リウマチは「腸内細菌」が一因 愛知医大で究明 ワクチン開発に道

 1996.01.03 東京読売朝刊

 
(著作権の関係上、内容をそのまま全て掲載出来ません。概要として纏め直して掲載しています。)
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 愛知医科大第二病理学教室(青木重久教授)は、同大整形外科教室(丹羽滋郎教授)と共同で、細菌など病気の原因となる抗原を攻撃して体を守る働きを持つ物質である抗体に関して、リウマチ患者の腸内細菌に対する血清中の抗体価を健康人と比較した結果、リウマチ患者が健康人に比べて平均値で約2倍も高いことを突き止めた。

 このことにより、不明だったリウマチの原因の一つが腸内細菌によるものである事が分かった。
 また、リウマチに対する効果的な治療法とワクチンの開発に道を切り開くものと期待される。

 青木教授は、人間の腸内にある細菌の中から、他の腸内菌と共通の抗原を持つ「大腸菌O―14株」を選び、ウサギ78羽に1か月に1回、1年間投与して免疫をつくる研究をした。
 その結果、抗体価を高く示したウサギほど関節リウマチ発症率が高いことが分かった。解剖の結果、人間と同じリウマチの炎症を引き起こしていることも確認できた。

 このため、リウマチ患者の血液などを採取し、抗体価を健康人と比べたところ、健康人は60人全員が正常値の範囲内だったのに対し、リウマチ患者では、83人のうち血清で40%、関節液で65%が正常値を上回るなどの結果を得た。

 リウマチ患者が腸内細菌に対する高い抗体価を示したことは、大腸菌などの腸内細菌が共通に持つ物質が発症原因に重要な関りを持つ証明となるものである。

 塩川優一・順天堂大名誉教授は、「分子生物学的手法で、腸内細菌共通抗原がリウマチの原因であることを突き止めたことは、世界的に評価される研究だ」と話している。
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