CQ ham radio掲載記事

2月号「ビジュコミ」

Windows95におけるトラブルについて
 JA9WMS山川さんのところにWindows95を使ったがソフトが動かないという問い合わせが多く届いているそうです.そこで同じ悩みをお持ちの局のためにその解決方法をお聞きしました.

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1)Windows95でDOSソフトを使うには

 DOS/VマシンによってはWindows95だけをインストールしたものがあるが,これはPC−DOS(Ver6.2以上)は入っていないのです.従来はPC−DOSをまずインストールしなければ立ち上がらなかったがWindows95では必要なくなったのです.ただし必要最小限のものは<Windows\command>に入っています.例えばmouse.comはWindows95には入っていないのでPC−DOSはVer7.0で終了したとも考えられます.

 Windows95(Windows3.1も同じ)はXMSメモリーを主体と考えており,DOSと違いEMSを殆ど使用しないように設定されています.例えばWindows95を立ち上げてからいったん終了してDOSプロンプトにし,英語モードからJV−FAXやMSCANを実行してください.

 メモリー不足で動かないまたはハングアップ,もしくは画面は出てもそれから先には進まないはずです.従ってDOSソフトを実行するためにはDOSの環境設定も必要なのです.Windows95はDOSソフトもWindows95で使うことしか考えていないのです.

 またWindows95のみしかインストールしていないDOS/Vマシンに上書きでPC−DOSをインストールすると,今度はDOS環境主体の設定になってしまいます.従って今まで通りにPC−DOSでソフトを使いたい方は,まずPC−DOSをインストールし,その次にWindows95をインストールします.人によっては正常に動き出すまでに4時間から3日もかかったということを聞いています.インストールの後は「Windows95起動中」の画面が出たらF8キーを押しその中のメニューで「Windows95インストール以前のDOS環境」を選択します.

 大量のFDDが普及するにつれてDOS/Vマシンの方は850MBや1.2GBをワンドライブ(Cドライブ)で使用されている方がおられますが,DOS/VマシンにはFDISKというコマンドがあり(PC−98にはない)HDDを区切って使用できるようになります.これは面倒ですが一度設定すれば後のバックアップは楽です.

 筆者は850MBをCドライブ700MB,Dドライブを150MBにしており,データはDドライブのみとなっております.最近はシステムがCD−ROMで供給されており,再インストールはFDに較べるとはるかに楽ですがデータは各自の責任になります.

 なおPC−98には最初にどのOSを使うかという案内があり,これはWindows95を使用しない人にとっては「ただジャマになるだけ」でした.

2)Windows95をオペレートするための最低のハードウエアとは

 Windows95もOS/2も32ビットOSでありますからハイエンドマシンに近いものに越したことはありませんが,だいたい486DX-100MHz以上と考えてよいでしょう.例としてはA君はPentiumー75MHz+メモリー8MBで,B君は486ー100MHz+メモリー16MBで同じソフトを実行したとすると,これはさほど変わらないようです.つまりメモリーマネージャーが改善されており,CPU負担をなるべく軽減し32ビット・ローカルバスの効果が出ているようです.

3)Windows95(基本OS)について

 MACを持っている方は何の抵抗もなく入れるでしょう.米国人いわく「これはMAC89だ」89年に発表したMAC−OSと似ているからです(アップルは昔,著作権侵害でマイクロソフトと争った経歴があり現在は和解している).パソコン業界はWINTELつまりMS+INTELそしてアップル+IBM+モトローラがスペクタクルショーを繰り広げております.

4)旧型のユーザーは

 すでに(今では)ローエンドDOS/Vマシンをお持ちの方は,マザーボード(Pentiumー100MHzつきでPCI+ISA)を交換すればHDD,メモリー,ケース,CD−ROMはそのまま使用できます.

 私の後輩は5万円の投資で486SXー33MHzのボードを交換してPentium-100MHzマシンに変身させました.マニアの方(SSTVerに多い)は少ない投資で済むこの方法に挑戦しては如何でしょうか.

                           JA9WMS 山川孝治

インターネット放送
 インターネットのビジュアル通信(?)にまた新しいメディアが出てきました.Xing Technolgy社が開発/販売をしているStreamWorksという動画+音声をリアルタイムでインターネット放送できるクライアント&サーバーシステムです.

 さしずめSSTVのインターネット版の音声同時伝送版といったところで,まるで普通のカラーTVを見ている感覚で音声も同時に伝送されます.またラジオチャンネルのFM放送なんかはCDクォリティーと同じの44KHzで,なんとステレオでリアルタイムで楽しめます.TVの方は米国で現在放送されている生の放送が見られます.クライアントは

http://www.xingtech.com/

にアクセスしてStreamworksを選択すればユーザー登録できますので,その後にすぐにダウンロードできます(Windows版とMacintosh版があります).

