当日は30名近い参加者で,JH3VSR山田さんとJA3HUU松村さんを講師に,皆さん熱心にハンダづけに取り組みました.中には拡大眼鏡を持ってきた方もおり,器用な手つきで作業が進み予定の時間より早く全員無事完成しました.
その後,応援に駆けつけたSSTVファンのためにミーティングが急遽開かれました.17名の参加がありわずか1時間でしたが久しぶりに関西の皆さんとお顔を合わせて楽しいひとときを持つことができました.
このような経験をされた方が小生を含めて大勢いることと思います.Windows95の仕組みがいままでのDOSやWindows3.1と全く異なるものだという感覚が少ないために,このような不幸を生じるのです.
昨年末,大阪の日本橋で「WINSTART95」という便利なソフトを見つけましたのでご紹介します.このツールはDOSやWindows3.1の環境を完全に前のままの状態で残し,安全にしかも安心してWindows95やWindows3.1およびDOS6.2の状態で行ったり来たりすることができるソフトです.インストールもきわめて簡単で,しかもたくさんの95用のツールが付属しています.
Windows95の仕組みの勉強は後でゆっくりしたい方や,前述のトラブルをさけてWindows95をインストールしたい方にとってきわめて強い味方のソフトです.
1.まずWindows95をインストールします.ただしWindows3.1のディレクトリ(例:WIN95)へのWindows95をインストールします.インストールを終了してWindows95の立ち上げたメイン画面で,AドライブにWINSTART95のフロッピーディスク(FD)を入れてスタートボタンを押してファイル名で実行を選びインストールすると,WINSTART95のフォルダが自動形成されます.
スタートボタンでプログラムを選び,WINSTART95のフォルダへたどり着いてからDXBOOTWのアイコンをクリックすれば環境変更の画面が現れます.そこでメニュー選び実行すれば好きな環境へとリブートしてくれます.Windows95のメイン画面にショートカットキーを作成しておけばもっと便利でしょう.
2.次にWindows95から旧システムWindows3.1へのリブートするとPCはもとのDOS(MS-DOS6.2)を読み込んで元々PCに設定してあったCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATが実行されます.
Windows3.1を立ち上げた後プログラムマネージャーでWINSTART95のときと同じ環境変更の画面が現れるのでWindows95へのリブートができます.Windows95での環境変更をしないままで終了すると,次回もWindows95で立ち上がります.Windows3.1の場合も同じですが,終了後はDOS6.2のプロンプトになります.
3.JV−FAXやMSCANは問題なく動きますが,HIRESの場合はWindows95をインストールする前にHDDにHIRESのプログラムがあるとWindows95がうまくインストールすることができません.仮にWindows95がインストールできても,HIRESが動作しませんしランタイムエラーが出ます.
Windows95インストールする前に必ずHIRESのUNINSTALLを実行してFDに戻し,Windows95をインストールの後DOSプロンプト英語モードで再インストールする方が無難のようです.
このWINSTART95は定価5,800円(実売価格4,000円台)でエー・アイ・ソフトから発売されています.Windows95を憎むより,あまり苦労せずに心配することなくWindows95とWindows3.1を自由に使えるならやすい投資だと考えますが如何でしょうか.
de JH3FBY 北野
画像通信には大きく分けて二通りがあります.SSTVやFAXのアナログ通信とパケットに代表されるディジタル信号をやりとりするディジタル通信です.最近はどちらもパソコンが絡みますが,アナログ通信はパソコンがなくとも運用できます.
1・SSTV
ハム専用の電波形式で,20年以上前から主としてHF帯で海外通信を中心に発達してきました.最初の頃はP7という残光性のブラウン管を使って,部屋を暗くしてじっと息を詰めて画面を眺め,やっとおぼろげに画像が浮かび上がるという涙ぐましい努力で交信したものでした.
現在ではTVの画面と見まがうカラー画像が送受信できますし,機器も手のひらに乗るコンパクトなものまで現れました.伝送速度はモノクロのときは約8秒でしたが,カラーとなってからきれいな画像が求められるようになり時間が1分あまりのモードが盛んに使われています.
最近はSSTVもパソコンと一緒に使うのが一般的で,SSTV機器をパソコンで取り込んだ画像に文字入れなど処理して送ったり,また受信した画像をストックしたりしています.海外ではIBM−PCとその互換機に簡単な付加装置を取り付けるだけで本格的なSSTVが運用できるJV−FAXやMSCANなどが開発されて私たちもDOS/Vマシンでそれを使えるようになってきました.
2・FAX
1890年頃にそのころ使われていたドラム形式の商用ファクシミリが大量に中古市場に流れてきました.それをアマチュアが改造して気象ファクシミリJMHを受信したのがブームになり,またハムの規格に改造して14メガバンドを中心に盛んに交信しました.
しかし,伝送時間が3分以上と長く,その上モノクロだけで画像として面白味がないのでブームもわずか数年で終わってしまいました.SSTVとFAXの違いは図1の通り同期信号の周波数だけであとは送信時間の違いですからSSTVのシステムで受信ができるのです.
この利点を利用してSSTVで話したJV−FAXでは,その名の通り各種のFAXの受信や一部のモードだけですが送信もできるようになっています.そのひとつにフルカラーの画像送信が可能で,SSTV以上のきれいな画像を送信できるモードがあります.ただし現在では単独機器のFAXマシンの市販はなく,すべてパソコンで運用を行っています.
3・パケット通信の画像伝送
パケット通信はハムのディジタル通信の標準としてすっかり定着しました.一口にパケット通信といってもいろいろなモードがあります.基本はVHFやUHFのFMモードで,運用するスピードは1200bps(bit per second)です.しかし最近は高速の9600bpsでの運用が増えています.
パケットで画像伝送するには,送信する画像を制作してから近くのパケットBBSに打ち上げるのが普通です.転送型BBSだと地域を指定しておけば日本全国に送ることができます.
受信だけを楽しむときはパケット通信に使うターミナルソフトのほかに,画像を見るための画像表示ソフトが必要になります.HFのアンテナを上げることができない局にはおすすめできる画像通信です.
4・その他のディジタル通信
アマチュアのディジタル通信は,これ以外には衛星による高速通信があります.しかしこれを運用するにはかなり高度な技術と衛星追跡設備などが必要になり,初心者にはおすすめできません.
以上が主な画像通信です.この中でパソコンとわずかの投資で楽しめるのはやはりJV−FAXといえるでしょう.パソコンの種類がDOS/V機と限定されますが,付加装置の製作する楽しみと,ソフトを操る面白さがありますので次回にそれを紹介しましょう.