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97年夏 北海道旅行記

ただただ毎日が雨の旅行だった。 この年の夏に北海道に行った人にどんな様子だったか聞いてみましょう。 きっと誰もが「こんな毎日が雨の旅行は初めてだ」というでしょう。 それほどまでに来る日も来る日も雨でした。 太陽を見たのは山頂が雲の上だった羅臼岳と羊蹄山を除けば、 11日間もいて1日だけ。
そんな天気だったのでこのページにはあまりいい写真がありません。

それでも5つも山に登れたし温泉にもたくさん入れたので楽しかった。 自転車やバイクの人たちは本当に大変そうでした。 車中9連泊した私たちはテントを乾かす必要もなく、 Lucida(車中泊仕様車)にして本当に良かった。



97/8/8 秦野-大洗-フェリー

仕事を15:00あがりで家に帰り、急いで17:00に秦野を出発。 大洗フェリーターミナルに向かって走るが連休前の金曜日なので予想通りの大渋滞。 最後のSAでうどんを買うが店のおにいちゃんがのんびり作っているので、 ここでも渋滞が起こっていた。 夕食を食べようとレストランに入るがそこからフェリー乗り場に電話すると出発の2時間前には到着するようにとのことで、夕食無しのままFTに向かい、21:30に到着。23:40に大洗出発。酔い止めを飲んでいるのでぐっすりだ。

97/8/9 フェリー-室蘭-日高

酔い止め薬がきいているので、フェリーに乗っている間は食事をしているか、甲板を散歩しているか、風呂(泡風呂などでゆったりできて時間はたっぷりあるのでなかなかよい)に入っているか、寝ているだけ。 下手に本などを読むと私の場合酔ってしまうようだ。
18:30に室蘭着。今回このフェリーを選んだのは前の日に仕事をして最も早い時間に北海道に着きたいため。この時間に北海道に着けば、その日じゅうに登りたい山の麓に入れるので、仕事をした2日後には登山ができる。 しかし、その野望もむなしく外は雨。 まさかこの雨が延々と10日間以上もやまないとはフェリーに乗っている誰も思っていなかっただろう。

19:30に室蘭を出発し、当初の羊蹄山の予定を変更して、幌尻・十勝方面に向かう。高速道路から下道に降りると道はすっかり霧の中。 雨もだんだん大粒になって、天気予報を聞くための電話ボックスに入る間にもびしょびしょに濡れてしまう(結局これに懲りて旅行の後、携帯電話を買うことにした)。日高の道に駅につくと私たちと同じように車中泊の車(中にはルーフをあげているものもあったがこれだけ雨が強いと大変そうだ)がたくさんいる。「明日の天気はだめかな」と思いながら眠りにつく。


97/8/10 日高-帯広-池田-生花苗沼-十勝岳麓

起きると外は大雨。この調子だと川の水が増えるので数日間は幌尻岳の徒渉が難しくなる。どちらにしても今日は登れそうにないので帯広に向かう。 帯広に向かう途中の日勝峠で交通事故のため、ダートの迂回路を走らされる。 ナビがあったので問題なく目的地につけたが、迂回路から元の道に戻る指示は何もでていなかったのだからひどい話だ。この事故は次の日の新聞に載っていた。対向車がはみ出したための死亡事故だったらしいが、平均時速の高い北海道では頻度の高い事故かも知れない。

帯広の街はまだまだ起きていなかったので、池田町ワイン城に行って朝食をとることにする。ワイン城のレストラン前で30分ほど待って十勝牛のシチューを食べる。前にも食べたけど、とてもおいしい。ワイン城の裏にあるジェラート屋まで行って、ジェラートを食べながらこの雨の日の予定を考える。

ちょっと興味のあった生花苗沼まで行って何もない沼を見た後、 幸福駅、愛国駅に立ち寄って帯広の動物園に行った。 今日は特別に21:00まで営業しているそうだ。 園内にある植村記念館に行くと「知ってるつもり」が植村さんを取り上げたときの放送をかなり適当に編集したものを流していた。 「こんなもの展示に使っていいのかなぁ」と思いながらも彼の生き方にしっかりと耳を傾けてしまった。

