部屋に入ってきたのはファイン・ブロッケングリッツだった。ファインは護衛戦闘空母ボルデガのオペレーターである。

「もう・・・無茶しないでよ・・・バカッ。」

「ごめんな。まだまだだな俺も・・・。」

「大丈夫?サンウドフォースの出撃がもう少し遅かったら危なかったんだよ。」

 サウンドフォースとはFire Bomberが民間協力隊としてバロータ軍、特にプロトデビルン戦対策として結成された部隊である。音楽によってプロトデビルンを撃退する事を期待されている。

「ああ・・・。悔しいけど感謝してるよ。」

 ミレーヌの歌声を響かせている音楽プレイヤー見つめながら答えた。ミレーヌはBATTLE7艦長であるマクスミリアン・ジーナスとCITY7の市長であるミリア・ファリーナの娘である。マックスもミリアも元はエースパイロットであった。そして血筋なのかミレーヌのバルキリーの操縦技術は一般パイロットのそれより遙か上回っている。更にメインボーカルである熱気バサラの操縦技術はエース部隊のダイヤモンドフォースよりも上であるといわれていた。

 ムクイはファインの顔を見上げた。ムクイはファインに見つめられて今ここにいることを実感していた。

 

(キスをしてしまいそうだ・・・)

(手を握りしめたい・・・)