シシリアと南イタリ−の旅
part1 シシリア島
平成11年 4月23日−5月2日  新日本トラベル
                 

平成11年4月23日新日本トラベルの旅行に参加。一行15名,成田を日本航空でミラノへ深夜到着。実に長い一日だった。翌4月24日アリタリア航空でシシリアのパレルモに飛ぶ。州都パレルモは9世紀のアラブ時代にロ−マ時代の州都シラク−サから州都が移されて以来、反映してきた都市であり、またアメリカ映画にも登場するシチリアマフィアでも有名。
  パレルモ郊外のモンレアレ大聖堂を見学。新約・旧約聖書の物語を側廊に,正面後陣円蓋には”聖なるキリスト”の素晴らしいモザイクが描かれている。モンレアレ大聖堂は12世紀後半グリエルモ2世の援助により建立されたものでシチリアに残るノルマン芸術の最高峰である。大聖堂に隣接するベネディクト修道院の回廊も素晴らしく228本の円柱や精巧な造りの柱頭も見事であった。予定していたパラティ−ナ礼拝堂は休館で入場できなかった。パラティナ礼拝堂も12世紀に建立され,素晴らしいモザイクがある。
  次いで,パレルモの西1時間のセジェスタにいく。BC3世紀前半ロ−マに征服されたエリモ族(トロイの落人の末裔とも)の町で小高い展望の良い丘の上に20段の観覧席をもつ立派な円形劇場がある。BC3,4世紀のものである。離れた場所にBC5世紀の未完のドリス式神殿が建っており,イタリアで最も保存状態が良い神殿の一つである。荒々しいアルカイックの太い円柱が印象的であった。神殿はロ−マによって完成を求められたが,未完の状態に放置したとのことである。二つの場所は離れており,小型のバスで送り迎えしてくれた。

  4月25日,昨夜は雨が降ったのか道路は濡れていた。午前中は曇り空のパレルモ旧市街の見学。
サン・ジョバンニ・デリ・エレミ−ティ教会は12世紀の建築で東洋風の赤いキュ−ポラがあり,教会内部は大変質素で,緑の濃い庭園を囲む2列円柱の回廊は特に印象的である。
 サンタ・マリア・デッサンミラ−リオ教会はちょうどミサが行われており,しばらく待って入った。身廊は宗教画のモザイクで飾られ,4層の鐘楼が傍に聳えている。
 プレトリア広場の噴水は修築のため板囲いされていた。旧市街の中心にあるクワットロ・クァンティは16世紀の交差点で,交差点を囲むバロック建築の4棟は丸く同心円形に切り取られ3階に分かれる各面には彫刻が置かれている。女の一生を表現した四季を寓意する彫刻噴水。溌剌とした娘を表現する春,老いていく疲れた表情の冬。
 パレルモ大聖堂は1184年の創建でモンレア−レの大聖堂より1年遅れである。たびたびの改築で種々の様式が混在した建築物で南面柱廊はカタロニア・ゴシック様式。右身廊の囲いにはエンリ−コ4世,フィェデリ−コ2世,コンスタンツァ王妃,ルッジェ−ロ王の墓がある。
  バス車中よりマッシモ劇場などをみて,午後より3時間くらい掛けてアグリジェントに行く。

                                              
モンレア−レベネディクト
修道院回廊
パレルモ大聖堂 サン・ジョバンニ・デリ
・エレミ−ティ教会
サンタ・マリア・デッサンミラ−
リオ教会内部のモザイク
クワットロ・クァンティ セジェスタ神殿
アグリジェントは低い台地の上に多くのギリシャ神殿が散在し,ア−モンドの木々が茂っていた。ア−モンドの収穫は2月頃でその頃にはア−モンド祭りが開かれる。BC5世紀の6柱のドリス式神殿のユノ−神殿を見学。かなり,崩壊していた。
  ついで,古代の城壁を眺めながら真直ぐに一直線に伸びた神殿の道を歩き,コンコルディア神殿にいく。重厚なド−リス式神殿でビザンティン時代に教会堂に転用されたため,完璧に形をとどめている。
  前面に6本,全体で34本の円柱が4段造りの基部の上に立っている。ヘラクレス神殿を道路から眺め,また建築の際の轍の跡をみてゼウス神殿に向かう。ゼウス神殿には,神殿を支えていた17mの男柱像テラモンの模型が横たえられていた。神殿は殆ど形をとどめず列柱が散在していた。
  
神殿の谷より街を望む コンコルディア神殿 ゼウス神殿のテラモン(複製)
アグリジェントよりA19をシラク−サへ一路走る。途中にはエンナやヴィラ・ロマ−ナで有名なピアッツア・アルメリ−ナがあるが,時間がなく省略された。シラク−サで宿泊の翌日はシラク−サとタオルミ−ナの観光を行った。

  シラク−サはシチリア島の東岸にある町で,南イタリアに点在するギリシャ植民地の中でも重要な都市である。
オルティ−ジャ島のあるドォ−モ広場にあるカテドラルは古代のドリス式神殿(BC5世紀)が7世紀ビザンチン時代にキススト教バジリカに転用されたものである。川の神アルフェウスに見初められたニンフのアレトゥ−サが、身を守るために泉に姿を変えたという神話のあるアレトゥ−サの泉は町の象徴で海岸の岩窟にあるのにもかかわらず真水が湧き出しており,パピルスが自生している。
  パピルスはエジプトに輸出しているとか。湧き水は透き通っていた。

  ついで,市北部にある考古学公園に行く。天国の石切り場,ギリシャ劇場,ロ−マの円形闘技場を見学する。天国の石切り場のディオニシオスの耳といわれる耳型をした縦長の洞窟は音響がこだまして神秘的であった。
  ギリシャ劇場は規模が大きく,客席も46段現在残っており縦割りに9つに分けられている。BC5世紀の建造。 ロ−マ円形闘技場はシチリア最大のものでBC1世紀の建造でロ−マのコロッセオに良く似ている。ギリシャ劇場の外では,果肉が血の色をしたタロッコというオレンジを生で絞っておじさんが売っていた。VCが多いそうで大変に美味であった(2500リラ)。
 シラク−サ観光後,,タオルミナへ。。
  
アレトゥ−サの泉 シラク−サのドゥ−モ ギリシャ劇場
ロ−マ円形闘技場 天国の石切り場 タロッコの生ジュ−ス

タオルミナは大型バスは乗り入れらないので,中腹にある大きな駐車場で小型バスに乗り換えてウンベルトU世広場へ。昼食後,70歳過ぎのコシモさんの案内でギリシャ劇場の観光とウンベルト通りの散策・ウインド−ショピングをおこなう。ヘレニズム時代に建てられた劇場はロ−マ時代に改造されている。この劇場からの眺めはすばらしく左手には美しいイオニア海が広がり,右手にはイタリア最大の活火山エトナ山(3260m)が眺望できる。竜舌蘭やサボッテンが自生している。残念ながら当日は見えなかったが,翌朝ホテルの専用の海岸から見ることが出来た。賑やかなウンベルト通りを,ウインドウショピングをして,映画グランブル−の舞台となったホテルでカプチ−ノ(6000リラ)を飲む。ホテルはRAMADA HOTELで立派なリソット型の部屋であった。
 翌日はメッシ−ナ港よりフエリ−(約25分)でイタリア本土に渡り,一路トゥルッリの街アルベロベッロに向かっ

 ギリシャ劇場よりエトナ山の方向   イノニア海に タオルミ−ナのギリシャ劇場
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