平成28年5月22日改訂 |
現在、前立腺がんはわが国で最も増加しているがんのひとつです。2015年には1990年の3.9倍の人が前立腺がんで死亡すると予測されています。乙訓医師会では基本健診と同時に、満55歳以上の男性の希望者に前立腺がん検診を実施しています。
前立腺がん検診について: 前立腺症状のチェック
乙訓地区にお住まいの55歳以上の男性の希望者に実施されます。特定健診の際に採血させていただいた血液で前立腺がんに一応特異的とされている腫瘍マ−カ-のPSA(CLIA法で検査)を測定します。
自己負担金として200円必要です。
前立腺癌と診断を受けられた方は受診できません。
前立腺がん検診の結果とその後の精密検査:
PSAの数値が4.1ng/mlより高い人は、泌尿器科医の精密検査が必要になります。当院では済生会京都府病院泌尿器科の北村部長に精密検査を紹介しています。
PSA値が高くなるほど、前立腺がんの発見率は高い。
4〜6 20% 6〜10 30% 10〜20 30〜40% 20以上 50%以上
平成28年度の前立腺がん検診の日程:(特定検診と同じ期間です) 平成28年7月4日(月)〜平成28年10月31日(月)
検診を受けることのできる方:乙訓地区にお住まいの満55歳以上の男性(年齢の算定は受診時の満年齢です。)
大山崎町のみ:集団検診の日程:7月23日(水)〜7月25日(金) 検診日当日55歳以上の男性町民 |
自己負担金:200円 次に該当する方は自己負担金が免除されます。 1:満70歳以上の方 2:満65歳〜満69歳で「後期高齢者医療被保険者証」を提示した方 3:生活保護世帯の方 生活保護受給者カ−ド 4:市民税非課税世帯の人 市町の発行する自己負担金免除カ−ド
前立腺癌の概況および治療について の リンク: 国立がんセンタ− |
次の文章は乙訓医師会編集『前立腺がん検診を受けられる方へ』を少し改作したものです。 |
前立腺がん検診の Q & A: Q1:前立腺という臓器は。 A1:前立腺は男性の膀胱の下側にあり、尿道を取り巻くようにある臓器で、精液の液体成分を作っています。 Q2:前立腺にはどのような病気がありますか。 A2:50歳を過ぎる頃から前立腺がんや良性の疾患である前立腺肥大症がみられるようになり、年を経るにつれて多くなります。その他、前立腺の炎症の前立腺炎などがあります。 Q3:前立腺がんはどのような人に多いのですか。 A3:親あるいは兄弟に前立腺がんの人がいると多いといわれています。食生活が欧米型(脂肪分の多い食事)の人、性生活の旺盛な人に多いといわれます。 Q4:どのような症状がありますか。 A4:がんや肥大症で前立腺が大きくなると
@:尿が出にくい感じになり、尿が細くなったり、尿意を感じてから尿が出始めるまでに時間がかかる
A:小便が近い。特に夜間に。
B:排尿後もスッキリせず、まだ尿が残っている感じなどの色々の症状があります。しかし症状だけで肥大症とがんを区別することは出来ません。Q5:前立腺がん検診はどのようにして行うのですか。
A5:1次検診(スクリ−ニング)は血液検査で行います。基本健診の際に採血した血液を使用します(同意者のみ)。血液の中の前立腺特異抗原PSAを測定します。
測定値が4.1ng/ml以上の人は泌尿器科専門医による2次検診(精密検査)を受けていただきます。小院では済生会京都府病院泌尿器科北村部長に紹介いたします。Q6:前立腺がん検診で前立腺がんが、すべて発見可能ですか。 A6:早期の前立腺がんは症状が無いこともしばしばです。検診を受けることによって早期にがんを発見することが出来ます。しかし、検診で100%発見することは困難です。質問A4のような症状がありましたら泌尿器科医に積極的に受診してください Q7:PSAが高いと必ず前立腺がんですか。 A7:前立腺がん以外の疾患、例えば前立腺肥大症、前立腺炎でもPSAが高くなることがあります。 Q8:精密検査はどのように行われるのですか。 A8:精密検査は保険診療になりますので、精密検査の受診には保険証をご用意ください。
@:前立腺の触診(肛門から)
A:超音波検査(肛門から超音波の棒を入れます)
これらの検査で疑いを持った場合は前立腺生検を行います。前立腺の数ケ所から細い針で前立腺の組織を採取し顕微鏡で検査します。Q9:生検には不安がありませんか。 A9:検査後に、時々血尿(尿に血が混じる)が出たり、発熱があることがあります。安静と薬ですぐにおさまります。 Q10:どれくらいの頻度で前立腺がんが見つかるのですか。 A10:PSAが4.1ng/ml以上の人の約10%、10.1ng/ml以上の人の約40%に前立腺がんが見つかっています。 Q11:前立腺がんの治療は。 A11:早期のがんであれば、ほぼ治すことが出来ます。また、進行がんであっても、手術・ホルモン療法・放射線治療により、がんの広がりをかなり抑えることが出来ます。
あなたの排尿障害の程度をチェックしてみましょう
1.から7.までの点数を合計してください。8点以上は要チェック。4点以上1つでも要チェック。 |
最 近 1 ヶ 月 間 で | まったくなし | 5回に1回未満 | 2回に1 回未満 |
2回に 1回 |
2回に1 回以上 |
殆ど常に | |
1 | 排尿後に尿がまだ残っている感じがありましたか。 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
2 | 排尿後2時間以内にもう一度行かねばならないことがありましたか。 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
3 | 排尿途中に尿が途切れることがありましたか。 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
4 | 排尿を我慢するのがつらいことがありましたか。 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
5 | 尿の勢いが弱いことがありましたか。 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
6 | 排尿開始時にいきむ必要がありましたか。 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
7 | 床に就いてから朝起きるまで普通何回排尿に起きましたか | 0回 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回以上 |
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
大変満足 | 満足 | 大体満足 | 満足・不満足の どちらでもない |
不満気味 | 不満 | 大変不満 | |
現在の排尿の状態が、今後一生続くとしたらどう感じますか | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |