'97年4月


「ゴースト&ダークネス」- THe Ghost And The Darkness -

 後で知ったのですが、1899年に東アフリカで起きた実話だそうです。2頭のライオンに130人以上が殺されていたとか。
 東アフリカのツァボ河に橋をかけるために赴任して来た大佐役が、ヴァル・キルマー。2頭の人食いライオンのために、仕事の完遂が難しくなり、マイケル・ダグラス演ずる伝説のハンターと共に戦いを挑む。
 予告を見た限りではもうちょっと怪物かと思っていたけど、結構普通のライオン(^^;)。それでも、「ジョーズ」的な演出がうまくて、それなりにわくわくして観られます。
 怪物の最初の不気味さは、「ジョーズ」よりも「レイザーバック」を連想しました。


「デビル」- The Devil's Own -

 IRAの特殊工作員のブラッド・ピット。彼が居候する先がハリソン・フォード演ずる警官。
 ストーリ的にはちょっと単純過ぎて物足りなかった。二人が親密さと、その後の戦いの部分での心理的葛藤があまりにステレオタイプ過ぎて。結局、若手とベテランのスター競演ぐらいしか、観る所がなかった。
 監督は「推定無罪」のパクラ。そこそこにしか撮れてない。


「ネゴシエーター」- Metro -

 エディ・マーフィーの刑事アクションもの。と言っても、「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズの様なふざけた刑事のイメージは無くて、ハードでクール。それに徹している所が成功していると思う。
 マーフィー演じるのは、邦題通りのネゴシエーター、人質事件の犯人と丸腰で渡り合う交渉役。犯人役はちょっと間抜けで力不足かと思ったけど、まあ、ラストには盛り上がっていて楽しめました。
 サンフランシスコのカーチェイス、特にケーブルカーを使った所が面白いです。

→LINK 「ネゴシエーター」- Metro -


「ロミオとジュリエット」- William Shakespeare's Romeo & Juliet -

 レオナルド・ディカブリオのロミオと、クレア・デーンズのジュリエット、シェイクスピア原作の現代への置き換え。それは舞台だけで、ストーリ展開や人物配置をあくまでも原作そのまま。特に台詞回しも、有名な所は原作そのままを使っているけど、これはワザとなのだろうか?単にシェイクスピアの呪縛から逃れられないだけなのだろうか。
 「ウエスト・サイド物語」の方がストーリの現代化としてはうまいと思う。

→LINK 「ロミオとジュリエット」


「太陽の少年」

 '70年代の文化大革命真っ最中の中国の少年達のストーリ。特に文革に焦点を当てている訳でも無い。文革の中、地方の農地に大人が皆、働きに出かけていて町が子供のものというのがちょっと面白い。
 派手な事件も展開も無いが、そこが逆にリアリティがあって、日記的な面白さも感じる。 実際、ちょっと地味で不満も残るけど。


「傷だらけの天使」

 豊川悦司、真木蔵人主演。
 結局、TVのショーケンと水谷豊の「傷だらけの天使」を越える訳でも無いし似たものを作ろうとしている訳でも無い。それだったら、なぜ「傷だらけの天使」なんてタイトル付けるのだろう、と疑問に思う。

 監督は坂本順治。映像的にもストーリ的にも「どついたるねん」や「王将」の様な派手さが無い。もっと坂本らしく、新しい「傷だらけの天使」を作ればいいと思った。
 どういう風に結末を付けるかハラハラしたが、ラスト、何だこれ、と思ってしまった(^^;)。


「スリーパーズ」- Sleepers - ☆

 内容的には盛りだくさんだけど、消化不良にはおちいって無い。うまいと思う。
 最初、ヘルズ・キッチンでの少年達の他愛もない日常。やがて事件から少年院時代の暗い日々。青年時代の法廷ドラマ。
 特に復讐戦の緻密さがいいです。こういう展開だとは思ってもなかったから特に。ブラッド・ピットは派手な活躍の場は無かったけど、地味でクールな演技がよかった。
 これで、買っておいた原作がやっと読める(^^)。→原作の感想


「ロング・キス・グッドナイト」 - The Long Kiss Goodnight -

 監督レニー・ハーリンと主演のジーナ・デイビスは「カットスロート・アイランド」に続いてのコンビかな。確かに「カット…」みたいに派手で、そこそこ楽しめるけど、粗い感じ。そこまでの映画という印象は、この「ロング・キス・グッドナイト」も同じ。まあ、ハーリンが監督した「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」も全部そうかも。
 ジーナ・デイビス演じる記憶喪失した主婦は、実は元CIAの秘密工作員。記憶を取り戻してから、次々と襲いかかる危機。まあ、面白そうなネタなんだけど、ストーリ的にはたわいも無い物にしかなってないし、殺し屋であるはずのデイビスに、魅力も凄みも感じないのが敗因かな。
 楽しむだけなら、そこそこだけど。


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