スペシャルインタビュー

河森正治さんにマクロスシリーズについてお話を聞かせてもらいました。

「MACROSS PLUS」 原作・総監督
「マクロス 7」 原作・スーパーバイザー
「マクロスダイナマイト7」 原作・スーパーバイザー


前回からの続きです。なお、インタビューした日は1998年9月24日です。
 次はゲームなんですが「デジタルミッションVF−X」なんですがVF−22がフルバリア という必殺技がありますが、あれは何ですか。ピンポイントバリアではないんですよね?

 う〜ん・・・何とも言いようがないよなぁ(笑)。ゲーム上の・・・技ですね(笑)。そこを言 われるとね、非常にゲーム上のと、言わざるを得ない・・・(笑)。

 ほとんど遊びなんですよね?

   だってゲーム用ってミサイル多すぎるもん(笑)。これは、リアルティ追求ゲームじゃなくて快 感追求ゲームです、って言い切っているのはその辺のせいであって・・・。

 その辺が気になる人もいるようですが・・・。

 いや、いると思います。が、あれは事実ではありません。ゲームです、とか言って(笑)。シュ ミレーターではないです。いや、シュミレーターとして言えば、快感シュミレーターって言い方してるわ けだね。その、快感をシュミレーションするんであって、リアルティをシュミレーションするフラ イトシュミレーターではなくて、快感そのもののシュミレーター、爽快感のシュミレーターである。

 あれが、デュアルショックバージョンで出たらおもしろいでしょうね。

 そう思う。で、今度の「VF−X2」はもっとそこが強調される。

 被弾したら思いっきり揺れるといいですよね。

 ね〜。いや、本当はだから筐体のでっかいので揺れながらやるのがやりたいんだけどね。

 フル画面でやってほしいですよね。

 そうそう。

 以前テレビで、別のゲームで回りながらやっていたのがあったので・・・。

 それに、実際ねぇ、その〜、アメリカ行ってエアコンバットの飛行機乗って空中戦とかやっ てきているんだけども、そうするともう、とにかく視界が全部ないかぎり空中なんか成立しな い、と。こういうビューでコクピットビューっていうのはさぁ、操縦は旅客機のゲームにはよ くても本来戦闘機のゲームにはならないなぁ。全画面ない限りね。そういうのがあったんで・・・。

 以前河森さんが雑誌の紙面で、いつかバルキリーのしっかりしたシミュレーターを作って みたいと おっしゃっていましたけど、それは今でもそう思っていらっしゃるですか。

 いや〜、機会があればねぇ。でも、大変だよな。筐体いくらかかるかだよなぁ。何しろ飛行 機だけじゃないからねぇ。

 私がいつも不思議に思っていることなのですが、バルキリーの機体のG制御には なにか特別の設定があるのでしょうか。

 あれはねぇ、あの〜、設定書いたんだけども、本にちゃんと載ったかどうかが怪しいのが、 基本的にはねぇ、シートにシステムが付いてる。あの〜、生体電流とかを、こう・・・、何 って言うのかな、Gスーツじゃないんだけども強制的に電磁波かけて血液を送り出すシステ ムがもともと付いてるって設定ね。それによって本来のGの3倍、4倍まで耐えるようにし ている。そういうやり方なんだよね。あと、フライトスーツにもツボ刺激装置(笑)が付い てる(笑)。

 僕はやっぱり飛行機としてバルキリーを見てて一番感動したのは、後ろから来る敵をガ ウォーク形態で敵をオーバーシュートさせて、輝が・・・。あの描写見たとき「おわ〜っ。」 。あんな衝撃加えたらまず機体が壊れる。

 一応、だから、設定上ではそういう形で。椅子が特殊です、みたいな・・・。物理的ってい うよりもねぇ、一応そういう「けいらく」やら、何やらまで考慮したシステムが付いてる、と。 後は、まぁ、きっとドリンクとしてねぇ、漢方薬でも飲んでる(笑)とかいろいろあるんだろ うな、そういう考え方だな。

