監督小松隆志、主演内藤剛志。
今、売れている中年の男優と言えば、役所広司だけど内藤剛志もかなりいいと思う。TVやCMにはよく出ているけど、この映画が多分、初主演(*)。出ていた映画自体も、「男たちのかいた絵」ぐらいしか覚えてないけど。
まあ、その内藤剛志がひたすら気のいいサラリーマンの役。これが世のため、人の為にふんどし頭巾として正義の味方となる。全体にテンポは悪いし、単純過ぎる展開とは思うけど、内藤剛志がいい味だし、脇役の坂井真紀、菅野美穂、蛭子能収もいい。
もうちょっとなんとかして欲しかったけど、まあ楽しめました。
* 訂正:初主演は「悪役パパ」(1993)のようです。
数カ月前に、「CBSドキュメント」でピーター・バラカンがこの映画を誉めまくっていたので、楽しみにしてました。
素晴らしくよかった。感動的。
恋人たちと不治の病という、「ある愛の詩」的なネタですが、美しいストーリには仕立てないで実に現実的だし、飾った所が無いし所がリアリティがあっていいです。英国の片田舎の雰囲気、人々がそれを引き立てている。
最近、英国映画は面白い!
主演は、「トレイン・スポティング」のアル中のベグビー役をやっていたロバート・カーライル。雰囲気はまるで違うけど、凄くよかった。
お勧めです。都内単館マイナーロードショーというのが悲しいけど。
このクラピッシュ監督、デビューの「百貨店大百科」は前売りを買っておいたのにいつのまにやら終了してしまって、涙を飲みました(;_;)。
で、この「家族の気分」も楽しみにしてたのですが、面白かった(^^)。
話としては地味。何しろ、一つのパブ(?)の中で5人の家族が繰り広げる夕方から夜までの話。動きは無いし、登場人物に変化もないけど、この演劇的な空間の中でひろがる人間ドラマは実に見事。この数時間の人々の動きの中に全員の人生が垣間見られて、出てこないけど父親や家出した妻のイメージまでが浮かぶ。
いい映画でした。
ジョン・ウーが、香港からハリウッドに来て作った映画が「ブロークン・アロー」。香港テイストのパワフルな出来で入っていてよかった。さらに、香港映画黄金時代の立て役者のツイ・ハークがハリウッドで撮ったのが「ダブルチーム」。
スピード感、アクションとテンポ、どれを取ってもよかった。香港映画でツイ・ハークが好きなら楽しめるでしょう。ハデハデのアクションとスピード感あふれる展開は、黄金時代の香港映画を彷彿とさせます。
ジャン=クロード・ヴァン・ダム、デニス・ロッドマン、悪役のミッキー・ロークみんな癖がある役で魅力的。
何しろ映像が美しさが命。一日の虫の世界、ミクロの世界の出来事。ストーリは特に無いけど、そこにミクロの生命のストーリを想像する事は出来ます。
自然の中のリアルな映像の美しさをひたすら楽しむ映画じゃないでしょうか?
所々、トリッキーな撮り方もありました。コマ撮りしているのに、まったく露出が変わってない撮影はスタジオじゃないと無理だと思う。あと、飛ぶトンボの後ろを追っかけるカメラなんか何か仕掛けがあるのでは?アリの穴からの映像なんかは明らかにやらせ(?)ですね。
「アトランティス」やタルコフスキーの映画と同じ様に眠くなるのは判るけど、1/3ぐらいの人が寝ていました(^^;)。
監督はリチャード・アッテンボロー。最近は俳優(ジュラシック・パークの博士)の方が多い気がするけど、監督はいつぶりだろうか? 舞台は第一次世界大戦中のイタリア、足を負傷し野戦病院に入院する若き日のヘミングウェイとサンドラ・ブロック演じる看護婦アグネスの恋。ヘミングウェイを演じる、クリス・オドネルの血の気が多くて、ひたむきな感じがうまかった。サンドラ・ブロックはちょっと作りすぎって雰囲気がしたけど。
ストーリ的には、原作がしっかりしているだけあって見ごたえがあって面白かった。
監督成瀬活雄、林真理子原作、主演南果歩、鷲尾いさ子。
結婚六年目の主人公が浮気に走るのだけど、なんか後から考えてみるとあまりに単純な展開だし、オチは多少勧善懲悪的だし。
観ている時はそれなりだったけど、後に残るものは少ないです。
展開もスピーディで面白いし、特殊効果を駆使した映像も迫力あるし、トミー・リー・ジョーンズも沈着冷静行動的な魅力がいい…。だけど、噴火を人間の手で止めようとか、流れを変えようっていう恐れ多い行動自体が信じられなくて、どうもストーリ自体に馴染めなかった。
溶岩にあんな近づけるものだろうか、有毒ガスは平気なんだろうかとか余計な心配ばかりしてしまうし(^^;)。
OEMのクールな黒人がかっこよかった。