六花亭でデザートを食べ、名物の豚丼を食べに行った。 明日の天気を願って十勝岳望岳台まで走り、車中泊。


97/8/11 十勝岳登頂-雌阿寒岳麓

避難小屋
十勝岳
深田百名山
日本の山1000
4:10起床、山の中腹くらいまでが見える霧。 既にこの時間から登り始めている人たちがいる。 私たちが朝食を始めようとするとおじさんが近寄ってきて、 「この天気じゃ登れないないよねぇ」と言ってくるので 「昨日みたいな雨じゃないからしょうがないけど登りますよ」と答えるとひどく驚いた様子で、他の人にも同じようにして質問していた。 するとその人は「札幌ナンバーじゃないから登りますよ」と答えた。 どうやらその質問しているおじさんは北海道の人らしく、 私たちも含めた多くの人は本州から来た人間だった。 おじさんは慌てて周りの車のナンバーを調べ始め、 「そうかぁ、みんな遠くから来てるから登るのかぁ。しょうがないなぁ」 と言って登ることにしたようだ。 しかし、その後そのおじさんと会うことはなかったから、 あまりの天気の悪さに閉口して帰っちゃったのかな?

地図上では標高差が少なそうな白銀荘に向かうが、 草が茂っているために歩きにくそうなので再び望岳台に戻って5:40に登り始める。 実際登り始めてすぐに白銀荘への分かれ道が現れるので、望岳台から登った方がだいぶ楽そうだ。

基本的に木の生えていない山なので霧という天気は非常によくない。 途中の避難小屋付近では周囲だけが多少晴れたが、 その上でも下でも視界が開けるということは全くなかった。 こうなってしまうとかなり修行の山、という雰囲気になってしまう。 次に登った斜里岳などは霧で登ってもいいかもしれないけど、 この山だけは視界のいいときに登りたかった。 開けた場所になってしまうとどこが登山道かほとんど分からなくなる。 私たちは何度か二人で横に間隔を開けて歩いて、 登山道を示すペイントを確認しながら歩いた。 ここのペイントはかなり幅広い範囲についているので、 一つのペイントによって大きくコースを変えない方が歩きやすい。 降りてくる人に頂上の方向を聞いてしまうのが確実だ。

8:30に頂上到着。 周りは深い霧で何も見えず、霧雨になっている。下から11,793歩。 下りはザレ場なので結構歩きづらい。 石が濡れていることもあり私は何度か軽く転んでしまった。 やはり歩き方が下手なのだろうか。。。 11:00に望岳台に下山(22,744歩)。このような天気ではさすがに周囲の山へ歩いていく人はなさそうで、みんな山頂往復で戻ってきているようだ。
湯元白金温泉ホテルで日帰り入浴(\1,200/人、男女別露天風呂あり)をして汗を流し、 明日の天気が良さそうな阿寒岳に向い、 夜中にオンネトーキャンプ場に到着し、車中泊。


97/8/12 阿寒湖-斜里岳周辺

阿寒湖

残念ながら早朝に起きてみると外は雨&霧なので、雌阿寒岳はあっさり断念。 予定を阿寒湖観光に変更して、遊覧船に乗る。 マリモ生息地の島に降りて養殖施設を見学するが、 この施設がなぜわざわざ船に乗って来なければ見れないのかは不明。 湖畔のホテル・シャングリラで日帰り入浴。 屋上のジャグジー(風呂もあるが私には温度が高すぎる。 ジャグジーは温度が低いのでいつまでも入っていられる)は霧のため山は見えない&小雨は降っているが、阿寒湖を見おろして最高な気分だ。 あまりに気に入ったお風呂だったので後日、雌阿寒湖登頂後にもう一度立ち寄った。

斜里岳下見

山関係でないガイドブックに「斜里岳登山口から清岳荘までの道が通行禁止」というような記載があり不安だったので通行可能であることを確認。 斜里からの道には「斜里岳登山口」の看板が続くので注意深く走っていれば問題なくたどり着ける。 登山口から清岳荘までは未舗装路だけど、雨の後でも普通に走れる楽しい道。 歩かされたら我慢できない道だと思うけど。 翌日の天気予報は良くなかったので網走観光を予定して、 斜里の町から網走方面に向かった浜小清水前浜キャンプ場に泊まった。

97/8/13 斜里岳登頂-網走-ウトロ

斜里岳
斜里岳
深田百名山
日本の山1000
朝起きてみると予想外の曇り (今回の北海道はほとんど雨が降り続いていたので、朝起きて雨が降っていないだけで喜ばざるを得ない)だったので、朝食を取って斜里岳登山口へ。 9:00に清岳荘出発。 ずっと川沿いを登っていく楽しい登山道だ。 すぐそこまで進むのにも川を2、3度渡る(靴が沈むほどではない)、 というようなことを繰り返すので常に川の反対側にペイントが あるかに気を配らなければいけない。

