永遙の花嫁

序章


 

 

 

 

 神話の時代。
 人は男女ひとつであったという。
 しかし神はそれを二つに分けた。
 何を思って二つに分けたのかはわからない。
 一つは男。
 一つは女。
 分かたれた男と女はそれぞれ一人の人となる。
 別々の意志を持ち、別々の道を歩む。
 けれど、分かたれた人は各々が半身にすぎない。
 だから人は元は一つであったその片割れを求め合うという。
 人には必ず求むべき一人がいる。 
 人は誰しも半身を探し求める。
 目には見えない絆を求め、わずかなひとかけらを探し出す。
 そうして、ただ一人の人に巡り逢う。

 

 

◇ ◇ ◇

  

 

 私がこの世界に来たのは何故なんだろう。

 白龍に神子として選ばれたから?
 
 いいえ、それはきっかけにすぎないだろう。
 
 私がこの世界に来た意味。

 それはきっとあの人に出逢うため。

 何にも代える事の出来ないたった一人のかけがえのない人に出逢うため。

 そのために私はここに来たのだ。

 あの人こそが私が知らず求めていた人。

 心に感じた直感は、『やっと出逢えたのだ』と教えてくれた。
 
 私は選んだ。

 この先どんなことが起ころうとも、彼を信じ、そして自分の気持ちを信じる。
 
 誰かに決められた訳ではなく、私が、私自身が選んだのだから。

 彼が、私にとっての、唯一の人。



 

                                    第一話 

 


<こぼれ話>

 ただ一人の人にあなたは出逢いましたか?

 

    

   

  

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