グリム童話に忠実に作られた「白雪姫」だそうで、恐怖感やグロテスクさ、残虐さは原作そのままだそうです。忠実な原作ってのを読んだことないので、どの程度なのか判らないのだけど シガニー・ウィーバーの継母は確かに恐い。肌が荒れた感じのリアリティなんかいいし。
でも、今さらに原作に忠実な「白雪姫」を作る意義って何なんだろうかとちょっと疑問に思う。
80年代のアート界の異端児、ジャン=ミッシェル・バスキアの半生。バスキア役が雰囲気あった。それにも増して、アンディ・ウォーホール役のデヴィッド・ボウイがよかったけど。
言っちゃいけないかも知れないけど、やはり日比野克彦はバスキアのコピーっぽいなあ(^^;)。まあ、当時から言われていたけど、日比野克彦の方が長く続いているってのも不思議だけど。
主演はウェズリー・スナイプス、ダイアン・レイン。ホワイトハウスの中での謎の殺人事件。「目撃」に驚くほど設定が似ているなあと思いながら、見ていたけど、二転三転する犯人像が面白い。ミス・ディレクションが上手い。感心しました。
ラストは比較的平凡だったけど。
三流詐欺師の豊川悦司、不眠症で写植屋の佐藤浩市、アル中の編集者の鈴木保奈美。予告編からは、この3人が仕掛けた詐欺のストーリだと思っていたのだけど…。
途中まで、その不思議な構成になんとも言えなかったけど、最後の方にかけてはそれなりにうまくまとめた感じ。しかし、なんでこんなヘンな構成にしたんでしょう。鈴木保奈美は後半しか出てこないし。何か理由があって編集で変えたとしか思えないなあ。
「12人の優しい日本人」以来の6年ぶりの中原俊の作品。「櫻の園」以来、絶対の信頼をしているので期待してました。まあ、不安半分だったけど(^^;)、結果的にはまあまあかな。
原作は中島らもだけど、未読。
(補足) その後聞いた話では、原作通りの展開らしいです。まだ未読(971028)
(補足2)その後、原作を読む
→ 原作「永遠も半ばを過ぎて」感想
昔の恋人、今の親友の男が4日後に結婚すると電話を受けて、彼の奪回作戦を展開する、ジュリア・ロバーツ。設定として面白いし、ジュリア・ロバーツの表向き強気だけど陰では可愛い演技がなかなかよい。
まあ、展開として当たり前過ぎるし、終わりも綺麗にまとめ過ぎている気もするけど、こんなもんかなあ。
カール・セーガン原作、ロバート・ゼメキス監督。原作と随分と違うけど、映画的な演出としてはしょうがないのか。原作が非常に気に入っているだけに、残念だった。まあ、原作最後の、πの問題など、一般の人に判るように作るのは不可能だとは思うけど。
地球からどんどんカメラを引いて行って銀河系を一望するシーンや、宇宙空間移動装置ポッドの派手な演出や、ウァームホールの「2001年」的な美しさなど、映画的な映像の面白さがよい。
それにも増して、ジョディ・フォスターの陰がある表情が実にいい。原作の面白さとは違うが、映画的には面白く出来ていると思う。
原作では、なぜ寝る前に髭を剃るのか父親に尋ねるシーン、科学への信仰を試すため振り子を前にして物理法則に命を賭けるシーン、それと当然、最後のπのシーンが好きだったのだけど、どれも無かった(;_;)。
やり手ではあるが、女性だというために信用されず、手柄も横取りされるはめになった株式ブローカーの主人公、ウーピー・ゴールドバーグが独立を決心する。架空の白人男性、カティをパートナーとして仕立て上げたが、やがてカティは伝説的人物として有名になっていく。
なんか、設定が「ワーキング・ガール」にちょっと似ている(^^;)。
まあまあ能天気に楽しめる映画かな。秘書役の、ダイアン・ウィーストがいい演技をしている。
しかし、ウーピーが化けるカティが醜悪で恐い(^^;)。どう見てもでき損ないの歩く蝋人形。エディ・マーフィーといい、化けるのが好きなのはなぜなのだろうか?
メグ・ライアン、マシュー・ブロデリック主演。元恋人を取り戻そうと結託した二人の監視が始まる。まるでヒッチコック「裏窓」か「張り込み(Stakeout)」のような、覗き見の感覚いい。メグ・ライアンのハチャメチャなキャラクタもなかなかいい。最後、ちょっと盛り上がりに欠けるけど。
モンティパイソンのメンバーであり、'88年の「ワンダとダイヤと優しい奴ら」のメンバーが集まった新作。ケビン・クラインは二役、「トゥルー・ライズ」でブッ飛んだ演技をしていたジェイミー・リー・カーチスも健在。相変わらずの能天気なコメディでそこそこには面白い。所詮、モンティパイソン的なギャグが好きでないと乗れないと思うけど。
しかし「ワンダ…」のケビン・クラインがアカデミー助演男優賞というのも不思議な話(^^;)。