標高62mの人工の山

札幌市の「モエレ沼公園」で、最後の工事となっていた、上の写真の高さ50m(標高62m)の「モエレ山(Moere Mountain)」と巨大噴水の「海の噴水(Sea Fountain)」が完成したため、2005年7月1日に盛大な完成イベントが開かれました。

不燃ゴミの最終処理場、「モエレ処理場」の利用開始(1990年の処理場の閉鎖までに270万トンのゴミが搬入されました)と平行して跡地利用のための公園としての造成工事が始まったのが1982年でした。その後、1988年6月に公園のグランドデザインを、日系アメリカ人の世界的彫刻家イサム・ノグチに依頼することが決まりました。イサム・ノグチは1988年の12月30日に死去したため、この公園は同氏の遺作となりました。イサム・ノグチのマスター・プランに基づく公園の造成作業が始まったのは、1989年でした。そのため、完成までに16年かかったことになります。公園の面積は189ヘクタールと巨大です。最初の3枚の写真はイベント当日の早朝に写したもので、人影がまばらですが、昼間はけっこうにぎわっていました。下の写真はもう一つの山、「プレイマウンテン(Play Mountain)」から「モエレ山」を写したものです。

下の写真は、「モエレ山」から「ガラスのピラミッド(HIDAMARI)」方向を見たものです。ガラスのピラミッドはビジターセンターのような役割を持っていて、中には、ミュージアム・ショップやレストランがあります。

下がモエレ山の山頂からの眺めです。中央に「プレイマウンテン」、その左のピラミッドのような部分が「テトラマウンド(Tetra Mound)」、右手のドーナツ型の林の中央にあるのが「海の噴水」です。

テトラマウンドを近くから写しました。

モエレ山山頂から、札幌市の中心街を見たところです。

完成記念イベントは、「海の噴水」の横で行われ、その後「海の噴水」の通水式も行われました。式典には、イサム・ノグチが晩年の活動拠点にしていた牟礼町で、20年余、制作パートナーとして共に創造の道を歩んできた石彫家・和泉正敏さんや、世界中のイサム・ノグチの作品を撮影して写真集「イサム・ノグチの世界」を出版された綿引幸造さんも参加されていました。下が通水式の様子です。私がこれまで知っていたどの噴水よりも巨大かつ複雑で、いろいろな動きをするため、40分間の噴水ショーもけっこう楽しめました。当日は大変な人出で、私が会場に着いたときには、すでに噴水の周りにはぎっしり人が立っていて、下の写真も、5列目くらいから、カメラを差し上げて写したものです。



総工費は700億円程度と発表されていると思いますが、これから毎年の維持費が大変なのではないかと心配させられる施設でした(2005年8月28日)

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