そしてついに川の反対側に渡る部分で土手側についていた間違ったルートに入っていってしまった。 今までにも山でちょっとの距離を間違えて歩いたことはあったが、 大抵すぐに気づいてことなきを得ていたのに今回はひどかった。 登っていく道はだんだんきつくなり、ストックをついても草で足が滑って落ちてしまう。 最後には道がどちらもはっきりしない2つに分かれ、 道を間違えているとはその時でさえ思っていなかった私たちは両方の道をばらばらに進んでみた。 するとなんとどこからともなく正しい登山道に出た。 この程度ですんで運が良かったかもしれない。 しかし、私たちのすぐ後にも同じ道を入ってきて一緒に道を探した人たちもいたので、あの私たちが間違った分岐点にはペイントを増やすべきかもしれない。

落差の高い滝は横の土の上を歩き、傾斜の緩い滝は滝の端の水が流れていない岩の上を歩いて登っていく。 沢登りの経験がない私たちにとってはなかなか楽しい山登りだ。 十勝岳に比べると霧の具合も良いけれど、 これだけ目の前のものだけでも楽しめるとだいぶ山の印象も違ってくる。

結局11:40に8,080歩で頂上に到着。遠方は霧で全く見えない。 軽く食事をとるとさっそく下山。 下山ルートは二つあるけど、霧で見晴らしが悪い&時間がかかる&滝を降りた方が楽しい、ということで行きと同じ道を降りていった。
14:30に16,767歩で清岳荘に到着。 山小屋のおじさんに「午後からは登っちゃだめですよ」ととめられた おじさんが「何時間くらいかかります?」と聞いてきた。 なるほどコースタイムで考えると特に難しいことには思えないが、 昼間でさえ道を間違え、下りも登りと同じくらいの時間をかけてしまった私たちにはここを暗い中下ることを恐さがなんとなく理解できた。

下山後は網走に行って、やまね工房で買い物、ホテルで温泉日帰り入浴、赤い風船で食事。知床ウトロキャンプ場で車中泊。


97/8/14 カムイワッカ滝-知床五湖-羅臼周辺-ウトロ

カムイワッカの滝、知床五湖

早朝に起きてみると霧雨が降っている。 朝食を食べて、偵察もかねて羅臼岳登山口まで車で入ってみる。 車道のそばには熊出現の看板も目立つが、いたるところに野生の鹿が見られる。 結局、登山口も雨が降っているので私たちはあっさりと撤退。 しかし、多くの登山者達は雨具を着込んで登る準備を始めている。 こんな天気なのによく登るものだ、と思っていたが、翌日登ってみて聞いた話によるとこれでも頂上は晴れていたらしい。

知床大橋を歩いて渡った後、カムイワッカの滝を登った。 ここはまるで暖かい川の沢登りだ。 温泉に興味がなくても一登りの価値あり。 雨でもいくつかの滝壷に10人くらいの人たちが浸かっている。 上の滝壷ほど温度が高く、2番目の滝壷から1番目の滝壷までは少々危険なので、2番目の滝壷に浸かっている人の方が多い。 数人の男の人を除いてみな水着を着ていた。 ガイドブックにも書いてあるがここのお湯 (硫黄岳側の斜面から湧き出している。 その付近をトラバースする時には熱い思いをすることがあるので注意) は当然源泉のままなので成分が濃い。 皮膚が弱かったりすると痛くなるし、 顔を洗ったりして目にはいると大変なことになるらしい。

知床五湖を歩くが、天気が悪いとどこも良さが分かりづらい。 ほとんどの人は一湖と二湖だけで帰ってしまうので、 三湖、四湖あたりは人気もあまりないが、 五湖だけは入り口から逆に入ってくる人が多いらしく、 不思議と込み合っている。 山道ではないので、ゆっくりと道幅全体に広がって歩きながらも決して他人に抜かれまいとする人たちなどがいて少々歩きにくい。

