サンパイオ選手とご両親 as of 1998/06/14
昨日のIPCでW杯初戦でゴールを上げたサンパイオ選手(もちろん現在はフランスに滞在)とサンパウロのサンパイオ選手のご両親が衛星TV中継で話している場面が出ました。
お父さんはよほどうれしかったらしく、最初の一言二言で泣いてしまってそのあともずっとハンカチを手離しませんでした。サンパイオ選手が、「ひさしぶりに顔を合わせられたのだから、そんなに泣かないで」といっていたのが印象的でした。
ブラジルではサンパイオ選手はPKもとられたけれど点もとり、上がり気味のボランチとして1戦目は評価が高かったようです。もっとも、セレソン全体の評価はあまり高くなく、私の知り合いのブラジレイロ達は、「個人はうまいけど、まとまりがない。4年前のような一体感が感じられない」という意見が大勢を占めました。
お母さんはサンパイオ選手が85年に母あてに書いた手紙を出して、「この手紙を覚えているかい」とひとしきり思い出話をしていました。何でもサンパウロの自宅では一族郎党、ご近所総動員で応援していたようです。
とても暖かそうなご両親でした。
清水に2−3で敗北 as of 1998/06/7
6月6日(土)に三ッ沢で行われたナビスコ杯予選第5節、対清水戦は2−3で敗北しました。
まず三ッ沢に着いて清水サポーターの多さにびっくり。開場時の列の長さは1:3くらいで清水の方が長い状態。すでに予選突破している清水と、予選落ちが決まっているフリエとの差だといってしまえばそれまでですが、ホームとしてはやはり寂しいです。入場時に飲むゼリーを配っていましたが、キックオフ前にはヒロ君のお腹の中に収まってしまいました(どんな味だったのかもわからなかった。今度買ってみようかな?)。
前半の2失点はいずれもDFがマークしきれず、GKと1対1になって決められたもの。早い清水FWにかき回されての失点でした。なかなか守備陣が安定せず、攻め込まれている時間帯が多かったです。逆に得点は瀬戸。正直いって逆サイドでよくわからないうちに得点になっていました。
後半開始早々に失点。結果これが決勝点になるのですが、ちょっとしたミスからの失点だったようです。後半25分頃だと思いますが、吉田を投入。これで流れが変わります。今日の見所は、この後の20分間に集約されると思います。
正直試合結果から見て良い試合とは言えなかったと思いますが、若手の選手が清水相手にこれだけがんばれたことは高く評価していいと思います。今日の敗戦でいかに多くの事が学べたか、それが大切なことだと思います。若手選手の皆さんの動きを見ていると、後半徐々に落ち着きを取り戻して相手にうまく対応して、さらに攻撃の起点になるようなパスも見られるなど、今後充分やっていけるだけのパフォーマンスはあると確信しました。あと足りないものはなにか。それが補われた時には、フリエは恐るべきチームへと変貌していることでしょう(ちょっと大袈裟か?)。
さて、続いてスタメンを見てまたびっくり。三浦アツが警告累積で出られないのは知っていたのですが、人知れず前田さん、原田さんもためていたのか出場せず、おまけにフットレも?いないという状態。かわりに瀬戸、波戸、井上、手島が入ります。キャプテンマークは薩川選手がつけていました。
ポジションはたぶんこんな感じ。
一樹 イゴール 波戸
永井
アンデルソン 瀬戸
遠藤
井上 手島 薩川
佐藤
一時期のように中盤および守備ラインでのパスミスが多く、フラストレーションがたまります。特に守備ラインでのパスミスは即失点につながるので、見ている方はヒヤヒヤでした。3−4−3というフォーメーションには一応なっていますが、アンデルソンと瀬戸は随分下がり気味でプレーしていたため、事実上イゴールの1TOPになっていました。このため、前線に球が出ても攻撃にバリエーションは少なく、かといってイゴールが俊足ドリブラーでもないので、つぶされて終わるというパターンが続きます。結構イゴール怒っていました(特に後半)。自分の思ったところにボールが来ないのでイライラしているのでしょうか。
吉田は点を取るために入れられたのでしょうから、かなり高めのポジションなっていました。サイドにボールが出ると、えぐってセンタリング。あるいは真ん中(イゴール)にはたいて自分もエリア内に浸入するといったバリエーションが出てきます。吉田の得点もそんな中から生まれています。
1点差に詰め寄ってからも、攻撃は続行されますが、なかなか清水ゴール前でいい形になりません。結局このままタイムアップして、敗北しました。
フロンターレに0−1で辛勝 as of 1998/06/4
霧のような雨の中、等々力陸上競技場で行われた対川崎フロンターレ戦ですが、三浦のFKでの1点で辛くも勝利しました。
立ち上がりから右サイドを使っての攻撃を仕掛けるフリエですが、川崎DFの早いつぶしにあいなかなか思うような展開に持ち込めません。逆に川崎の攻撃はFWバルディネイにサイドから合わせる形が多く、たびたびピンチになります。GK佐藤の片足で防ぐファインプレーなどがあり、またフィニッシュが不正確(枠に飛ばない)などで失点こそしないものの、全体的に押され気味で試合が進みます。
試合内容的にはほぼフロンターレペースだったと思います。しかしフィニッシュの精度(とその前のプレーでのDFの寄りなど)の問題で失点に至らなかったというのが本当だと思います。DFは裏をとられることもあったものの、3バックとしては安定していたとみていいでしょう。問題はFW陣。3枚のFWがそれぞれいい形で持ち込むものの得点に結びつかないというのは、何が足らないのでしょうか?イゴールもなかなかうまいのですが、シュートまではもっていけません。フットレも疲れがたまっているのか一時期の切れはないように見えました。永井のゴールが決まりださないとこのトンネルは抜けられないのかも知れませんね。
雨の平日で、3千人の入場と少ない観客ながらも、フロンターレサポーターの気合いは充分。少ないながらも声がよく聞こえていました。一方フリエファンも、これまた少ないながらも徹底して応援を繰り広げます。フリエにとっては消化試合の感は拭えませんが、1戦1戦にかける気持ちは変わりません。
前半の唯一の見所は、右から切れ込んだ一樹がエリア内で「豪快に」倒され、PKを得ます。これをフットレが蹴ったのですが、GKはフェイントで外すものの球を浮かせてしまいバーに。おしい得点機を逃しました。
ここ数試合、今までの実質3−5−2を徐々に監督の目指す3−4−3にしようという意図が見えるのですが、その分DFへの負担が増え、裏をとられる場面も。また選手個々人の調子もあまり良くないように見えるなど不安いっぱいで後半を迎えます。
後半も攻めに転ずるものの、シュートまで持っていけません。そのぶん川崎のDFはいい守備をしていたのだと思います。全体的には川崎ペースなのでしょうが、相変わらずシュートの精度が低いのと、フリエDF陣の早いつぶしで失点にはなりません。
この膠着状態を破ったのは三浦でした。アンデルソンがゴール前で得たFKは、川崎の壁の上を越えてゴール左上隅に決まります。きれいなゴールでした。三浦がFKを決めたあとのガッツポーズがよかったですね。本当にうれしそうでした。
この1点で弾みをつけたフリエですが、再三攻め込むものの追加点を奪うには至らず、結局0−1で勝利しました。