 「VF−X2」はどの辺まで出来ていますか。

 はははっ、これは答えにくい(笑)。

 雑誌などでもあまり見ないのですが。

 答えにくい状態ですね(笑)。

 ゲームショーで見た限りではかなり・・・。

 いい線は行ってるんだけどなぁ。

 「PLUS」のイメージをメインにしているんですよね。

 そうそうそう。あすこまで行くんだけども、あの後のゲーム性がねぇ、難しくて。あの画面 をやりながら、ゲームとして成立させるのが、結構・・・。知恵を絞っている最中。

 やっぱり、かなりのハイスピードの戦闘ですか。

 そうそう。

 一対一ですか。

 一対一、一対多数、両方あるけどなぁ。でも、大変なんだわ。見て楽しいとこまではいけるん だけどもねぇ。操縦感覚とかがね、難しすぎて、今。なかなか、そこが突破できるかどうか、 次の課題だなぁ。

 発売の方はいつ頃になりますか。

 さぁ・・・(笑)。ノーコメントです(笑)。

「VF−X」がプレステ史上で一番延期されたと聞きましたが。

 そんなことはない。私が監修している「オ○○ブースト」っていうのがプレステが売り出す前 からやっている企画で、まだやっているから・・・SO○Yで。3回目の作り直しとか言ってる・・・。

 大丈夫ですかねぇ。

 いや、知らん、俺もう・・・(笑)。何で、あそこまで遅れるのか分かんないです。プレステ2 になったらどうしようとか、言ってたけどなぁ。

 「NINTENDO 64」でもマクロスのゲームが出るそうですが。

 「64」で出るとしたら、自分が直接かんでるやつではないよなぁ。

 「ROBOTEC」ですかねぇ。

 そう、「ROBOTEC」、アメリカで作ってるやつだよなぁ。

 全くかんでないんですか。

 ないない。もし、むこうのゲームショーで見たアレだとしたらやばいなぁ。 やばい出来ってやつ。何が「64」なんだろう、みたいなさぁ(笑)。「6. 4」かな、みたいなさぁ(笑)。

 パソコン用のゲーム(MACROSS SINCE 1983)が出るっ て聞いたんですけど。バルキリーが勢揃いしていて、VF−2SSやVF−19 も出てるそうですが。

 それも分からないなぁ。最近ねぇ、不穏な動きがあるけども分かんないんだぁ(笑)。 一応連絡くれっ言ってるんだけども・・・。

 1999年にビックウエストさんがイベントをやってもいいと言っていたのですが。

 ねぇ、やってみたいよねぇ。危険なイベントだよなぁ(笑)。

 どこかにクルージングでも行くんですか、(南アタリア島を)探しに(笑)。

 探しに(笑)。来年盛り上がるだろうねぇ、7月は(笑)。いろんなことで・・・(笑)。 あちこちで怪しいイベントが、きっと(笑)。

 それに紛れ込まして・・・。

  ねぇ。

 南アタリア島を探そうとか、日本にもそれらしい島があるとか・・・(笑)。

 やってもいいよねぇ。

 小笠原諸島の南の方とか・・・。

 なんかねぇ〜、落ちてきてもおかしくないよなぁ、この調子とか言って。

 ライブはないんですか。

 やりたいんだけどねぇ、ライブ採算とれないんでねぇ、なかなかさぁ。

 あれだけ人が入って採算とれないんですか。

 もう、やっぱ・・・・、お金かかるんだわ。それで、ちょうどその時期にビデオ出すとか、 映画やるとかというのにあわせてというライブは出来るんだけども、そうじゃないとなかな かねぇ、単体ではキツイ、と。 

