那智(勝浦)〜新宮
 
 


目覚ましよりもだいぶはやく目が覚めた。前の日に勝浦までの特急指定席を
取っていたので、寝過ごさないだろうか、という気分がはたらいたのかもしれ
ない。                                          
 


車中、熊野市を過ぎたあたりからか、左手に美しい海がひらけた。      
 
 


勝浦へ到着。那智山行きのバスの発車時間まで時間がないことを調べてい
たので、すぐに停車場へ向かう。勝浦は、みやげ物あり、温泉街ありの町で、
いつかまた、こんどはひとり旅でなく訪れたいと思う。              
 

             
空は明るかったが、那智山へ向かう車中、激しい雨が降り出した。      
 


しばし大樹の陰で雨宿りをするうちに空は晴れた。              
なんとなく、出来すぎている、というような気分でもあった。           
 


森万里子が「クマノ」のビデオクリップに使ったのはここであったか、と那智の
滝で確認。                                       
 


滝から、神社・お寺へは登り坂がきびしかった。順番を逆にしたほうがよかっ
たのかもしれない。息があがる。                          
 


バスで那智駅まで出て、捕陀落山寺へ出る。                  
境内に、渡海船が展示してあった。本物かな、と冗談を言ってわらってみる。 
 


寺から那智の浜まで歩いて出る。浜は、色とりどりのパラソルが立つ海水浴
場になっていた。捕陀落渡海船が出港したり、神武天皇が上陸したりした頃
のおもかげは無かった。                               
 


那智から新宮まではバスで移動した。南紀は鉄道の本数がひどく少ないの
とほとんどが特急なので、青春18きっぷの利用は向かないと思う。     
 


宿で風呂に入った後、新宮の町を散策してみる。熊野速玉神社の境内には、
地面に伏して一心に拝む若い男の姿があった。                  

新宮出身の著名人は、佐藤春夫と東くめということになっているようだった。 
なぜか、書店においても、中上健次の名を目にすることはなかった。     
 

翌日