熊本
 

始発で長崎を発つ。ふたたび鳥栖までひき返して熊本へ出る。着いたら腹が
減っていたので、駅の食堂で溶岩焼きのようなものを食べたがこれがとても 
うまかった。ジュージューいっていた。ここも路面電車の街である。とりあえず
市の中心まで出る。                                  
 

熊本城の見学をあとまわしにして、漱石が熊本時代に住んだという家を訪ね
る。ここは今では記念館のようなものに改装されていて、おそらくは漱石の 
人となりをテーマとしたような展示がされている。ボート部の顧問だった漱石 
は、しくじりをした部員達の為に金を出してやったような男気のある人でした、
というようなことが書いてあった。ラジカセで、コンピュータ合成した漱石の声
を聞くこともできた。                                  
 


   
ここではまた、漱石自身の姿も見ることができる。左手で猫を押さえているが、
机の正面から出ている紐を引くと、その手を上げるような仕組みになっていて、
なるほどと感心する。この部屋には来訪ノートのようなものもあって、繰ると、 
子どものような字で、そうせきはわかいのにひげをはやしていてすごいとおもい
ました、という書きこみがあった。スポーツの大会のついでに寄りましたという 
学生も多い。                                        
 

熊本城を見学した後、駅近くに宿をとる。                     

風呂に入ったあと、水前寺公園へ行ったはずだが、カメラを持って行かなかっ
たのか写真は残っていない。公園からだいぶ歩いて市中まで戻る。適当に入
った居酒屋の、食べものがみな非常においしいのに感動した。それまで、カラ
シレンコンがおいしいものだとはまったく思ってもみなかった。また、勝手に冷
たい漬物のようなものだとも想像していた。できたてのようで、熱くほくほくし 
いてとてもうまい。よそでは見たことがない、馬のレバ刺も絶品だった。焼酎で
それらを食べたあと、「こむらさき」というラーメン屋に入ってラーメンと飯を頼ん
だが、これも感動的にうまかった。たまたま入った店がすべて当たりだったの
か、熊本の食い物が総じてうまいのか。                      

        
                           
 

次へ