尾張旭市教育委員会職員措置請求書 ≪尾張旭市教育委員会からの通知≫
1.請求の要旨
地方自治法は、「第138条の4 B 普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。ただし、政令で定める執行機関については、この限りでない。」としている。つまり、執行機関の要請によって予備的作業を行う機関としての附属機関を設置する場合には、法律又は条例の根拠を必要とする。 尾張旭市教育委員会は「尾張旭の教育を考える懇談会(以下「懇談会」と称す。)」の取扱いに関し、法または条例の根拠を得ないで、懇談会の要綱(案)を以てその目的を、「尾張旭の21世紀における魅力ある教育を目指し、本市の教育全般に関し、必要な事項について提言することを目的とする。」とし、平成15年4月21日に市長決裁を受け、広報「尾張あさひ」(2003年5月15日 No.987)で2名の委員募集等を実施し、平成15年度予算の確定した事業費39万円(報償費)の支出を執行しようとしている。 本懇談会が諮問機関であることは、平成 次に、尾張旭市教育委員会定例会での懇談会そのものについての扱いについて述べる。 当教育委員会は懇談会に関し議決事項とすべきものを報告事項扱いとして合議を得る手続きをしていない。 他方の執行機関の長の独任制とは異にし、教育委員会は、特に公正中立を確保するために住民が直接参加し自らの為に運営し民主化する方法として、合議制が採用されている執行機関である。このたびの「尾張旭の教育を考える懇談会設置要綱」(設置)第1条にもあるように、「尾張旭の教育を考える」とある。また、先に挙げた定例会の会議録No.18で、教育長の発言として、「すなわち今こそ、幅広く多面的で多様な意見を聴き、尾張旭市の教育のあるべき姿を考え、構築していくことが必要でありますので、・・・」とある。このような学校教育及び社会教育に関する一般方針を定めていくことに関しては、まさしく教育委員会そのものの役割である。教育委員会の委員の一人である教育長だけの課題でもなければ問題でもない。教育基本法の趣旨を体現するための教育委員会そのものの果たすことであり、合議すべき課題である。むしろ教育長は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(教育長の職務)「第17条 教育長は、教育委員会の指揮監督の下に、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる。 2教育長は、教育委員会のすべての会議に出席し、議事について助言する。 」をすべきである。助言するために教育長の諮問機関が必要であると強弁するが、懇談会が教育委員会の諮問機関であってもその助言することには何ら支障は無いし、そのほうが合法的である。調査した他市ではこのような場合教育委員会委員長に答申されている。尾張旭市教育委員会事務委任規則第3条第1項第1号に謳うごとく、学校教育及び社会教育に関する一般方針を定めることであり、委員会の議決事項なのである。このことに関し、定める一点だけを捉え、諮問は定めることでないから該当しないとの強弁をもってこの項を避ける説明をするが、ある調査した市ではこの同様の定めを、「教育行政の運営に係る基本方針に関すること。」と広く解釈している。つまり、当市教育委員会のように一般方針なら余計にその生成から合議すべきものである。この懇談会に関し上述の委任規則の第3条第2項の教育長が臨時に代理させられていることも無い。 また、平成14年11月の教育委員会定例会会議録No.10で、教育行政課長の予算要求の説明の中で、「1 新規事業の内容は、1 庶務関係では1事業で、仮称ではありますが、「明日の教育を考える懇談会」を設置しようとする予算・・・」と述べている。このことは上述の委任規則第1項第3号の重要な事業の計画及び実施方針を定めることで、やはり委員会の議決事項なのである。調査した市では、専決の制限を設け「・・・重要若しくは異例と認められる事項、新規な事項又は疑義のある事項については、上司の決裁を受けなければならない。」との定めを置いている。尾張旭市の上述の委任規則では第2条第2項に「教育長は、委任された事務について、特に重要かつ異例な事態が生じたときは、委員会の議決を求めることができる。」とあり、その判断を教育長に委任されたかのようにされているが、これについても、調査した市の専決の制限に比することができる。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律「第26条の(事務の委任等) 教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その権限に属する事務の一部を教育長に委任し、又は教育長をして臨時に代理させることができる。」とある。あくまでも権限の一部であって、教育委員会の本分とすべき事柄に関しては合議の上で決すべきことで、これを教育長に委任し、或は臨時に代理させることはできないと解する。教育長に懇談会委員の任命権が無いにも拘らず教育長の権限の中で懇談会委員の人選を行うなどの説明を教育部長がするなど混乱した説明をしている(平成15年5月 尾張旭市教育委員会定例会会議録No.22等)。以上のことから単に報告(平成15年5月 尾張旭市教育委員会定例会会議録No.16・No.22)で済ます事柄ではないと考える。なおこの件に関しては、平成15年5月 尾張旭市教育委員会定例会会議録No.16〜23にあるように委員からも疑義の質問があることを付け加えておく。 以上のことから尾張旭教育委員会においては、平成15年度の予算で違法な予算計上をしたことになり、その最終確定した事業費39万円を執行しようとするため、そのような執行がなされないように必要な措置を講ずるよう請求する。また尾張旭教育委員会においては法の要求する趣旨また尾張旭市教育委員会事務委任規則等の本来を体さず不当な解釈するなどし、教育委員会定例会での議決を得ずして報告事項で済ませる手段をとったため、議決事項とするなど必要な措置を講ずるよう請求する。
2.請求者 後記の通り
地方自治法第二百四十二条第一項の規定により、別紙事実証明を添え、必要な措置を請求します。 [事実証明書] 1.平成15年5月 尾張旭市教育委員会定例会会議録No.16〜23 (平成15年6月5日 15教行第253号尾張旭市情報公開条例に基づく公開請求文書抜粋) 2.平成15年度「愛知県尾張旭市一般会計予算書及び予算説明書」抜粋 (市政コーナーでの閲覧・複写) 3.平成14年11月の教育委員会定例会会議録別紙内容 4.「尾張旭の教育を考える懇談会」設置要綱 (平成15年6月5日 15教行第253号尾張旭市情報公開条例に基づく公開請求文書抜粋) 5. 「尾張旭市の教育を考える懇談会」に関する事務着手について(伺い)抜粋 (教育行政課で閲覧)
尾張旭市監査委員 殿
平成15年6月11日 請求者 (住所) 〒xxx-xxxx 愛知県尾張旭市 (職業)
(請求者)
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