2004.2.29 タイロッド V型
タイロッド企画も早いもので、シリーズ3作目を迎えました。
T型:SUSタイロッド、U型:二本と作れない特殊品、そして今回のV型。
って、実はU型はまだオフ走行してないんですけど。(^^;
V型は、基本の作り方はU型を踏襲し素材を汎用材料としました。
【強度検討】
今回は、もう少し踏み込んで計算をしてみました。
タイロッドは両持ち梁であると考え、中央に集中荷重が掛かった時に曲がりやすい。
中央に掛かる集中荷重をF、タイロッドの全長をLとすると、曲げモーメントMは下図の式で求められる。
これをF=の式に直すと、
F=2・M/(L/2)
また、曲げモーメントMは、
M=σ・Z
σ:降伏応力
Z:断面係数
これらから、これまでのタイロッドの強度を計算してみると下表のようになりました。
単位 | ノーマル | T型 | U型 | V型 | |||
管外径 | mm | 21.7 | 21.7 | 21.7 | 21.7 | 23.5 | 25.4 |
管肉厚 | mm | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 2.8 | 3.7 | 6.0 |
管内径 | mm | 14.3 | 14.3 | 14.3 | 16.1 | 16.1 | 13.4 |
管全長 | mm | 880.0 | 880.0 | 880.0 | 880.0 | 880.0 | 880.0 |
断面係数 | mm3 | 814.0 | 814.0 | 814.0 | 699.2 | 993.4 | 1484.2 |
降伏応力 | N/mm2 | 215* | 305* | 380* | 205 | 215 | 215 |
曲げモーメント | N・mm | 175009.3 | 248269.0 | 309318.7 | 143336.3 | 213581.9 | 319098.0 |
曲げ強度@ | N | 795.5 | 1128.5 | 1406.0 | 651.5 | 970.8 | 1450.4 |
曲げ強度A | kgf | 81 | 115 | 143 | 66 | 99 | 148 |
*ノーマルタイロッドは素材の強度が不明なため、考えられそうな降伏応力を3つほど考えた数値を代入。
この式が正しければ、T型は両端支持し中央に大人一人がぶら下がったら曲がるということになります。
が、そんなことはないと思うので、計算のどこかに間違いがあるのでしょう。(^^;;
とにかく、V型は外径がφ25.4mmで肉厚6.0mmとかなりの強度で出来ていると思われます。
U型のときに検討した、素材の降伏応力は無視した断面係数比較で見ると、
トラックロッド | ノーマル | T型 | U型 | V型 | |
外径[mm] | 25.4 | 21.7 | 21.7 | 23.5 | 25.4 |
内径[mm] | − | 14.3 | 16.1 | 16.0 | 13.4 |
断面係数[mm3] | 1608.8 | 814.0 | 699.2 | 1000.3 | 1484.2 |
トラックロッド比 | − | 50.6% | 43.5% | 62.2% | 92.3% |
ノーマルタイロッド比 | − | − | 85.9% | 122.9% | 182.3% |
トラックロッドの92%、ノーマルタイロッドの182%と、数値遊びでしかありませんが、なんとなく私が理想と考える数値になりました。(^^)
左はノーマル、中央がV型の素材となるパイプ、左は並行検討したが没となったパイプ。
ドリルで下穴加工し、端面切削したあと、タップを立てます。
まだ塗ってませんが、あとは、シャーシブラックを塗れば完成です。
作ったはいいけど、最近、忙しくて走りに行けてないんですよねぇ、、、
U型、V型の走行結果は追ってUPしていきます。