念仏寺陀々堂の鬼走り
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新年に幸運をもたらす「善鬼」の火祭り・・・五條市大津町
陀々堂鬼走り
(クライマックス。いかにも善鬼という表情)

寒い日であった。
しかし今年こそ行かなくてはと頑張った。なぜならこれまでは平日だったが2012年は土曜日にこの行事が行われるからである。
2011年からずっと風邪気味で、あまり体調はよくなかったがとにかく走った。決断が遅かったので、餅まきに間に合うか走りながらやきもきしながら走った。

指定の臨時駐車場があったが、そこから念仏寺までは結構遠く、太鼓や法螺貝の音が聞こえてくるので、その距離がやたら遠く感じた。
4時頃に寺について、近くにいた人に、餅まきはいつからと聞くと4時半からと言うことで、何とか餅まきには間に合った。 

陀々堂鬼走り
(すでにたくさんの人が・・・)
陀々堂鬼走り 陀々堂鬼走り
(プレお目見え)
陀々堂鬼走り
(たいまつを持って何回か現れる。赤鬼)
陀々堂鬼走り
(そして青鬼。たいまつは60kg)

餅まきは4時半きっかりに始まった。皆の拾う姿を撮ろうと思っていたのだが、餅が頭に当たったり、目の前をころころ通り過ぎるともう写真はどうでもよくなり、拾いにかかった。
結構拾うことが出来て、上着のポケットがいっぱいになった。餅に番号が書いてあり、洗剤が当たった。

餅まきが終わるとしばらく時間が空く。

その間近くの人は自宅に帰って食事をしたり、カメラマンは写真を撮る態勢作りなどが出来る。私たちは車を移動させ、車の中で弁当を食べた。寺に戻って待つ間は長く、かなり寒かった。

陀々堂鬼走り
(餅まきを待つ人々)
陀々堂鬼走り
(暖を取るスタッフの人たち)
陀々堂鬼走り
陀々堂鬼走り 陀々堂鬼走り 陀々堂鬼走り

陀々堂の鬼走り

この念仏寺陀々堂の鬼走りは、鬼というと退治される悪役スターのイメージが強いが、ここに登場する鬼は、善い鬼なのである。
そう言われてみると表情が穏やかである。
室町時代から500年以上も続いており、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
毎年、1月14日の修正会結願(五穀豊穣、厄除祈願)として、過去の罪を悔い、穢れを払い、新しい年の幸福を祈るものである。
この日は、午後1時から5人の僧による大般若経転読があり、午後4時からは、火をつけずに昼の鬼走りがある。
4時半から福餅まきがあり、7時から護摩供があり和尚さんの読経が始まる。
7時半から柴灯護摩供が境内左で行われる。その間「阿弥陀さんの肩叩き」を一般に人にもやらせてくれる。
そして9時からたいまつに点火しての鬼走りが始まる。
 
陀々堂の鬼走り
(三匹揃い踏み)
陀々堂の鬼走り
(「阿弥陀さんの肩叩き」)
陀々堂の鬼走り
 陀々堂の鬼走り
(護摩はよく燃えた)
 陀々堂の鬼走り
(カメラマンがたくさんいてもう入る余地がない)
 陀々堂の鬼走り
(護摩の煙が堂内に漂い幽玄な雰囲気になる)
陀々堂の鬼走り
(炎が空高く舞い上がった)
陀々堂の鬼走り
(クライマックスは3匹の鬼の揃い踏み。かなりの迫力であった)

夜の鬼走りは、鉦が鳴り、火天(かって)による行が始まる。
えび茶色の法被を着た火天は、お堂の前に立つと燃えさかる松明を持ち抱えながら「水」の字を書くように振り回し、水天役(かわせ)は、桶の水を笹竹で掬い、火天にかけて火を払ったり、床に落ちた火の粉を消してゆく。
松葉をいぶした煙が堂内に立ちこめると、いよいよ松明に点火される。
最初の松明が佐役に担がれ、先頭に立つ父鬼(赤)とともに1の戸口に登場する。
燃えさかる火は、見ている側も火事にならないかと心配するくらい勢いがいい。
参拝者に向かって三鬼が並ぶクライマックスは、見応えがある。

三鬼がお堂を3周すると横出口から境内の水天井戸にお礼参りをし、燃えさかった松明を水の中に沈めて消す。これで終わるかと思ったら、松明を持ったまま境内を飛び出しぐるりと回ってきた。
あれよあれよという感じだったので、写真を撮る間がなかった。
鬼は体に紙縒をつけているが、この紙縒を手に入れると禍除けになるという。
鬼の持つ松明は、長さ1.2m、直径70p、重さは60kgあるという。

はじめて見たが、素朴だが激しいパフォーマンスもあり、
「阿弥陀さんの肩叩き」のパタンパタンという大きな音は、イベントのムードを盛り上げてくれる。
500年以上続いた理由がわかる。境内でのマイクによる説明も、この行事が歴史あることを強調していた。


ただ、カメラマンに対し、いろいろ考えさせられるところが多かった。
行事が始まる前に、主催者が、「後の人が見えませんので脚立に載るのはやめてください」と何度も言っていたが、聞き入れる人が少なく、後のカメラマンが怒って注意すると渋々降りた人が多かった。
少し残念である。
また一般の人にもそれはいえる。私は3脚を持っていなかったので,ブレを防ごうと松の木の枝に場所をとっていたが、そのカメラを構えている木に子供をよじ登らせ、カメラを構えることすらできなくされた。
結局その木から追い出されたが、子供は昇るとき、僕のカメラを蹴ったのだが子供も親も謝罪の一つもなく木をよじ登った。
と文句はいいつつ、やっと見ることが出来た陀々堂の鬼走り、いい行事でした。

カメラ:ニコンD90、ニコンD40x、ソニーサイバーショットDSC-HX100V
レンズ:タムロン18−200mm、タムロン17−35mm、ニコン18−55mm、ニコン70-300mm

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