[おなかと健康]快便の話/5 におい立つ個性=国本正雄
1997.01.17 東京本紙朝刊
(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。 概要として纏め直して掲載しています。)
「お父さんの後は臭いっ!」と息子(8歳)が言えば、「おじいちゃんのトイレの後は、それ以上!」と娘(12歳)が続き、いつも母親にしかられています。
うんこは臭いものと相場が決まっています。そして、子どもたちが言う通り加齢と伴に
、そのニオイは段々とキツクなっていきます。
老化するということは、すべての生理機能が衰えて来ることですが、腸内フローラのバランスにも影響し、ビフィズス菌の様な「善玉菌」が減少すると同時にウエルシュ菌などの「悪玉腸内細菌」が増加し、うんこが臭くなるのです。
うんこからの悪臭は、老人に限ったことではありません。この悪玉細菌は
たんぱく質や脂肪の多い食事、ストレス、暴飲暴食などによって増加します。
また、人により「うんこのニオイ」は違いますが、その人のニオイは大体同じです。他人が使った直後にトイレに入ると、自分のと違うニオイがすることに気がつきます。
これは、ニオイの原因を作る腸内細菌叢が、人によって違うからです。
「臭いニオイは元から絶たなきゃダメ」というCMが昔ありましたが、「うんこのニオイ」の元はトイレではなく、自分のからだの中にあるのですから、ストレスがたまりやすく、働きすぎで、宴会の多いお父さんは要注意です。
(旭川市・くにもと肛門科院長)