「腸内革命の威力」・・・

96.11.   月刊誌「ゆほぴか」'96/11月号

 
(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。 概要として纏め直して掲載しています。)

乳酸菌が腸内で作り出す物質にはすごい薬効があり O-157から肝臓病まで撃退 ・・平石責久

平石クリニック院長 平石責久   
平石クリニック院長。1950年、鹿児島県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、都内での勤務医を経て92年に平石クリニックを開設。専門は内科、循環器科、東洋医学、スポーツ医学。医療法人貴生会理事長、勤務者健康開発協会常任理事、国立国際医療センター放射線科非常勤医などに携わる。Jり一グの柏レイソルのメディカルアドハイサーをはじめ、プロの野球チームやテニス選手、コルフ選手なとのコンディションドクターを担当。
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複数の善玉薔が集まると最も有効な成分が出る


 乳酸菌、ビフィズス菌など、体に良い働きをする腸内の有用細菌の効用はよく知られています。ところが、これらの菌そのものではなく、菌から分泌される物質が最近注目されています。
 その物質は主に乳酸菌から分泌されることから「乳酸菌生産物」と呼ばれています。
 乳酸菌は菌1つでも有効な成分を分泌しますが、何種類かの菌が集まると、不思議なことにそれぞれの菌が最も有効な成分を分泌するようになります。しかも、その有効成分を混ぜ合わせると、有効成分の敷が増嫡するのです。

 乳酸菌が分泌した有効成分を精製したものはいくつか商品化されていますが、組み合わせる菌の種類と数によって含まれる成分が異なつてきます。

 私が使っているのは16種類の菌を混ぜたもので、その中には1000種もの有効物質を産生すると考えられています。
 乳酸菌生産物質には核酸、アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。とくに核酸は、遺伝子の本体を作るのに欠かせない成分で、老化を体内でコントロールする物質です。

 また、たんばく質が分解してできる栄養素のアミノ酸には、体内で生産できないために外から摂取しなくてはならないものが8種類あります。これを必須アミノ酸といいますが、乳酸菌生産物質にはこの8種繋がすべて含まれているのです。

 私自身も、乳酸菌生産物質を飲んでいます。過労が原因で十数年前に肝臓を悪くしたのですが、乳酸菌生産物質を飲むようになつてからは1日中患者さんと接しても、疲れが翌日に残らないようになりました。肝臓の状態を表す数値も、好転しました。そこで患者さんにもすすめてみることにしたのです。
 慢性肝炎の患者さんがいました。この患者さんは、慢性肝炎の治療薬が体質に合わず、薬を使うとひどい副作用が現れ、40度もの高熱が出て、食欲もなくなる状態でした。ところが、治療薬を注射する前に乳酸菌生産物質を投与すると、37度くらいまでしか熱が上がらなくなりました。
 この恩者さん以外にも、高血圧や糖尿病、腎臓病に悩む人が、乳酸菌生産物質を飲んで食欲が出るようになり、元気になつたというケースは数えきれません。とくに肝臓病や腎臓病に顕著な改善が見られます。

 さらに、余命数ヵ月というガンの患者さんが、元気に数年も過ごせたという症例も少なくありません。  私は野球やサッカーなどのプロチームのアドバイザーをしていますが、選手たちにも体調維持を目的に飲んでもらっています。
 また、乳酸菌生産物質の入つたクリームを作り、筋肉痛や腰痛、ねんざなどの治療に用いたりもしています。
 もちろん、患者さんたちは乳酸菌生産物質だけで病気が治ったわけではありません。病気の原因をきちんと突きとめて、それに対する治療を続けた、つえで乳酸菌生産物質を利用してもらったのです。すると、山男だけに頼っていたときよりも格投にいい治療効果が現れたのです。

免疫機能がアップして多くの病気が改善

 なぜ、乳酸菌生産物質はさまぎまな病気の改善に役立つのでしょうか。端的にいえば、乳酸菌生種物質が細胞を活性化して免疫機能(病気に対する生体の抵抗力)を高めるためだと考えられています。

 私たちの体には、体外から人つてくる細菌やウイルスを攻撃して、体を守ろうとするしくみがあります。こうした働きをするのは免疫細胞と呼ばれるもので、とくに"殺し屋″の異名を持つナチュラルキラー細胞(NK細胞) は、ガン細胞を攻撃する細胞として知られています。
 乳酸菌生産物質はこうした免疫細胞の働きを活発にするのです。

 ガン細胞の増殖を抑えたり、肝機能が向上するなど、確かに乳酸菌生産物質によって免疫機能が高まってきている症例はたくさんあります。
 乳酸菌生産物質の研究は緒についたばかりです。それでも、乳酸菌生産物質が脳にある視床下部(ホルモン分泌のバランスをコントロールしている中枢) に直接働きかけ、活性化させている可能性が指摘されるなど、多くの研究者がその働きに注目しています。
 乳酸菌生産物質と免疫横能についての興味深い研究成果が発表される日は、それほど遠くないかもしれません。

 乳酸菌生産物質には、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制する働きもあります。今話題になつている大腸菌0-157の増殖が、乳酸菌生産物質によつて抑えられることも明らかになつています。
 大腸菌0-157の多くは食べ物によって体内に取り込まれ、腸の中でベロ毒素といわれる毒素を出して人間に悪さをします。乳酸菌生産物質には毒素自体をなくしてしまう働きはまだ認められていません。しかし、初期段階で大腸菌0-157の増殖を防げば、毒素による害を防ぐことができるのです。
 大腸菌0-157は増殖が早いのが特徴です。ですから、予防を目的に乳酸菌生産物質を利用するのならば、毎食後すぐに飲むのがいいでしょう。
 特許の問題があってくわしくお話しできないのが残念ですが、大腸菌0-157をはじめとした抗菌作用についての研究は近く明らかにされることでしょう。

 もともと薬にだけ頼った治療に疑問を持っていた私にと
って、私たちが本来持っている自然治癒カを高める乳酸菌生産物質はなくてはならないものです。
 病気は、薬だけに頼って治すのではなく、自分の体調をよくすることで、本来自分の持っているカを引き出して治すものなのです。

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