更新日 1998年 7月 20日 Japanese only
MacintoshビギナーのためのPOV-Ray入門
 ささやかながら、自分自身の経験をもとに、POV-Rayで3次元コンピュータグラフィックスを楽しむための事柄をまとめてみました。
 高価なソフトも機材も不要です。ただ、好奇と創造の心、それにInternetとMacintoshパソコン(できればPower Mac)があれば良いのです。
1. POV-Rayとは何か
 次のインターネットホームページにアクセスして、概要を知ってください。リンクなども充実しています。
2. ソフトの入手
 ソフトPOV-Rayの入手では、必ずこちらのRingServerのミラーサイトからダウンロードしてください。本家のftpサイトからダウンロードするとすごく時間がかかりますので、最新版の入手以外は避けたほうが良いでしょう。
 ftp://ring.asahi-net.or.jp/pub/misc/povray/povray/Official-3.0/Macintosh/
 PowerMacでは、ここのpovpmac.sit.hqxをダウンロードします。povmacs.sit.hqxはそのソースファイルで、特に必要という訳ではありません。PowerMacでないとパワー不足でレンダリングに時間がかかりますが、合ったものが用意されていますのでpovpmac.sit.hqxのかわりにそれをダウンロードします。
 解凍ソフトは、StuffIt Expanderでよいでしょう。
3. インストール
 インストールは、特に行う操作はありません。解凍によって出来るフォルダPOV-Ray 3.0に沿って簡単に説明します。
- フォルダPPC Application
 ここのアイコンPOV-Ray PPC をクリックすると、ソフトが立ち上がります。エイリアスをつくってデスクトップに置いておけばよいでしょう。
 
 
- フォルダDocumentation
 英文マニュアルがここにあります。
 
 
- フォルダInclude
 これらのフォルダ内にあるものは主に拡張子.incの付いたファイルでインクルードファイルと呼びます。シーンファイルで使う頭1字大文字の語の定義を記述した英文半角テキストファイルです。
 シーンファイルにほぼ共通して使うものをこのフォルダに置きますが、限られたシーンファイルにしか使わないものはそのシーンファイルと同一のフォルダに置くようにします。なお、初めてPOV-Rayを起動したときには、メニューバーより[Edit]/[Preferences]/[Application]/[Additional folder to search for include files.]でこのフォルダを指定しなければなりません。
 
 
- フォルダScenes
 これらのフォルダ内にあるものはサンプルシーンファイルです。ファイル名の拡張子が.POVとなっているものをダブルクリックすると、POV-Rayがそのファイルを開いた形で立ち上がりますので、レンダリングさせる(メニューバーで[Render]/[Start Rendering]をクリックする)と3D-CG画像が得られます。
 これらのフォルダ内の拡張子.povの付いたファイルはシーンファイルと呼び、モデラーソフトなどでつくった英文半角テキストのシーンを記述したものです。
 なお、このフォルダの中の、フォルダPOVSCNのものは、POV-Ray Ver.2に付属していたサンプルシーンです。フォルダTEXSAMPSのものは、テキスチャのサンプルシーンです。
 