羅臼、相泊

羅臼を経由して相泊まで行く。 入林届けには知床岬(数人は知床岳)まで歩いていった人たちの記録が残っていた。 帰ってきた後の感想などが書かれておりなかなか興味深い。 看板には「漁師の舟に便乗するのは違法です」と書かれているが、 入林届けには堂々と「帰りは赤岩から船」と書いている人が多かった。 しかし、知床岬までは登山道もないようだし、熊もいるし、道自体も相当危険なようなのに多くの人たちが行っているので驚いてしまう。 かなりのアドベンチャーだと思われる知床岬までの道のりも、 私の周囲の一般人には「何が大変なの?」という反応だったけど。
ちなみにこの付近の露天風呂は海を見ながらで気持ちが良さそうだけど、女の人が水着無しで入るのは勇気がいるだろう。

ウトロ

光苔を見た後、 ウトロの知床第1ホテルに電話して「16時まで日帰り入浴可能」 を確認して急いでホテルに向かい14:55に到着するが、 「日帰り入浴は15時までとなっております」とのこと。 私「電話で16時なのを確認したのですが」 フロント「今の時期は特に込み合いますので絶対に15時です。 はい、次の方」と言って私の後ろに並んでいる人に順番を進めてしまった。 黙ってても客が来るようなところのホテルだからこんな対応になるのだろうか。 似たようなところにあるホテルでも気分良く過ごせることが多いのに、 こういう対応のホテルにはほんとにがっかりさせられるし、 ウトロ(知床ではない)の私の印象も非常に悪いものになった。

オロンコ岩に登り、手が届きそうなそばを飛行するカモメを見て気分を直した後、夕陽台の公衆浴場に入り、久しぶりのぎゅうぎゅうで熱いお風呂を楽しんだ。 明日の羅臼岳登山のための天気を願って 前日同様に知床ウトロキャンプ場で車中泊。


97/8/15 羅臼岳登頂-野付半島-開陽台-中標津

羅臼岳
深田百名山
日本の山1000
朝起きると空は曇り、しかし雨は降っていないようだ。 この天気で登らなければ登るチャンスがないほどの連日の雨だったので、 朝食をキャンプ場で食べた後、登山口へ。 登山口は晴れているが山の上は曇っていて真っ白。 それでも木下小屋で知床連山という山地図と熊避けの鈴を買って5:40出発。
地図はアルペンガイドなどに比べると詳しく書いてあるので、 山と高原の地図のないこの山を登るときには参考になるだろう。 この地図は知床自然センターが作っているものなので、そこでも手に入る。

鈴はICIスポーツで買ったカウベルに比べると少し響きが悪かったが、 1個よりは2個あった方が安心感が違う。 オホーツク展望台から少し登ると 「この付近全体は熊遭遇危険地域だけど、 ここからしばらくは本当の危険地域」という看板が現れる。 しばらくすると「本当の危険地域は終わりだけど、 この付近全体が普通の危険地域であるのを忘れずに」という看板があるので、 この区間は食料を出すような休憩は控えたい。

しばらく登ると霧の中に入り、レインウェアの上着を着なければいけないほどの霧雨になった。 暑がりな私はそれでもレインウェアの前を開けたまま歩いていたが、 短パン、Tシャツ姿の私を見て「君それじゃぁ寒いだろう」と言われてしまった。 暑くて困っていたのだけど、、、

「今日もこんな天気の山登りかぁ。 こんな遠方の山じゃなければ降りてるかもなぁ」 と思いながら登っていくと、上から降りてきた人が 「あと少しだからがんばって。頂上は晴れてますから?」 正直耳を疑った。 理屈は単純なので、よく分かる。 頂上の標高が雲を越えているのだ。 しかし、今までの山行では大抵登れば登るほど天気が悪くなるのが常であったので、このひどい天気(連日の北海道全体の悪天候も含めて)が頂上で晴れていることを信じることは難しかった。

北海道で初めての空と知床連峰
羅臼岳 標高差はあるけれど、それほどつらくない山道を登っていき、 羅臼平が近づいてくると、まさに一筋の光明が私たちにさしてきた。 一歩登る度にだんだんと明るくなってくる。
羅臼平は遠方は白いものの雨はあがっていた。 西側にうっすらと山の影のようなものが見えるが気のせいだと思っていると、 にわかに霧が晴れ、羅臼岳が姿を現した。 頂上が晴れているというのは本当だったのだ (嘘なわけがないのだが)。 空には私たちが北海道に来てから1週間、一度も顔を見せることがなかった太陽が元気に照っている。