 「ダイナマイト7」の完結記念のライブを期待していたのですが。

 ははは(笑)。ねぇ〜。なかなか・・・。それが、大変なんですよ。

 ライブの1回目は1500円でしたね。その後は上がっていきましたが。採算の方はとれたのですか。

 全然、全然。全然とれていない。どの値段にしても元は取れない。その値段で、 全員満員になろうが、立ち見が出ようが、とれない。その前提でやるしかない。

 それではなかなか出来ないですね。次の質問ですが、河森さんにとって歌とは何ですか。

 そ〜だなぁ・・・何だって言ったらいいんだろうなぁ。言葉で言うと難しいよねぇ。

 難しい質問ですけど・・・。 

 結構ねぇ、まだまだ追求したいテーマだねぇ。うん、まだまだ、やればやるほどやりたいことが 見つかってくる。マクロスでやるかどうか分かんないけどなぁ。

 ・・・そうですか。

 ははは(笑)。マクロスでもねぇ、まだやりたいネタはあるんだよねぇ。

 歌姫は絶対に結ばれないようにしているんですか。

 ははは(笑)。それで、結ばれちゃったらねぇ〜、とか言いながら言ってるだけで次 やるかもしんないけど。何もかもが恵まれてしまうと、やっぱりキャラクターとしてはちょっと・・・。

 それではミレーヌ・ジーナスと熱気バサラはくっつかないのですか。

 ねぇ〜、とか言って(笑)。そこはでも含みを残した方がいいでしょ。

 河森さんが作品を作る際に、歌を先に用意するんですか。

    ケースバイケース、うん。ただ、コンテ描くときには音楽とか歌ないと描きようがないんで。 ただ、どこの場合も平行作業になるケースが多いよね。だいたい、こういうのをお願いします、 という形で、もう時間がないから同時に制作始めててて、シナリオまではそのまま行っちゃって 絵コンテまでに間に合わせてもらうっていうケースが多いよね。

 歌う方を選ぶっていうか、この歌なら描けるという方を選んでるんでしょうか。

 スリルですよ、あがってくるまで。やっぱ最初に聞いたときの印象でコンテなんか全然変わっ ちゃうからさぁ、だいたいこういう絵を作ろう、とか言って全然違うの思いついちゃったから、 こっちにしようとかそういうケースのが多いよねぇ。それが楽しくてやってる所あるからさぁ。 何もかも予定通りになるってあんまり好きじゃないんで。

 ガンダムみたいに地球人対地球人みたいなのはないんですか。異星人対地球人ではなくて・・・。

 はいはいはい。やっぱねぇ、そうするとガンダムに似てきちゃうからねぇ。なるべく、 それは避けたいんだけどなぁ。全くないとは言い切れないんだけど、「VF−X2」なん かややそういう要素がないわけじゃないんだけども・・・うん。でも、政治を持ち込まな いっていうのがねぇ、ガンダムに似せないための基本方針だからさぁ(笑)。
 だからどうしても、マクロスは陸戦をメインにしないのと政治を持ち込まないのと、 その辺は一応気を付けてんだけどなぁ。

 空戦へのこだわりというのは。

 好きだったからね。で、やっぱ空中戦がまともに出来ているアニメがすごく少なかった というのが、ある種自分らにとってはやりやすい。何かに似てるとか言われずにすむ。

 今後のマクロスシリーズは。

 とりあえずは「VF−X2」をなんとか早く完成させねば、というのが1番だし・・・。 あと、いずれ、もし出来るんだったらデジタルバージョンはやってみたいよなぁ。ゲームで ここまで出来るようになってきているだけだから。手で描いてるのがしんどい、と板野さん 言い始めてるし(笑)。もう疲れたとか(笑)。動き考えるだけだったらねぇ、あとコンピ ュータが1枚1枚描いてくれればまだやれるなぁとか。

 本日はありがとうございました。


質問の募集をしたところ応募3件、採用0件でした。これでインタビューは終わりです。 何度も校正などをしてチェックはしていますが、意味の取り違えなどをしている可能性もあります。注意して下さい。

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