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前鬼天狗山・地蔵岳・涅槃岳・行仙岳・笠捨山 奈良県下北山村・十津川村


前鬼〜天狗山

笠捨山〜太古ノ辻

A笠捨山〜行仙岳〜涅槃岳〜地蔵岳〜天狗山〜太古ノ辻〜前鬼
日時 :2015年10月3日(土)〜4日(日) 天候:3日快晴・4日快晴 メンバー :Tサン・私
地理院地図 : 地理院地図上にGPSデータを表示 GPSデータ: Trackデータ  使用方法
今回の山行も先月の奥駈道「弥山〜仏生嶽」と同様、Tさんの提案によるもので、Tさんの事前の下見山行等入念な下調べのおかげで、笠捨山〜前鬼まで一気に縦走できた。

今回宿泊した持経宿小屋は行仙宿小屋・平治宿小屋と共に、”新宮山彦ぐるーぷ”が保守・管理されており、避難小屋とは思えない程に致せり尽くせりで、登山者に配慮された素晴らしい小屋だった。
毛布等寝具も充実しており、寝袋を持参せずに済み、荷物のコンパクト化も図れ、大いに助かった。

現地まで
自宅・広陵町3:45−−−高取4:40−−(R169)−−川上村−−(R169)−−上北山村−−(R169)−−下北山村・前鬼口−−−6:15前鬼林道ゲート前−−−下北山村・前鬼口−−(R169)−−下北山村・上池原−−(R425)−−7:13下北山村・行仙岳登山口
自宅←−(91q)−→前鬼口←−(8.5q)−→林道ゲート←−(8.5q)−→前鬼口←−(20.7q)−→行仙岳登山口
走行距離:約128.7km 所要時間:約3時間30分
今回は往復ではなく、一方通行の縦走のため車2台で出発し、1台を前鬼林道ゲート前にデポした後、もう一台で行仙岳登山口まで行く。前鬼林道ゲート前には5〜6台駐車可能だが、先着車はゼロ。一方行仙岳登山口では路肩に2〜3台のスペースがあるが、こちらも先着車はゼロ。今回のやり方だと1日目はまだしも、2日目は国道とはいえ、前鬼口〜行仙岳登山口まで車を回収するために、40km余分に山道を走らねばならず、疲れた体には少々辛いところか・・・。

登山コースとコースタイム
 
10/3 行仙岳登山口7:36---(48)---8:24奥駈道出合8:30---(17)---8:47行仙宿山小屋9:00---(75)---10:15笠捨山10:32---(64)---11:36行仙宿山小屋12:00--(26)---12:26行仙岳12:36---(74)---13:50倶利伽羅岳14:05---(34)---14:39転法輪岳14:48---(24)---15:02平治宿山小屋15:12---(56)---16:08持経宿山小屋(泊)
所要時間:約8時間42分 歩行時間:約7時間弱 距離:約13.9km 歩数:約28000歩
10/4 持経宿山小屋5:20---(28)---8:48阿須迦利岳6:03---(33)---6:36証誠無漏岳6:46---(32)---7:18涅槃岳7:34---(21)---7:55乾光門8:05--(35)---8:42滝川辻---(70)---10:46地蔵岳---(24)---11:10嫁越峠---(28)---11:38奥守岳11:52---(29)---12:21天狗岳12:32---(29)---13:03石楠花岳---(32)---13:35太古ノ辻(大日岳分岐往復24分)14:13---(37)---14:50二つ石14:58---(48)---15:46前鬼15:54---(24)---16:18林道ゲート
所要時間:約11時間 歩行時間:約7時間50分 距離:約13.7km 歩数:約26000歩