羅臼平から頂上への途中で、 東側を振り返って知床連山を眺めながら休憩をとった。 羅臼平にテントを張っている人たちは明日あの稜線を歩いていくのだろう。 ここに来るまでは「この山は軽く登って済まそう」と思っていたのに、 そのテントを見て「あの稜線を歩けるなんてうらやましいなぁ」 とすっかり気分が変わってしまっていたが、 今となってはしょうがない。 次回のチャンスには是非縦走しよう

大きな岩が転がっている頂上付近を登りきる (9:15、15,648歩)と360度の展望だ。 とは言ってもさっきまで見えていた知床連山でさえすっかり雲の中。 360度一面の雲海の中で唯一ちょこっと顔を見せている山がある。 「うーむ、方角や距離、高さからしても日本の山でそんな山はなかったはずだけど」と思ってよくよく考えると、なんと国後島のチャチャ岳だった。 標高が1822mだそうだからつじつまも合う。 頂上で待っていると次々と登ってきた人たちが 「あの山はなんだ」という話をするので何度も教えてあげた。

羅臼平に戻るとテントのそばで日帰り登山者らしき人が食事をしていた。 様々なガイドブックに「食事の臭いで熊が来るのでテントのそばでは食事をしないように」と書いてあったが、日帰り登山者にテントのそばで食べられてしまっては、、、
再び雨雲の中に突入に備えて羅臼平で休憩&雨の準備をしてから下まで一気に下った。

登山口を目前にしたところでサンダルを履いて手にはタオルというどう考えても羅臼岳に似合わない&時間も今からでは遅すぎる三人組が現れた。 おかしいと思いながらも「こんにちは」と挨拶すると、 彼らにとっては不意の挨拶だったらしくびっくりした後、 「あのー、温泉はどこですかぁ?」と聞いてきた。 「温泉ってなんの温泉ですか?」「カムイワッカです」「・・・」。
「それはここではありませんよ。知床五湖の方に行って、 手前の分岐を知床大橋の方に行ったところに車がたくさん止まっているからすぐに分かります」。彼らは私たちに続いて下山した。 12:40木下小屋到着、31,610歩。彼らがその後無事に入浴できたかは不明。

羅臼温泉のホテルに行って汗を流した。 このホテルはなぜか日帰り入浴らしき客がたくさんいた。
トド肉屋に行くが30分待ちとのことで諦めて「熊の穴」に行って熊ラーメンとトド刺を食べた。

野付半島

野付半島のトドワラに行って馬車に乗る。 帰りは馬車が終わっていたので歩いて戻った。 北海道に来て初めての夕陽が見えたが、結局日没の瞬間は雲に隠れてしまった。 海陽台に向かうが、日没後のため良さはあまり分からなかった。 しかし、ライダーの憧れの地という噂通り大量のテントが張られていた。 中標津では「中標津観光祭り」が行われていて、 大量の提灯はなかなかきれいなものだった。

コンビニで夕食を済ませてから、 弟子屈にある道の駅「摩周温泉」で車中泊。 この道の駅は車中泊をしている車で駐車場は満杯以上。 私たちは偶然に道の駅での車中泊を始めたけれど、 世の中では既にありがちな旅行スタイルなのかもしれない。

野付半島

野付半島

野付半島


97/8/16 多和平-雌阿寒岳登頂-トムラウシ山麓

雌阿寒岳
深田百名山
日本の山1000
阿寒湖方面に向かって走るが、霧が濃くなってきたので田和平に戻って最高の景色の中で朝食。900牧場に寄ってから、 気を取り直して阿寒湖に向かうと雌阿寒岳の頂上を除いて霧は晴れている。 雄阿寒岳の頂上もきれいに見えている。

11:25雌阿寒温泉登山口に車をとめて登り始める。 途中一度の休憩をとって、13:00頂上到着、5,054歩。 オンネトー方面から登ってくる人もいる。 やはり他の山に比べるとファミリー・ハイカーが多いようだ。 火口には毒ガスであろう煙が勢いよく噴出しているのが見える。 しかし、8合目付近までは見えていた景色もそれより上は全て霧の中。 結局頂上では記念写真だけとって8合目まで降りて、 オンネトーとちょっとだけ見える阿寒湖を眺めながら軽く食事。

走って降りていく家族を見ながらゆっくり降りて、 14:15下山、12,044歩。 登りはコースタイムよりは短いのだけど、 下りはどうも遅いようだ。 まぁ、その後の阿寒湖のホテル・シャングリラの屋上ジャグジーにはしっかりと間にあったのだから良しとしよう。 ジャグジーからは霧から解放された雌阿寒湖岳頂上が見えていた、、、 温泉から出て、珈琲とクリームソーダを飲んだ。

