谷口 市長 殿

 (複写一部:市議会議長)          回答

レジ袋の有料化に関する公開質問状

 

常日頃の市政へのご尽力に感謝いたします。

さて早速ですが、市民生活部環境課(以下「環境課」という)にて進められています「マイバッグ持参運動、レジ袋削減事業(以下「事業」という)について、一住民として大いに関心のあるところです。

尾張旭市レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例原案(以下「条例案」という)を報道(2008/11/19中日新聞)によれば、反対意見などが寄せられ「十二月議会の議案提出はやめ、当面は協定方式で実施したい」としています。

しかしながら、住民へ何らの根拠ある説明も無しに、「尾張旭市におけるレジ袋削減・無料配布中止に関する協定書」(以下「協定書」という)を以って、尾張旭市市長、尾張旭市マイバック持参ネットワーク、市内事業者との間で契約を締結し、市の平成20年度実施計画(平成2022年度)の施策「資源循環型社会の形成」(以下「施策」という)を推し進めることに変更ありません。

開かれた市政の推進を掲げる本市にとって、住民の持続的な強い支持を獲得するには情報公開の一環としての会議公開は必然のことでありますが、環境課は過去三回の「尾張旭市マイバック持参運動ネットワーク」(以下「ネットワーク」という)の会議も議事録も公開(109日になってHP更新追加)せずに、あたかも官製談合の如く秘密裏に事を進め、「尾張旭市内のレジ袋の有料化を平成21年度41日」とホームページ上で宣言しました。

以下疑義の点を質問します。

 

1.環境的条件の背景を理解したとしても、レジ袋の有料化、マイバック等は普く一律に住民に費用の負担を強いるものであり、斯様なことが環境保全の美名の下に為されることは住民に対し憲法に定める財産権の侵害となり、また事業者に対しては環境的背景を行使し行政指導による協定書の締結を迫ることは長年の間に培われた商慣習に行政が容喙することであり、本来民主主義を標榜するわが国においては経済的自由権をも侵すことにもなるのではないか。

 

2.環境課職員からの聴き取り調査でも、レジ袋有料化、マイバック持参後の環境へのトレードオフは説明できなかった。よって、愛知県環境部資源循環推進課一般廃棄物グループ(以下「県」という)にも問合せ(101)たが、同じく説明ができていない。何らの根拠ある説明責任も果たさずに、斯様な施策を進めていることは、市行政として、住民を無視した行為であり、住民への説明責任の放棄であり、怠慢ではないのか。

 

3.会員(各市町村)宛の「ごみゼロ社会推進あいち県民会議(19ごみゼロ県民第22号平成191122)」の内容について、県は各市町村に強制することなのか、を聴き取り調査(930)したところ、強制ではないとの回答を得た。よって市が自らの施策の一環として、付和雷同でなく選び取ったのであるから、その事業遂行の責任者として、施策の根拠となる裏付け資料とは何か。

 

4.3.で問う資料が存在するならば、如何なる審議(非公開の会議の中で)がなされたのか。

 

5.レジ袋に焦点を当てた理由と其の根拠は何か。

 

6.環境課は協定書などで、レジ袋の「無料配布中止」を謳い、また無料と説明しているが、果たして現在各スーパーマーケット等で住民が買い物時に当該店から入手する袋は無料なのだろうか。例えば、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」第八十四条では、「会社の販売及び一般管理業務に関して発生したすべての費用は、販売費及び一般管理費に属するものとする」とされ、費用の把握が為されているのである。つまり、総原価+利益=販売価格である。総原価には販売費及び一般管理費が含まれているのである。したがって住民(購買者)はレジ袋の費用込みの商品価格で購入しているのである。また、事業者がこのレジ袋費用を直接的、個別的に対応し、各商品にその費用を配賦しているならば、尚更の事であり、無料ではないのではないか。

 

7.環境課は諸々の条件を精査・考慮することなく、施策の事業として取込み、事業者の費用負担を削減し、最終消費者である住民に投網を打つように負担を強いるのである。また、協定において、「レジ袋の無料配布中止により、収益金が生ずる場合」を想定しネットワーク協力金として事業者に拠出を迫るのである。斯様な施策の推進によって、マイバックの負担も合わせ、住民は逃れることの出来ない多重の負担を強いられることになるのではないか。

 

8.事業者に対しては拠出のための収益を予定するため、先々住民にとっては、現今の原油の高騰による生活諸物価値上がり経過を見るまでもなく、生活の不安材料となるのである。特に高齢社会から超高齢社会(尾張旭市平成209月末日現在18.4%)へ向かう当市にとっては、日々の生活に直結する安心の確保は格別の事ではないのか。統制の効かない賦課とはならないか。

 