10/3-7:29
行仙岳登山口
車は路肩に駐車
8:01
NTT無線中継所があるため登山道は整備されている
8:45
笠捨山
行仙宿小屋手前の奥駈道から
8:48
行仙宿小屋
無人・トイレ有
水場まで10分
9:02
笠捨山に向かう
9:58
笠捨山へ最後の上り
10:15
笠捨山頂上
10:16
釈迦ヶ岳い向かって蛇行する大峰主稜(奥駈道)、右奥は大普賢岳、笠捨山から
12:28
転法輪岳(右)と倶利伽羅岳(左)、後方は釈迦ヶ岳と孔雀岳
行仙岳から
13:54
複数のピークを持つ八人山
倶利伽羅岳から
14:40
転法輪岳頂上
此処から尾根も緩やかになる
15:05
平治宿山小屋
無人・トイレ有
15:53
白谷池郷林道が右下に見えると持経宿小屋は近い
16:07
持経宿小屋
水場は右の林道を下る
16:09
持経宿小屋
無人・料金2千円以上
16:41
水場
小屋から400m程
10/4-5:49
阿須迦利岳で朝を迎える
6:36
涅槃岳
証誠無漏岳から
6:54
証誠無漏岳と涅槃岳の鞍部付近
7:01
笠捨山が遠くなる
7:19
涅槃岳頂上
7:37
地蔵岳
涅槃岳の下りより
7:52
トチ?の大木
涅槃岳の下りで
8:08
乾光門からP1317へ
8:28
P1317から滝川辻間の尾根
9:45
笠捨山方面を振り返って
地蔵岳の上りで
10:44
地蔵岳直下、最後の上り
10:55
天狗の稽古場
地蔵岳の頂上を過ぎて
11:05
奥守岳・天狗山を見上げる
地蔵岳の下りから
11:12
嫁越峠
後方は地蔵岳
11:40
奥守岳頂上
11:40
奥守岳頂上
11:59
天狗山
奥守岳の下りから
12:18
天狗山頂上まであと僅か
12:21
天狗山頂上
12:23
天狗山から奥守岳を振り返って
12:40
手前から奥へ、蘇莫岳・大日岳・釈迦ヶ岳・孔雀岳
天狗山の下りから
12:43
天狗山の下りから対岸の古田ノ森を望む
13:33
大日岳
太古ノ辻手前から
13:35
先月取替え新しくなった南奥駈道の看板
太古ノ辻
←地蔵岳手前から笠捨山方面の展望図 ←笠捨山から釈迦ヶ岳方面の展望図

行仙岳登山口〜笠捨山
 国道脇の鉄製階段から、NTTの巡視路を上がる。この道は行仙岳の無線中継所のための道であって、関係者以外の通行は禁止となっている。ただ登山届の箱が設置されていることを見ると、登山者の通行は黙認されているのだろう。
流石NTTの巡視路だけあって、急な箇所には立派な鉄製階段が取り付けられ、危険を感じることもなく歩き易い。標高差350m程を一気に上がり、行仙岳直下で奥駈道と合流する。
行仙岳は後程寄ることとし、まずは笠捨山を往復するため、行仙宿小屋へ向かうが、道はどんどん下っていく。
小屋で小休止の後、飲み物と行動食をサブザックに詰め替え、軽装備で笠捨山に向かう。小屋から一旦下った後、笠捨山への上りが始まるが、頂上までにはまだ2〜3のピークを超える。道は明瞭で紛らわしい箇所は特にない。P1246のピークを過ぎると笠捨山へ、最後の急な上りが待っている。
頂上は南北に展望が開け、北には大峰主稜(奥駈道)が複雑に蛇行して釈迦ヶ岳に延びている様子や、遥か遠くには大普賢岳の姿もある。今まで見たことの無い雄大な景色で、通常ならここでノンビリするところだが先は長い。早々に下山を開始・・・、行仙宿小屋で昼食とした。

行仙宿小屋〜持経宿小屋
 小屋から行仙岳への上りも、巡視路分岐まで来ると頂上まで後僅かだ。頂上には無線設備があるため、樹木は伐採され展望はすこぶる良い。これから向かう倶利伽羅岳〜転法輪岳の尾根が横たわり、その奥には釈迦・孔雀が・・・。
頂上から怒田宿跡までは短い間だがかなりの急斜面で、逆の場合はこの上りはきついだろう。その為か東斜面には巻道が通じている。怒田宿跡を過ぎると倶利伽羅岳手前まで大きなアップダウンは無い。急坂を上り詰めた倶利伽羅岳では北に視界が開け、釈迦ヶ岳から八人山の展望がある。尚このような大きな展望はここが最後だったように思う。
倶利伽羅岳の下りは急な岩場を下るが、もう一方のピークから急坂を下ることもでき、両者は下部で合流する。
転法輪岳から尾根は一段と緩やかになり、程なく平治宿小屋に着く。3つの小屋の中では一番小さいがトイレも有り、室内も綺麗に保たれている。奥駈道は両又分岐のピークで左に向きを変え更に緩やかに下っていく。右下に林道が見え、小さなお堂がある持経宿まで来ると、今日の宿持経宿小屋は目前だ。