明日のトムラウシを狙うためにトムラウシ温泉に向かう。 途中閉店しかかっている「大草原の小さな家」に行って食事。 温泉上方の駐車場で車中泊。 他にもここからトムラウシを狙おうとする車がたくさんとまっている。 正直なところ天気が悪い以上にトムラウシに登る心の準備はできていないまま就寝。


97/8/17 トムラウシ温泉-然別湖-糠平湖-羊蹄山麓

霧吹きの滝

トムラウシ温泉

3時に起きるが霧雨が降っている。 私たちはあっさりあきらめて再び眠ってしまったが、 付近の車の人たちはこの天気でも果敢に登る準備をしていた。 私たちは軟弱なのかなぁ。
7時に再び起き、「霧吹きの滝」を見て、キャンプ場で桃を食べた。 キャンプ場にはトイレもあるので今度ここに来るときは駐車場で寝るよりもここで車中泊した方が良さそうだ。 トムラウシ温泉の国民宿舎でのんびりと露天風呂を楽しんだ。 次回は必ずや幌尻岳と一緒に制覇しよう!

再び「大草原の小さな家」で食事をし、山羊に草を食べさせてから然別湖に向かう。 しかし、湖は完全に霧の中の上に想像を絶する寒さ。 糠平湖の東大雪博物館を見学して15:00に出発。 途中給油以外の休憩無しで洞爺湖畔の「望羊亭」に到着、食事。 羊蹄山自然公園野営場で車中泊。


97/8/18 羊蹄山登頂-登別温泉-室蘭-フェリー

後方羊蹄山
深田百名山
日本の山1000
4:30起床、昨日の夜は月明かりにうっすらと見えていた羊蹄山は(今回の旅行では何度も体験した)霧の中。 この程度でめげていたらこの夏の北海道は何も登れないので、 キャンプ場で朝食をとり、キャンプ場入り口の駐車場に車をとめて6:00に登り始めた。 しかし、下山した時には登山口手前の駐車場は登山者の車で一杯だった。 入ってはいけないのだと思っていたのだが、、、

登り始めてしばらくすると霧の中に入った。 羅臼岳とは違って雨は降っていなかったが、頂上火口付近は羅臼岳と同じで晴天! 周囲はすっかりと雲の下に入ってしまって、ニセコアンヌプリがいると思われる方向でさえ白いじゅうたんが見えるだけ。 遠く札幌方面の山と隙間の下界の町だけが見えている。

二つの頂上
火口を一周して二つある頂上に立った(9:30、12,921歩)。 それにしてもなぜ二つも頂上があるのかはよく分からない。 ガイドブックには火口の東側は岩場なので反対側を往復する例が多く載っているが、ファミリー登山者でもない限り気にせず一周した方が楽しいだろう。 実際、私たちが下ろうとするときに火口稜線上の分岐点で家族連れに 「山頂はどこにあって、どれくらいですか?」と聞かれたので、 「2つ、あそことあそこに見えているのがそうです。 左から入った方が早いと本には載っていますが、どちらでもいけますよ」 と答えると、家族の中で同じ方を往復するかどうかで意見が分かれていた。

下りは再び雲の中を通過して下界に降りると朝よりも天気が悪くなっていた。 ファミリー登山者が多いので私たちが下る頃にすれ違う人が多く、 地図に載っているコースタイムもかなりあまい時間になっているようだ。
12:30に35,789歩で登山口到着。

登別温泉

雨が降りしきる中、登別温泉まで走って第1滝本館で最高の日帰り温泉を楽しんだ。
登別名物、クマ牧場(クマ山山頂にある)にロープウェイで登って餌一袋を一斉に投げ飛ばして大騒ぎを期待するが、目よりも鼻で知覚する熊はひたすらのんびりと反応をしていた。 仲間同士のけんかはかなりのものだったのでちょっと期待していたのだけど、、、

97/8/19 フェリー-大洗-秦野

9:00起床。行きと同じで酔い止め薬のおかげて寝る、食べる、風呂のみで大洗到着。薬を飲むとこんなに快適なものだとは思っていなかった。 18:30に下船し、秦野へ帰った。帰りのこの距離はちょっと遠い。
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