9.環境の重大性は認識するとしても、環境負荷軽減の施策について、選択の多様性を放棄しては、生物環境の頂点に存在する生活者としての人間を困窮させる結果となるだけである。経済的負担による環境の保全は、結局新たな環境負荷を発生させることになり、悪循環となる。レジ袋の有料化は、例えば、環境税にも等しく、包括的な論議が俟たれる為、住民の代表機関にかける必要はないのか。

 

10.「レジ袋有料化に関する協定」、つまり、レジ袋の有料化を推進する法的根拠はどこにあるのか(愛知県環境部資源循環推進課一般廃棄物グループは「レジ袋を有料化する法的な根拠はありませんが、平成18年6月に改正された容器包装リサイクル法では、国が事業者に対し、レジ袋等の発生抑制のための取り組み実施状況について報告を求め、取組が不十分な業者に対しては勧告・命令等の措置ができることとしました」と10月7日に回答してきた。また、環境省に直接問合せ(11/18)した結果も、県と同様でゴミの減量が主眼であって、其の方法には多くの選択肢があり、レジ袋有料化を取り上げるものではないとし、レジ袋の有料化を進めるのであれば、各自治体が根拠を整備すべきとしています。つまり、法の根拠は無い)

 

11.環境課は、憲法はもとよりであるが、先ずは地方自治の根本法である地方自治法の第十四条二項「普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない」に抵触するとは考えないのか。民間が実施すると言うが、尾張旭市長名をもって協定書という契約を交わし、無料配布中止・レジ袋の有料化を推進するのである。つまり、行政が直接関与しているのである。

 

12.一定の施策の下、条例に拠らずして契約(協定)に基づいて、住民の財産権(権利の制限)を侵し、義務を強い賦課することにもなる。住民全体に及び、また、市・事業者・ネットワーク間での財産の取得、管理、処分を明確にするためにも、条例の制定は必要ではなのか。

 

13.6.で述べたように、事業者は本来商品価格に含むレジ袋経費の削減ができるだけでなく、レジ袋の単独商品化も可能となり、事業者には利益を得させ、そして収益金の分配をネットワークに協力金として拠出する仕組みといえる。つまり、事業者のレジ袋費用を消費者(住民)に負担させ、そしてレジ袋の有料化で上がる収益をネットワークという民間組織に協力金として拠出するというのである。市の音頭取り(行政指導)で、市・事業者・ネットワークのトライアングル構造が、環境の美名の下、碌に住民に説明もせず、都合のよい使い回しの資料を以って、 住民(消費者)を煽動し、負担を強いるのはどういうことなのか。

 

14.市の事業通りに進捗した場合、本施策の検証及び其の手段はどうするのか。例えば、ゴミ減量一つ取り上げても、レジ袋廃棄量対マイバック廃棄量の関連等が考えられる。

 

15.市の事業通りに進捗した場合、住民の負担はどれほどか。

 

16.条例案のパブリックコメント(以下「コメント」という)では、三件が寄せられた。この内容を吟味すると、一件のみが反対としているが、「何故、本条例を制定する必要があるのかという理由を問い合わせたが、納得できる回答は得られなかった」としている。反対のコメントも反対の要因として説明責任を果たさなかった結果ではないか。特に11.で挙げた理由を説明すべきではなかったか。

 

17.副市長・市民生活部長・環境課長の説明では、条例案について会派説明を実施した結果、性急であるとか、概ね否定的であったことも原因として、条例を葬った(見送った)。本来、制定を旨として (ホームページでそう説明している)コメントに付したのである。であるならコメントの意見等を考慮し、その結果を議会の場で議論に付すべきではなかったか。

 

18.コメントの手続上でも、「尾張旭市パブリックコメント手続に関する要綱第7条に規定する意見書の取扱いにも違背しているのである。つまり、「策の案を修正したときはその内容を併せて公表しなければならない」とあり、その公表の方法は第5条第4項の規定を準用するのである。しかしながら、コメントも公表されていないのに、報道(中日新聞2008/11/19)が先行しているのである。説明を求める。

 

19.コメントの精査の結果も発表せず、反対意見を記者に伝え、当該条例案を取り下げる迷走・醜態ぶりは、偏に担当職の条例案に対する理解の無さ、またなぜ条例化すべきかの法律意識の欠如が齎したと言わざるを得ない。そして何よりも全体の奉仕者であるという意識の希薄さが、特定の任意団体・事業者に顔を向けさせ、有料化(無料配布中止・削減)を蒙る住民の日常生活に感慨を及ぼすことを阻害しているのではないか。

 

以上疑義の点、ご多忙中とは存じますが、ご回答願います。

勝手ながら回答期限は121日迄には願います。

なおご不明の点がありましたら回答前にご連絡ください。

 

 

平成201119

 

足立 巖

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《添付資料》

  尾張旭市市民生活部環境課職員措置請求書(3)                     1

  (事実証明書は添付無し)

尾張旭市市民生活部環境課職員措置請求について(通知)               1

  尾張旭市レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例原案について   1部

 (質問者分)