この日の宿泊者は我々の他、吉野から縦走して来られた同年輩の男性お一人、合わせて3人。
※尚深夜0時前になり、吉野から24時間歩き通して来た単独の若い男性が小屋に立ち寄る。この男性は水の補給をした後、30分ほど仮眠しただけで再び熊野に向け、出発して行った。

持経宿小屋〜太古ノ辻
 今日は太古ノ辻まで極端なアップダウンは無いものの、名前の付いたピークだけでも10近く越えて行かなければならない。普段なら暗い内に歩き出すことはないのだが、早い内に出発準備ができたこともあり、ヘッドランプを点けて小屋を出る。今日最初のピークは阿須迦利岳、小屋から標高差200mの上りだが、おそらくこの上りが今日の中で一番の上りではないかと思う。中腹辺りで白み始め、頂上で日の出を迎えたが、残念なことに木々に遮られ朝日は見えない。
以降、証誠無漏岳・涅槃岳へ、更に乾光門から滝川辻へ、美しい森の中をアップダウンを繰り返す。滝川辻まで来ると尾根は随分開放出的となり、随所に展望が広がる。特に地蔵岳手前では南側に大きな展望があり、笠捨山まで延々と連なる大峰主稜(奥駈道)が一望できる処もあり、休憩するにも最適だ。我々も昼食には早かったが、ここで大休止をとった。

地蔵岳から嫁越峠に下った後、急な斜面を上り返すと奥守岳だ。ここまで来ると6月に来た天狗山までと僅か、色付いたシロヤシオが点在した尾根の美しさは格別だ。
また天狗山の下りでは大日・釈迦・孔雀がそして五百羅漢もクッキリと見えている。6月は釈迦ヶ岳方面の展望はガスのため見ることが出来なかった素晴らしい光景だ。
蘇莫岳は6月にピークを踏んでいたので今回はパスし、太古ノ辻へと下った。
尚、時間に若干余裕があったので、この40年間歩けていなかった、太古ノ辻〜大日岳の間を埋めるため、大日岳分岐まで往復した。

※今日太古ノ辻までに出会った人は、奥守岳〜天狗山間で前鬼から来られた二人の女性のみ、このお二人は今日持経宿小屋に泊まり、最終的には玉置山まで行かれるとのことだった。

@前鬼〜太古ノ辻〜天狗山〜太古ノ辻〜閼伽坂峠〜前鬼
日時 :2015年6月29日(月) 天候:晴れ→曇り(ガス)→薄曇り メンバー :単独
地理院地図 : 地理院地図上にGPSデータを表示 GPSデータ: Trackデータ  使用方法
大峰山系には何度も出かけているが、太古ノ辻から南は全く未知の領域、今日はじめて南奥駈に足を踏み入れる。
また前鬼も弥山から雨の中奥駈道を縦走し、暗くなった山道を前鬼に下山して以来40年振りとなる。

現地まで
自宅・広陵町4:22−−−大淀−−(R169)−−川上村−−(R169)−−上北山村−−(R169)−−下北山村・前鬼口−−−6:37前鬼林道ゲート前
走行距離:約98.4km 所要時間:2時間15分
前鬼林道はカーブが多いが全て舗装され、気になるような落石も少なく比較的走り易い。ただ路肩の所々に土砂が集められていることをみると、大雨があると度々土砂崩れを起しているのだろう。
国道169号線前鬼口から8km少々で、前鬼林道のゲートに到着、ゲート前は路肩が広く5〜6台は駐車可能。
出発時は私の車だけだったが、下山時は私の車の隣にワンボックス車が1台停まっていた。

登山コースとコースタイム
林道ゲート6:56---(30)---7:26前鬼---(74)---8:40二つ石8:46---(52)---9:38太古ノ辻9:46---(14)---10:00蘇莫岳--(23)---10:26石楠花岳10:38---(30)---11:08天狗山11:30---(60)---12:34太古ノ辻12:42---(37)---13:19二つ石---(1)---13:21閼伽坂尾根分岐---(64)---14:25閼伽坂峠---(23)---14:48前鬼14:04---(23)---15:27林道ゲート
所要時間:約8時間30分 歩行時間:約7時間10分 距離:約13.7km 歩数:約28000歩