4. マニュアル
 マニュアルは、フォルダDocumentationにあり、当然英文です。
 でも御安心ください、POV-Ray3.0の膨大なマニュアルが翻訳されました。日本語翻訳プロジェクトの方々の御尽力によるものです、暫定版ですが以下よりダウンロードできます。
  http://ted.shinshu-u.ac.jp/~takatera/comp/povdoc3j.lzh
  http://www.on.rim.or.jp/~ryo2/archives/povdoc3j.lzh
  http://www.vector.co.jp/authors/VA000449/archives/povdoc3j.lzh
  http://www.win.or.jp/~kom/povjp/povdoc3j.lzh
 HTML版も近々公開予定とのことです。
5. セッティング
 レンダリングを行うには、メニューバーの[Edit]/[Preferences]をセッティングしなければなりません。次の2つに大別、[File Rendering]はさらにSettings forにより7つ、計8つのウィンドウでセッティングします。一通りチェックすることをお勧めします。
1. [Application]のセッティング
2. [File Rendering]のセッティング
6. レンダリング
6-1.モデリングによるシーンファイル.pov 作成
 POV-Rayを立ち上げるとinternal editorの状態になります。ここでメニューバーの[File]で新しいファイルを開いたり、ファイルを読み込みこんだりします。
 メニューバーの[Template]からよく使うものを選択して書き込むこともできます。
 画像のシーンファイル.POV や、語の定義のインクルードファイル.INC をここで作成し、それらの拡張子.POV や.INC を付けてメニューバーの[File]で[save]または[save as]します。
 最初のうちは、サンプルシーンファイルを開いていじってみると良いでしょう。ちょっと変数や座標を変えてはレンダリングして結果をみてみることをお勧めします。
 わたしは、もっぱら、この直接数値変更と荒い小さい画像出力によるレンダリングの繰り返しで作業します。
6-2.シーンファイルをレンダリング
- レンダリング
 メニューバーの[Render]で[Start Rendering]を選択すると、レンダリングが始まります。中断はメニューバーの[Render]で[Pause Rendering]を選択、中止はメニューバーの[Render]で[Stop Rendering]を選択します。
 
 
- レンダリング結果
 レンダリングが終了すると、シーンファイルと同じフォルダにシーンファイルと同名で拡張子が.pictのPict形式画像ファイルを(設定によってはTarga形式ファイルを横一列pixelsレンダリング終了毎に)出力します。前のファイルは上書きされるので注意が必要です。なお、シーンファイルもレンダリングが終了すると上書きされます。
 
 
- レンダリングの再開
 一旦レンダリングを中止し、再度中止したところからレンダリングを再開したいときは、メニューバーの[Edit]/[Preferences]/[File Rendering]/Settings for [Output File]のセッティングを次のようにします。
 1. Save file as [Pict & Targa]
 2. [x] Continue from previous partial file.
 
 
- 多画像自動レンダリング
 たくさんのシーンファイルを寝ている間や会社に行っている間にレンダリングさせることができます。わたしは、これを使って全部のサンプルシーンファイルからpictファイルを作って、いつでも見れるようにしてあります。
 これを行うには次のようにします。
 1. レンダリングさせるシーンファイル.POVをたくさん用意します。
 ファイルの数に上限はありますが、数十くらいだったら大丈夫です。
 勿論、シーンファイルを示すアイコンのファイルです。
 テキストエディタで作成したシーンファイルの場合には、POV-Rayを立ちあげてメニューバーから[File]/[New]でUntitled.POVのウィンドウを開き、それに作成したものをテキストエディタからコピーアンドペーストで張り付けてセーブすればシーンファイルのアイコンのファイルになりO.K.です。
 2. どれか1つのファイルをダブルクリックし、レンダリングを開始します。
 3. そのレンダリングが終わらないうちに、用意したシーンファイルを全てダブルクリックします。
 間違いのないよう、ワンクリックして、アイコンを選択してからダブルクリックすることを繰り返すと良いでしょう。
 4. これで、放って置いても次々に、ダブルクリックした順にレンダリングしてゆきます。
 全部Renderingが終了したら自動的にMacの電源を切るように、メニューバーから[Edit]/[Preferences]/[Apprication]のウィンドウで、一番下の[Shut down Computer when all jobs finished.]を選択しておくと良いでしょう。
7. さらなる表現力を求めて
 POV-Rayの最大の特徴は、たくさんの POV-Ray ユーザーが、自由に自分の持つテクニックや作品を公開、情報交換し合っているところにあります。皆さんも積極的にその輪に加わって、さらなる表現力を身につけていってください。
 参考までに、私がよく通うホームページを「POV-Ray リンク」としてまとめました。是非御覧ください。
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