2.入門の応用
では首を上に向けてみよう 3消点透視図
部屋の中で首を上に向けてみよう。そうだもう1セットの柱などの鉛直線の平行線があったのだ。普段は首は真っ直ぐに鉛直線に垂直に向かっていたので気がつきにくいのであるが、ビルを見上げたり、ヘリから見下ろしたりすると第三の消点が見えてくる。
鉛直線の消点は目が向かっている方向の上(下)にあるが、その水平線からの距離はどの程度強調するかで適当に決めてよいだろう。普段目にしないのでわりに人はこの消点の位置には鈍感なようである。これも見る位置と目の向かう方向で決まる。
段ボール箱を見下ろしてデッサンするときも僅かに下のほうを絞って下に消点を作るともっともらしくなる。
●思い切って反対側に消点を  逆遠近法
斜めの線の消点は
陸橋の階段やケーブルカーの駅の消点はどうなるか。景色と紙を90度傾けて考えれば同じことであろうが検討省略。もっともらしい消点位置を探そう。
上り坂と下り坂  あ、そうだったのねー
水平距離の分割
透視図で描いた建物の壁の水平距離をいくつかに等分割するのにどうすればよいだろう。
パルテノンの神殿の柱や電柱は遠くに行けば間隔がつまって見えるが具体的にはどうするか。
水平線が作る建物の消点より坂道の作る消点が上にあると上り坂になる。消点が離れるほど急な坂と言うことになる。
逆に下にあると下り坂である。このへんの原理は上の陸橋と同じなわけで。
透視図法で描いた壁が台形を作るが、2つに割る時は壁の対角線の交点で区切ればよい。(上) 更に半分の四辺形の対角線の交点をもとめれば4つに割ることができる。(下)
ということで2の倍数に割る時はこの方法でいける。
奇数に割る時は、壁の縦の線をN等分し、それぞれ消点と結ぶ。そして対角線とその線との交点が求める点である。
しかしスケッチの時にこんなバカなことをする必要もない。1度定規を使っていくつか書いてみて感じを掴んでおく程度でよいだろう。
屋根の勾配はどうなっているだろう  水平距離の分割の応用1


切妻屋根をスケッチする時、屋根の勾配は向こう側のほうが急に見える。それは上の水平距離の2分割で分かるとおり、向こう側半分が狭く見えるから、棟が真中にあるので向こうの屋根の勾配が急に見えるのである。
とはいっても、消点を求めるヒントとして・・・
陸橋の桁が建物と平行な場合、消点は当然同一となるが、斜めの階段の線が作る消点はこの消点の鉛直線上にくる。でないと捻じ曲がった陸橋にみえしまう。このへんはちょっと気にかけておくだけでいいだろう。
とんでもない絵のはずだが、意外と違和感がないのも不思議。
丸いプールはどうなっているだろう  水平距離の分割の応用2
おけや皿とか丸いプールをを見下ろした時、楕円で書いてしまってはちょっとまずいようだ。
その円がおさまる正方形の透視図を描き、対角線を2本描いて交点と2消点を結ぶ線を引く。
その線と4角形との交点が透視図の円の最も広いところになる。それはいずれも消点のほうによっていることが分かると思う。
スケッチの際は円の最も広いところをすこし向こう側(消点側)によせて、手前側をふくらませて描くともっともらしくなる。
3.入門の蛇足へ