6:40
前鬼林道ゲート前
この青空が何時まで続くか
7:24
前鬼小仲坊
今日は人影は全く無い
7:33
社寺の参道を思わせる
7:46
下部は沢に挟まれた緩やかな地形
8:12
傾斜がきつくなると木製階段が現れる、太古ノ辻直下まで断続的に設置されている
8:41
二つ石(33番靡)
此処からトラバース道に入る
9:13
枝沢に下る急階段、濡れると滑りそう
9:23
太古ノ辻が近くなる
9:39
太古ノ辻
蘇莫岳にはガスがかかる
10:00
蘇莫岳(32番靡)頂上、道は無い、それにしても古いお札が見当たらない
10:27
石楠花岳頂上
道は無い
10:30
天狗山(左端)
11:07
天狗山頂上
11:16
奥守岳に向かう奥駈道
11:36
釈迦ヶ岳は未だガスの中
天狗山の下りから
12:02
ガスが晴れた太尾
赤井谷を挟んで
12:07
日が射すと緑が一段と美しくなる、釈迦ヶ岳が顔を出す
12:32
大日岳
太古ノ辻手前から
13:22
閼伽坂尾根下降点
13:22
鎖が無ければ到底下れそうに無い
13:36
尾根上部は浮根が続く
13:54
尾根は全て美しい自然林
14:24
閼伽坂峠
右前鬼、左三重ノ滝
14:48
建物の裏に出たが、手前左を下るのが良いかも

前鬼〜太古ノ辻  
 奥駈道は前鬼小仲坊の宿泊所前から始まる。かつての宿坊跡までは石畳で社寺の参道を思わせるが、ここを過ぎるといよいよ本格的な山道へと変わる。標高1000m辺りまでは谷は広く、傾斜も緩やかだ。周囲は美しい森で、道が不鮮明な所も有るが、要所にはテープも有り、また侵入してはいけない箇所にはロープも張られ、迷うようなことはなかった。途中水の流れの無い谷(有っても僅か)を2〜3本渡る。ただ雨が降り続き増水した場合の渡渉は・・・、ちょっと気になるところだ。
谷も狭まり傾斜も増すと木製階段が現れる。この階段は太古ノ辻直下まで断続的に設置されている。
最初の階段から30分弱で靡(行場)のひとつである二つ石に到着、此処で最初の休憩をとる。なお尚閼伽坂尾根分岐はこの二つ石の直ぐ下にある。 この二つ石から大日沢?の間は急斜面をトラバースしていくが、若干足場の悪い所もあるが、特に危険を感じることは無かった。道は大日沢?は渡らず、谷右岸の斜面を上がって行く。大峰らしい綺麗な笹原が現れると、太古ノ辻は近い。

太古ノ辻〜天狗山
 太古の辻から南へ緩やかに笹原の中を上がって行く。最初のピークは蘇莫岳で32番靡にもなっているが明瞭な道は無く、笹を踏み付けた跡がある程度、とは言ってもピークまでは登山道から目と鼻の先だ。晴れていれば釈迦ヶ岳方面の展望が得られる筈だ。
石楠花岳との鞍部は開けた美しい草地で、まるで自然の庭園の中を歩いているようだ。
次のピーク(P1472)石楠花岳も登山道から外れているが、ピークの前後どちらからでも容易にピークに上がれる。ここは東に展望が開け、黒谷ノ頭に向け尾根が延びているのが良くわかる。
天狗山へは大きな起伏は無いが中間付近で、石楠花が群生した尾根を通過する。顕著なピークはないが、此処を石楠花岳とする記録もあり。此処を抜けると再び明るく開けた尾根となり、小ピークを越え軽く上り返すと天狗山に着く。
閼伽坂尾根〜前鬼
 閼伽坂尾根は、尾根下降点の崖並みの急斜面の下りで始まる(※)。鎖とロープが無ければ、下るのは躊躇するだろう。ただ此処さえクリアすれば、後は危険箇所は全く無く歩き易い自然林の尾根で、目印のテープ多くあり迷うような所もない。
※崖並みの急斜面下から谷を隔てた奥駈道に、トラバースしている踏み後が見て取れた。
閼伽坂峠で前鬼から三重滝に通じる山道に合流する。後は山襞に沿ってクネクネしたトラーバース道を辿り前鬼に出る。

その他・見所・関連山行
釈迦ヶ岳・孔雀岳・大日岳の記録

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