 米国内のTVやビデオやAM/FMラジオを数百チャンネルの放送が楽しめます(チャンネルとジャンルが滅茶苦茶たくさんあります).皆さんもぜひ試用されることをお勸めします.きっと驚かれることでしょう.

 日本で米国の生のTVをリアルタイムで見られるなんて凄いですよね.ちなみに14.4Kbps モデムでも楽しめるようになっているようですが,この速度ですと動画というよりも音声はほぼリアルタイムで聞こえますが画像は紙芝居になります.28.8Kbpsだと高速紙芝居かな?それでもなんとか実用になります,とっても面白いですよ.音声は途切れもなくリアルタイムで聞こえますし画像も同時にパラパラと高速に動画ですから・・・.

 本当にインターネットでは次々と新しい実験が行われていますので,当分は目を離すことができません.また新しいメディアを発見しましたらレポートしましょう.

                         JG3LKX/1 山西秀司

新画像通信入門 (2)
 最近仕事をリタイアした友人のボブの再開局を手伝うようになったチャリーは,パソコン購入の相談を持ちかけられました.そこでチャリーはマルチメディア・パコソンを指名し,まずカタログ集めをするように話しました.

 数日後,ボブは各社のカタログを手にいっぱい持って現れました.

(B:ボブ,C:チャリー)

B:マルチメディア・パソコンだけでもこんなにあるとは驚いたなあ
C:うん,各社とも何機種も出しているからな,それにちょっと言っておきたいことが
  あるんだ
B:なんだよそれー,やっぱりマルチメディア・パソコンでは駄目だというんじゃなかろうな
C:いやいや,そんなことはないんだけどノートパソコンも無視できないということだよ
B:ノートパソコンに乗り換えろというんと違うやろなあ
C:いや,そうじゃないけど最近のノートパソコンの性能も大幅に向上してディスクトップ
  とヒケを取らないものが出てきたからな
B:そうやなあ,何より場所をとらない点は魅力だし,それにジャマなときは片付けて
  おけるからな
C:そうなんだ,実は白状するけどいま俺のメイン・マシンはIBMの旧型のサブノート
  なんだ.これでインターネットを始めすべてのことをこなしているからな

 というわけで話はとんだ方向に進んでしまいましたがやっぱり同じ性能の比較になると未だノートパソコンが何割か高くなっています.しかしどうしても机の上を大きく占領したくない人やときどき場所を変えて使いたい人にはおすすめします.

 それにこれからはCD−ROMが必需品ですから,このドライブが内蔵のものや外付けも考える必要があります.では本題に戻りましょう.

C:やっぱり1代目のパソコンはスペースに余裕があるんやったら,ディスクトップだな.
  ディスプレーが大きいから見やすいし拡張も容易だし・・・
B:うん,そうするよ
C:各社のを比較するために一覧表を作ることだな.たいていカタログの最後に表が出て
  いると思うけど・・・
B:それは作っているよ.これ見て(表は省略)
C:う〜ん,さすが優秀な営業マンだっただけのことはあるな
B:アップル社のマッキントッシュというパソコンはどうなの
C:このマシンは初心者でもすごく使いやすいし画像やサウンドにも強いんだ.Windows
  が普及してもMACの人気は衰えないようだね.ただハム専用のソフトが少ないのが
  玉にキズというところかな
B:日本ではパソコンは98と言われているけど,やっぱりいまでもそうなの?
C:う〜ん,それがWindowsが普及してきて様子が変わったといってよいな.ソフトは
  フリーウェアも含めて圧倒的に多いけど残念ながらPC-98でWindowsのソフトでも
  海外のものは動かないことがあるんだな
B:とするといま人気になっているとかいったJV−FAXはPC−98では動かないの
C:そうだよな,これはWindowsのソフトじゃないんだけどIBM−PC/ATかその
  互換機でないと駄目なんだ
B:じゃ俺もDOS/Vで選ぶよ,そのかわりフリーソフトをコピーしてよ
C:他ならぬお前のことだ,最後まで面倒を見るよ.しかし自分でできるだけ頑張って
  苦労しないと身につかないからな
B:うんわかった
 ということでボブは早速各社の機能を比較して選定に入りました.これからはWindows95の時代ですから,これが快適に動作さすためには心臓部であるCPUはPentiumと決めてハードディスク(HDD)が500メガバイト以上のものを基準とします.

 これらの中から販売店の実売価格を調べて,できるだけ割安な機種を選ぶように指示しました.Pentiumも75MHzから133MHzまで数種ありますが,90MHz以上であればあまり大きな差がないようです.それよりもメモリーが多いほうが快適に動作します.

 また最近のマシンは付加装置やソフトもたくさんついているものも多いので,それも選択の対象にする必要があることも話しました.こうしてボブのパソコン購入作戦もどうやら的を絞って最後の行動を開始しました.


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