伊勢
名古屋には8時まえに着いた。伊勢市までは、JRと近鉄どちらでも行けたが、
旅情があるような気がして近鉄にした。盆まえの土曜だというのに、名古屋を
過ぎてからは車内も閑散としていた。
松坂を過ぎ、電車は伊勢市に着いた。車内には私ひとりだった。
神宮、今日は休みなんじゃないかという不安も浮かんできた。
とりあえず外宮へ。駅から徒歩。奈良でも経験したことだが、日本有数の観
光地なのに、ほとんど人がいないのはなぜか。
伊勢参りは、爆発的に流行っていると聞いたのだが...
外宮を見た後、内宮まではバスを利用した。
バスの停留所から社までの道のりに、テーマパーク然とした町並みがあった。
「おはらい町」「おかげ横丁」というらしい。
その一角にいい酒屋を発見、枡酒を所望した。精進落としの順番が違うか。
よく冷えていておいしい。この枡はもちかえり可能で、宿での晩酌時にたいへ
ん活躍した。
みやげもの屋街を過ぎるころには、さすがに参拝客が目につくようになった。
先刻までは、時間が早かったのかも知れない。流行ってる、はやってる。
予定では伊勢に宿泊するつもりであったけれど、明日以降の日程のために、
少しでも駒を進めておこうかという気になって、松坂で宿をとることにした。
松坂といえば牛肉である。どこかで牛肉を食べようと思い、ホルモンを食わせ
るという「一升びん」という店に向かったが、なんとなく余所者が入りづらい雰
囲気で断念した。ひとり旅のつらいところで、名店といわれる「和田金」「牛銀」
といった大仰な構えの店に入る気もせず、松坂牛を扱う肉屋に併設している焼
肉屋で肉丼とビールの夕食。これはこれでおいしかった。
宿に帰って「クレヨンしんちゃん」を見て就寝。昨晩ほとんど寝ていないのと、ク
ーラーの冷気で熟睡。