〜〜〜 FICTION 〜〜〜
私がダフレン町にやってきたのは、三年前のことだ。
夏休みと称した逃避行で東京中をさまよっている間に、ふっと迷い込んだのがこの町だった。どこをどう移動してたどりついたのか、いまでも皆目見当がつかない。ただ気がつくと、どこからか汐の香りが漂ってくる黄昏時のダフレン町にいて、薄暮のなかでくっきりと浮び上る“OEI”の看板を見詰めて立っていた――。
◇◆◇本編へ急げ◇◆◇