が続いていました。これは何とかしないといけないと言うのがことの始まりです。
JA7TQK藤澤政則さんのご努力で、先に施行された「アマチュア業務に使用する電波の形式及び周波数の使用区別」には、「3 その他」に「郵政大臣は、免許人からの申し出により、特に必要があると認めるときは、1に定める使用区別以外の使用を認めることがある」という条文を見つけてくれました。
藤澤さんが早速この特例事項を認めて欲しいという「申出書」を作成して東北電監に提出したところ例外処置が認められ、スペースシャトルなどとパケット通信の運用ができるようになりました。これをヒントに今度はJH0TOG吉田さんがAO-10/13で画像通信をやりたいと所轄電監に申し出たところ、一ヶ月後に申し出を認めると書類が届きました。
これらのやりとりはJAMASTのメイリングリストで公開されていました。これですっかり気をよくして筆者も近畿電気通信管理局にAO-10/13及び「ふじ3号」でSSTVの運用をしたいと書類を提出したところなんと即日許可がおり(郵送で僅か3日)、そのスピードぶりに面食らったくらいです。
8月17日に「ふじ3号」が予定通り打ち上げられ順調に軌道を回っています。このような低軌道の衛星はドプラーシフトが大きく画像通信には不向きですが、アンテナの自動追尾装置があると手動ダイヤルでも実用になると思われます。一度実験してみようと思っています。
これから申請される方のためにここに筆者が提出して承認された「申出書」(A4用紙で2部作成)のコピーを載せておきますので、これを参考にして所轄の地方電監の私設課宛に返信封筒(80円切手添付)を同封して送ってください。
最後に9月8日にJH0TOG吉田さんがAO-10/13で打ち上げ、JE2VVN井上さん(写真上)と7K3NNC後藤さん(写真右)が受信された画像を掲載します。井上さんのシステムはオスカーハンターのアンテナとプリアンプ付きのTS-790で、WinPixProのSSTVソフトで受信したそうです。また後藤さんは同じアンテナでプリアンプ付きのFT-736MXで受信されました。お二人ともFMのかぶりがあり苦労したとのことですが、なかなか良好に受信できています。各局ありがとうございました、ここでお礼を申し上げます。
というわけで思わぬところから衛星での画像通信が可能になりました。そこでアマチュア衛星の近況をお知らせします。多くの皆さんに愛用されたA0-13が落下まで残り僅かとなり、厳しい状態になってきました。しかし嬉しいことにAO-10がときどきトランスポンダーがオンとなり、良好に使用できることがありますのでチェックしてみてください。
このQCAMはキャプチャーボードの必要がなく、パソコンのパラレルポートにつなぐだけで映像が取り込める極めて便利なカメラです。写真3のように外観は球形で、ゴルフボールを一回り大きくした程度の小型です。それに三角形の台が付いている極めてユニークな形をしています。このカメラは米国Connectix社が開発して国内では(株)誠和システムズから発売されています。
筆者が試用したQCamはDOS/V用のモノクロ・カメラ(MAC用もあり、いずれも1万数千円で入手可能)ですが、付属のケーブル(電源はキーボードのコネクターから取るようになっている)を接続して、添付されているソフトをインストールすると、自動的にカメラを認識して映像が画面に映ります。
ソフトは2種類に分かれており、「QuickMovie」は映像の作成ソフトで、「QuickPict」は画像を撮影するためのものです。取り込みの最高は320x240画素で、映像形式はAVIムービー(Microsoft Video for Windowsの映像)です。画像はBMP、JPEGそれにTIFF形式がサポートされています。推奨マシンはWindows95またはWindows3.1の動くDOS/Vで、ムービーには8MB以上のRAMが必要です。
QuickMovieを立ち上げると、QuickPictと同じような画面が現れますがボタンの一部が違っています。カメラの調整はダイアログボックスから調整ができます。映像ファイルは容量がたいへん大きくなります。そこでファイルを各種の圧縮方法を選らんで、データを数分の一に圧縮保存することができます。
SSTVの画像としては320x240画素での取り込みは最適で、このままWinPixProの画像として使えます。映像の作成にはマイクを用意することで音声も一緒に入力ができ、マルチメディアの画面が簡単に構成できます。筆者もこれで入力した映像を使ってインターネットのホームページで自己紹介をしようと計画しています。
嬉しいことに近くこのカラー版が発売されることになっています(Mac用は34,800円ですでに市販されている)。移動ができない不便さはあるものの鮮明な映像が手軽に入力できるのが魅力で、カラーカメラの発売が楽しみです。
最後に嬉しい話題をお伝えします。実はこのカメラの販売している誠和システムズhttp://www.iijnet.or.jp/Seiwa/の社長さんはハムで、JR1FSP福永誠一郎氏です。ハムの皆さんにもこのカメラを楽しく使っていただきたいとのことで、面白い使い道やユニークなアイデアをお持ちの方にQCamを提供してくださるそうです。「こんなことに使ってみたい」と葉書に書いて筆者(宛先は欄外に表記している)までご連絡ください。
この8月に入って「Internet Explorer 3.0 日本語版」が発表され無料で配布が始まりました。早速マイクロソフトのホームページhttp://www.microsoft.co.jpからダウンロードして使っていますが、いろいろな機能が追加されて使い勝手が大幅に向上しています。
それに負けじと「Netscape Navgator」が急きょバージョン3.0を発表していますhttp://home.jp.netscape.com/ja/。こちらはまだ日本語版が出ていないのですが、英語版はメニューこそ英語ですがWWWでの日本語の表示はまったく問題はありません。
今年に入ってからWWWの大きな変化は、静止画像だけでなく動く画像が多くなってきたことです。それは両ソフトとも、JavaやActiveX、それにShock Waveなどの機能を使って動画(スムースに動くものと画面がパラパラと切り替わるものと2種類あり)がWWWで表示できるようになってきたからです。先端的なホームページでは画像や文字が動き出して華やかな雰囲気を醸し出しています。
その上いままでは音声や映像を見るときは、一度ダウンロードしてから後で再生していました。プラグインソフトの発達で「リアルオーディオ」では音声データをファイルとして保存せず、名前の通りわずか数秒の立ち上げで音声が生で聞くことができるようになりました。最新バージョンのV.2.0では以前よりも音質がよくなり、AMラジオ並で本場の音楽をじかに聞けるのが楽しみですhttp://www.RealAudio.com/。
また「VDOLive」は画面こそ小さいが映像と音声が生で受信できるソフトです。このソフトの音声が結構ダイナミックで、実用になります。ちょうど小さな液晶テレビを見てる感じです。この2つのソフトとも28.800bpsのモデムで使用できるようになっていますので、一度お試しください。